御嶽山へ長野県側から登り岐阜県側に下山する。その二日目です。
山小屋である二ノ池小屋を出発し、サイノ河原を経由して摩利支天山へ。その後、五ノ池小屋に寄ってから飛騨頂上に行った後、濁河温泉口へ下山しました。
下山途中、女性が転倒して負傷すると言うアクシデントが発生しました。
起きてしまったことは、仕方がない。その後の対応を如何にするかです。最善の対応で戻ってくることが出来ました。
二ノ池小屋 ― サイノ河原 ― 三ノ池乗越 ― 分岐 ― 摩利支天山 ― 分岐
― 五ノ池小屋 ― 飛騨頂上 ― お助水 ― のぞき岩 ― 避難小屋 ―
かえる岩 ― 湯の花峠 ― ジョーズ岩 ― 濁河登山口
(03:57)
二ノ池小屋の前です。
4時に剣が峰に向かって出発します。
この時、満点の星空でした。
東の方に三日月。
そしてオリオン座が見えました。
オリオン座と言えば、冬の星座。
その冬の星座が夏の早朝に見れるとは、知りませんでした。
山に登って、早朝に起きてテッペンへ向かう時に見れました。
こう言う面白さ。
山に登ったから体験できることです。
坂道を登って行きます。
段々と辺りが明るくなって行きます。
それに伴って、星が見えなくなっていきました。
(04:25)
東の方が明るくなり光が背中に当たります。
(04:29)
奥社への最後の階段です。
噴火後に整備されたのだと思いますが、階段の途中。
岩が当たったのでしょう。
何段か、欠けたりキズが付いたりしていました。
(04:32)
明るくなっていく東の空です。
下は雲海で高い山々が島のように見えます。
酒杯を伏せたように見えるのが富士山です。
(04:57)
ご来光を待ちました。
やがて太陽が顔を出し、段々大きく成りました。
下山を始めました。
目についたのが小屋の屋根です。
火山弾が飛んできた痕です。
この傷跡で爆発の激しさが想像できます。
「やすらかに」と刻まれた災害慰霊碑です。
右側には銘文が有りました。
63名の行方不明者・死者が出ています。
ここの右側にコンクリートの避難シェルターが設置して有りました。
(05:21)
下山して行きます。
前方に二ノ池。
そして二ノ池山荘が見えます。
(05:40)
二ノ池山荘の朝食です。
剣が峰から戻り、朝食を取りました。
(06:55)
7時前の出発です。
当初の予定では8時の出発でしたが、剣が峰から下山して来て出発時間を早くしました。
前方の岩山。
左の方が摩利支天山の山頂です。
イワツメグサとミヤマダイコンソウ。
ミヤマダイコンソウは教えて貰いましたが、オトギリソウやウマノアシガタに似ています。
葉の違いなどが判断材料になるのではなかろうか。
前方がサイノ河原です。
下って登り返します。
(07:10)
サイノ河原を歩いています。
先に見えるのが白竜避難小屋です。
(07:17)
白竜避難小屋から降りてくる団体が見えました。
先頭が男性で後ろは全部女性でした。
ツアーだと言っていました。
何処から来たのかと聞いたら福岡からだと言っていました。
でも、大阪から出発して来たらしいでした。
想像だが女性専門の山歩きツアーで大阪から来たのではなかろうか。
福岡からと言った女性。わざわざ福岡から来てこのツアーに飛び込んだのか。
福岡から出発するツアーが無ければ大阪まで遠征して参加となるのでしょう。
チシマギキョウ?とイワギキョウ。
チシマギキョウは窄んでいて、露に濡れていました。
Kさんがイワキキョウでなくイワギキョウと濁るのだと教えてくれました。
(07:49)
この場所。摩利支天山への分岐です。
摩利支天山から白装束の男性が下山してきました。
私たちがサイノ河原を歩いていた時、摩利支天山でほら貝を吹いていた人でした。
この男性。
朝、剣が峰で出会った人でした。
私たちのために法螺貝を吹いてくれました。
分岐から摩利支天山へ向かいます。
ヨツバシオガマとハクサンイチゲです。
もう直ぐ山頂です。
摩利支天山の山頂です。
1人が降りてきたら1人が登るように狭い山頂でした。
順番を待ちます。
コノ中にKオジサンも入っています。
(08:22)
狭い摩利支天山の山頂です。
プレートと三角点が有りました。
(09:09)
分岐に戻ってきて下山し、五の池山荘を目指します。
(09:16)
五の池小屋に着きます。
後ろの祠。
飛騨頂上神社です。
五の池小屋のご主人。
きさくな方で客との談笑に応じていました。
五の池小屋のテラスでコーヒーです。
コーヒーは私のですが、アップルパイは女性のもので、セットで撮影させて貰いました。
アップルパイは1枚のクオーターの大きさ。
人気が有り、口にできなかった人も居ました。
五の池小屋のテラスから摩利支天を見上げました。
時々かかる雲。
ゆっくり時間が過ぎていく。
そんな気分がしました。
小屋の近くに群生しているイワギキョウ。
(09:52)
五の池小屋を出発し、裏手の飛騨頂上神社に寄りました。
継子岳分岐を過ぎ、濁河登山口に向かって下山して行きます。
前方で何かを撮影していました。
近くまで来て判りました。
コマクサを撮影していたのです。
(10:09)
ハイマツ帯の中を下山して行きます。
(10:56)
樹林帯の中に入ってきました。
登山口が0で五ノ池が42となっていました。
ここは31です。
下って行くにつれて数が減って行きます。
私たちは下山していくので減少して行ったのですが、見落としたのか、見当たらないプレートも有りました。
(11:07)
お助水まで下山してきました。
ここで昼食となりました。
山小屋で作ってくれたお握りを口にしました。
アクシデント発生
