35年前はメーカー製のSPが現在ほど整備されていなく、グレードの高いSPを求めるには年収の何倍かを出せばJBLやアルテックのフラッグシップクラスのSPは手に入りましたが、「出来るだけ安価に」と云うと「自分で組み合わせて作る」しか手がなかった。この作業を今も続けている方たちが多いのに驚きます。
現在は「中古のユニット」がヤフオクとかで安く手に入ったり、「粗大ごみ」としてかつての高級ユニットが処分されています。これらをうまく手に入れて楽しんでおられるようです。
しかし、でてくるサウンドも「35年前」のサウンドではついていけません。元々ユニットの持っている性能の1/10も取り出せていない状況でいくらハイスペックのユニットを使っても同じ事です。多少の「ニュアンスの違い」は有っても「懐かしいサウンド」だけでは時間の浪費の様に思います。
こう云った方たちは決まって「ケーブル」は、旧態依然のメーター数十円~数百円の平行線やどうでも良い様なものを使って遊ばれています。お金のかからない遊びかもしれませんが「どこどこの何と云う高級ユニットを使っている」と自慢されるので苦笑してしまいます。
私個人としては、「古いユニットには古いユニットの良さも悪さも有り、新しいソースや録音を楽しむには技術的進歩が必要だ」と思っています。
「CDがLPに音質でかなわない」と云う言葉も多く聞きます。「デジタル臭い」とか「アナログは立体的な自然なサウンドがする」とか・・・・。これも「工夫」や「技術的アプローチ」が足りないと私は思います。進歩的な考え方がなかなか出来ないのが原因だと思います。
私のシステムでは「LPよりCDの方が良いサウンド」がします。CDの再生は「二次元」の表現になり易い事は事実ですが、WEのライントランスや管球アンプのトランスを通すとこの辺のデメリットがアナログクラスには直ぐに出来ます。
メーカー製で有ってもSPを変え、アンプを変え、CDPを変え・・・と機器の交換ばかりでは35年前の状況と何ら変わりが有りません。その頃なかった「技術」が今では有りますので早く気付くべきだと思います。ケーブルに対する認識を改めないと新境地には絶対にたどり着けないと感じています。
ケーブルに対する「嫌悪感」も理解できます。一部の業者で「金額ばかり高くて・・・」で失敗された事のある方も数多く聞きます。ただ使う側も「ケーブルの原理」(伝送の原理)を理解されていない事も非常に大きなファクターを占めます。
各システムが今までで最高のサウンドに変わって来ているので、「音楽」を聴くのが非常に楽しみになって来ました。
現在はCDを漁っています。こまめに探して購入して行きたいと思っています。一度に10枚単位や50枚単位で購入すると「聴かない曲」や「覚えきれないCD」が出て来ますので、月に10枚程度にしないと消化できません。(気に入ると暗記するまで聴きまくる癖が有ります)
ただ、大がかりなシステムでなくても「アンプの暖まる時間」に頭を痛めています。自宅の707Jシステムは CDP+プリ+パワーアンプの非常にシンプルな「駆動系」ですが、「アンプが暖まるまでの時間」がどうしても1時間近くかかります。
どの機器が「暖まるのに時間がかかるのか?」と疑問に持ち、CDPのみやプリアンプのみのSWをあらかじめ入れて置き、最後にパワーアンプのSWを入れたりとして、聴き比べをしています。
意外とCDPやプリアンプに時間がかかっているのを気付きました。現在は、CDPとプリアンプのSWを入れるのを出来るだけ早くするように努めています。
毎日聴く時間は2時間程度です。このうち1時間が「暖気運転」で消化されると正味1時間しか「本来のサウンド」で聴く事が出来ません。もったいない時間です。上記の方法でしますと約30分くらいで「本領発揮」します。
私の場合、CDPとプリが半導体型ですので、早くSWを入れても「寿命」には影響しません。パワーアンプは管球式ですのでどうしても「寿命」を考えてしまいます。
CDPやアンプが暖まる前と暖まってからのサウンドはどうしても大きい差が有ります。
この暖気運転が嫌で「アンプの電源を入れっぱなし」にしている方もいらっしゃいますが、半導体のアンプはそういう使い方をしますと「電源が切れた時」に半導体がしまえます。あまりお勧めしません。毎日ON・OFFを繰り返して使う方法が経験で一番長く安定して使えます。
若い頃は「エイ・エイ・ヤー」的な音楽が好きでした。ベートーベン、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、ドボルザーク、ベルリオーズ等の交響曲を中心に楽しんでいた頃が懐かしいです。今でもこれらの作曲家は好きですが、新しい指揮者や演奏家が出てきても「同じ曲」の繰り返しばかりでちょっと気分的にはマンネリです。
その頃は、バロック音楽や室内楽が「地味」に思えて、ADを買って来ても1回聴くと眠ってしまうのが常でした。今思えば「良く鳴らなかった」と言う事が本音のようです。
現在では「バイオリン」をはじめとする「弦楽器群」が素晴らしく良い音色と音数の多さで鳴ってくれます。チェンバロの音色と質感も申し分ない状態でなってくれますので「室内楽」がとても豊かになってくれます。「本当の音楽は室内楽にある」とは音楽通の先人たちの言葉です。この言葉をしみじみと感じます。
上の写真のC・F・E・バッハの「ビオラ・ダ・ガンバのためのソナタ集」では楽器の音色の豊かさと音場の豊かさを感じる事ができ、ゆったりとした気分で音楽が楽しめます。
モーツァルトの「バイオリンソナタ」も録音がチョッと細身なのは気になりますが、奥行きの表現も音色の美しさも堪能できます。聴いていると時間を忘れて聴き惚れてしまいます。ピアノやバイオリンの音色が「揺らぎ」ます。
私のSP-707Jは基本的にJBLのユニットで構成されたSPです。でもこのサウンドは皆さんが知っている「JBL」サウンドではありません。タンノイに近いサウンドだと思いますが、音のキレが全く異次元のクラスだと思います。私がJBLのユニットに固執するのは「音変換機」としてJBLのSPユニットが優れているからです。
その上に「伝送ロスの極小化」でSPユニットやCDP・アンプの持つ「潜在能力」が如何なく発揮されているからだと思います。このサウンドは実際に聴いてみないと絶対に理解不能だと思っています。何度も「満足」を通り越して追求し続けた「音質」です。
先日、使用するケーブルを全て「ルシファー化」しました事は報告しました。
壁コン~タップ、タップ内配線、CDP SD-9500の電源ケーブル、Trail仕様管球プリの電源ケーブル、Trail仕様6L6Gシングルアンプの電源ケーブルをSCE-45に、CDP~プリ間のRCAケーブルとプリ~パワーアンプ間をSCR-17に、SPケーブルをSCS-34、SP内配線を同じくSCS-34に統一しています。
これでBC‐Ⅱから出てくるサウンドが「激変」しています。今まではメインの「オリンパスシステム」を聴いてからは「落差」大きすぎて、「オリンパスシステム」を聴く前でないと聴けなかったものです。今では、「メイン」とまでは行かないまでも十分楽しめるサウンドとなりました。
SPの性能の違いが歴然と有りますので「取って代わる」事は出来ませんが、このBC‐Ⅱシステムはこれはこれで十分「音楽」が楽しめます。
事務所では「初級クラス」、「中級クラス」、「上級クラス」、「スーパークラス」のシステムを用意していますので、お客様のクラスに合わせてお聞かせする事が出来ます。この為、どのシステムも「音出し」をしながら「維持管理」が必要なのです。
この事務所で鳴っているサウンドは「どこでも聴けないグレード」だと思います。たかが「BC‐Ⅱ」と思っていただいたらさぞビックリされる事でしょう。
BC‐Ⅱシステムの「オールルシファー化」が昨夕完了しました。最後のCDP~プリ間とプリ~パワー間がRCAタイプのルシファーケーブルSCR-17で繋がりました。
さすがに1本がφ11mmの6本仕様のケーブルになりますので取り付けが大変です。CDPやアンプのRCAソケットの距離が20mmぐらいしかないのに直径φ30mmのケーブルを取り付けるのですから、ケーブル同士が干渉してうまく取り付けるのが大変です。なかなか入りません。
ようやく取り付けても、軽いアンプは浮きあがってしまいます。・・・・・。
それでも、「音出し」をしますともう至福の時に変わります。今まで「BC‐Ⅱはこんな音だった・・・」と云う概念を覆されてしまいます。周波数レンジやダイナミックレンジは目いっぱいに広がって、音のなめらかさと音の密度、厚みが決定的に違います。それでいて「音色」はBC‐Ⅱのままです。BC-Ⅱがそのまま大きくなった様なサウンドになりました。
「オールルシファー」のケーブルで配線しますと、今までいろいろな点で不満の有った音がほとんど不満がなくなります。とにかくなめらかで艶が有り、音の厚みがぐんと厚くなり、何を聴いても納得させられてしまいます。
BC‐Ⅱシステムも「音のオーラ」が漂い始めました。これで使用頻度がかなり上がってくれると期待しています。
横に有る「オリンパスシステム」と比べてはいけません。SPの大きさやユニットの数等が違いすぎますのでその差はどう仕様も有りませんが、このBC‐Ⅱ単体としてならJBLの#4311シリーズのエネルギー感と遜色ないものになっています。
BC‐Ⅱシステムの「オールルシファー化」を先週から続けています。昨日、電源関係をすべてSCE-45(ルシファー)に交換しました。
交換後、サウンドの確認をしましたが「低域のエネルギーのアップ」と「分解能の向上」(音数の増加)を確認しています。今までの常識では「出ない」質感とエネルギー感です。