(12:33)
前の方を歩いていた女性が転倒して足をケガしました。
画像の時刻は12時33分となっていますので、発生したのは12時30分頃なのではなかろうか。
私たちのグループは17名でした。
このまま、全員が居ても仕方がないと言う事からケガをした女性YさんとK男さんとK子さんに残って貰い、14名は先に下山することになりました。
下山することになる前の事です。
誰かが、この場所の位置情報。地図№を伝えていました。K子さんが消防とテキパキと連絡を取っていました。そのやり取りを見ていたHさん。彼女は看護師でもやっていたのかと言いました。そう思わせるほどシッカリした対応でした。
後で、K男さんから聞いたのですが、飛来したヘリとのやり取りを聞きました。
一面の泥水の海とか、荒れる海。そのような所からワイヤーを下ろして救助する。そんな様子をテレビの特番で見たことが有ります。今回、岐阜県警察のヘリは飛べなくて富山県の防災ヘリが飛来したそうです。樹林帯の木々の下で、中々下の負傷者を発見して貰えなかったそうです。K男さんさんは目立つようにと赤いジャンパーを振ったと言っていました。でも、ヘリは下で救助を求めるK子さんの方を発見したのだそうでした。樹林帯の木々の中なので見つけ出すのが難しかったのでしょう。携帯電話でヘリとの緊迫したやり取り。そんな場面が想像できます。
Yさんのザック。中身を持つ人、ザックを持つ人。中身は分散させてミンナが持ちました。
許せない言葉
上の画像のような状態の中を男性と女性が通り抜けていきました。
道が塞がれていて気に食わなかったのか、通り抜けて行く時に「烏合の衆」という言葉を発して行きました。この言葉は私以外にも複数の者が耳にしました。通り抜けて行った男性は、この場所で立ち止りうずくまっている女性の状態を見れば正常な状態ではないのが判った筈です。
窮地に陥っている者に対して、このような言葉が投げかけられて腹立たしく思いました。
(13:41)
苔が一杯生えている木道。
そんなところを下山して行きます。
この辺りまで来てサイレンが聞こえてきました。
(14:46)
すれ違った救助隊員たち。
7~8人ほどの人数でした。
下呂市の中心部に有る消防本部。
ここ、濁河と本部は57キロほど離れています。
山の中の道をサイレンを鳴らして走って来たのでしょう。
到着に時間にして2時間近く掛かりました。
この後、ヘリの爆音が聞こえました。
地上とヘリとの交信。
そして救出となったのだと思います。
救出状況が逐一、教えられと聞きました。
そして、教えられたのがYさんが高山市の赤十字病院へ向かったと言うことです。
登山口近くまで下山してきました。
救助工作車が見えます。
1人残っている隊員。
何処かとやり取りしているようです。
(15:03)
登山口まで下山してきました。
バスが待っています。
それに警察のパトカーも待機しています。
ここで二人の下山を待つのだが、全員が居ても仕方がない。
と言うことで、連絡調整役に会長ともう一人が残ることになりまし。
ミンナは、先に行って汗を流してと言うことになりました。
濁河温泉市営露天風呂です。
撮影したのは入浴を済ませた後の16時頃でした。
汗を流し、サッパリできました。
露天風呂に入ったのですが、洗い流していて左モモをアブに刺されました。
裸でいるので防ぎようがない。
こんな事初めてでした。
程なくして、会長ともう一人の男性が訪れました。
Yさんが救出された。
あの場所で待っていても、下山して来るまでに時間がある。
と言うことで入浴に訪れました。
(17:10)
救助隊員と一緒に下山してきたK男さんとK子さん。
お疲れさまでした。
この後、入浴を済ませたK男さんとK子さん。
そして、一緒にバスで帰路に着きました。
(18:17)
帰路、バスの車窓から見える御嶽山です。
アノ山。
長野県側から越えてきました。
最後に
早朝、暗い中を剣が峰に向かいました。
満点の星を眺めることが出来ました。
東の空に三日月。それにオリオン座を確認できました。冬にオリオンは当たり前だが、夏の早朝に眺めれることを知りました。
色々の高山植物の花々を目にすることが出来ました。
ブログで取り上げなかったのですが、ゴゼンタチバナは長野県側と岐阜県側。両方で沢山咲いていました。
サイノ河原を過ぎて女性たちのツアーグループとすれ違いました。恐らく各地から集まり、ツアーに参加している事でしよう。この様なツアー。それなりの費用が掛かるのでしょう。その事を考えれば、今回のような企画をやって貰えたのは有り難いことです。
予てから歩いてみたいと思っていた長野県側から登り、岐阜県側へ下山する。そんな思いが叶い良かったです。
アクシデントが発生しました。
アクシデントの時、通り抜けた男性から「烏合の衆」と言う言葉を投げかけられました。発生してから救急への連絡した人。スマホで現場の位置情報を探り出した人が、連絡している人に位置情報を話していました。
現場にはK男さんとK子さんが残りました。Yさんのザック。それに中身を分散させて何人かが持って下山しました。
起きてしまったことは仕方がないが、みんなの力で対応できたのではなかろうか。
烏合の衆と言う言葉を言われて立腹しましたが、決して烏合の衆ではないと反論したいです。
下山して来てバスの中で情況を話したK男さんによると、ヘリに発見されたのはK子さんだったのだそうです。樹海の下で必死に赤ジャンパーを振るK男さん。救急24時間テレビのような様子が想像できます。
今回のアクシデントで一番痛い思いをしたのはYさんです。完治させて会に復帰して欲しいと思います。