残るは「CDP~プリ間」と「プリ~パワー間」のRCAケーブルのみです。現在は化け物シリーズのSCR-15を使っていますが、今日中にSCR-17(ルシファー)に交換予定です。更なる音質アップを期待しています。
機器の合計価格が約50万円に対し、ケーブルの価格が100万円くらいになります。SPのSP端子や内部配線は既に「ルシファー化」が完了しています。アンプのRCAソケットもフルテックノ最高級品を使用しています。
ケーブルのみならずプラグとソケット類にも気を使わないと「伝送ロス」は極小化出来ません。
PMC-1001EZを使った電源タップについて補足説明します。
PMC-1001EZオリジナルでは「トランスの力は感じますが周波数レンジが狭く、音の質感は粗い」状況です。これは「直出し電源ケーブル・内部配線・コンセント」のグレードが低い為と判断しています。
これに対し今回作成した「ステップアップトランス付き電源タップ」は「インレット化・内部配線のルシファー化・コンセントにフルテックD20A」を使っています。
電源ケーブルにSCE-45Sを前後に使うと画期的な音質になります。SCE-45S(ルシファー)はとんでもない「伝送容量」を持ったケーブルです。タップの前段に使いますと「音の余裕」がまったく違います。また機器に使いますと「機器の活性化」(活眼)をしてくれます。その為には毎日2時間以上聴いて半年以上の時間が必要です。
SCE-45S(ルシファー)はE社の30万円の電源ケーブルの性能をはるかに超えています。音の粒子がより細かく、スケール感はより大きく、周波数レンジもより広く、「音数」の量が違います。それでいて価格は半分以下です。
先月、「PMC-1001EZのステップアップトランスを使った電源タップ」を貸し出しいたしました。
本日その「モニター評価」がお客様から届きました。
中域のエネルギー感、張り出しが素晴らしく、にもかかわらず定位がピンポイントで、歌っている口が一回り小さくなって人間の本当の口に近づいたような締り方と艶です。ホーンでこのような中域が聴けるとは思いませんでした。

お客様は軽井沢の別荘にオーディオルームをお持ちの方で、SPにはJBLのK2 S9500SEをお使いです。当社の商品は、SPケーブルのSCS-34のみお使いでした。
ステップアップトランスはCSEや中村トランスを使ってこられて「この程度か!!」と落胆されてたとの事。この為、当方がステップアップトランスの製作記を書き出して直ぐに「トレイルさんが合格を出すステップアップトランスを聴いて見たい」と試聴依頼を受けました。
お気に召していただけたようで安心しました。使うトランスが優秀でないと単なる117Vになるだけです。良いトランスを使うと117Vに上げた効果と「音質アップ」効果も獲得できます。
昨夜は事務所の方で20数年来のオーディオ仲間と「オフ会」でした。事務所には4つのシステムが有ります。この4セットとも前回3月よりも数段グレードアップしています。
自作のJBL3大ホーンシステムのうち「オリンパスシステム」と「RCA箱システム」は、全てのパーツをバラバラに購入し自分で組み込み作ったもので、まさに「私流自作品」になります。使っているSPユニットも3ウェイの全ての帯域で「ユニットのパラレル化」を試みています。
これに対しEC-138システムとBC‐Ⅱシステムは「メーカー製」の範疇のSPです。根本的にメーカーのユニットそのまま、内部配線の交換くらいです。
昨夜、この4種類のシステムを順に試聴して行きましたが、「私流自作SP」と「メーカー製の範疇SP」とでは「音の出方」に大きな違いが有って、「私流自作SP」を聴いてからはまったく「聴くのが辛い」と思えるようになりました。「音の世界がまったく違う」印象です。「空気が違う」と表現した方が判り易いかもしれません。
メーカー製のSPの特徴は「一つの帯域にSPユニット1個」が原則です。3ウェイなら3個です。これに対して「私流自作SP」は「一つの帯域に2個~4個」のSPユニットを用いています。
「1個のSPユニットが出せるバランスと位相、質感等には限界がある」が私が長年オーディオをやって来て辿り着いた境地です。その為1セットのSPを構成するユニットは7個~8個有ります。一つのSPユニットで出せないサウンドを別のSPユニットで補っています。
こんな風に沢山のユニットを使ってSPシステムを作ると「定位」や「音場」等に影響が出てくると思われがちですが、一般のSPよりよりシャープな定位や音場表現をします。
メーカー製のSPを鳴らされている方の装置の音を聴くと、いつも違和感に感じていたものがはっきり判ったように思います。「音数」がまったく足りないと・・・。