昨日、アメフト (アメリカンフットボール) の試合で危険なタックルをしてK大のQBを負傷させたN大の宮川選手の記者会見をテレビで見た。
何を語るのか? に興味を持っていたが、その前に弱冠20歳の若者が多くの報道陣の前に自らの名も姿もさらけ出しての会見に至った経緯は判らないが、それに至るまでの経緯の中では葛藤、苦悩に苦しんだにちがいない。
会見が始まるとあまり自らの気持ちが高ぶるでもなく、冒頭から冷静に時系列的に経緯を述べたことは、私にとってもよく判る内容だった。
だがその内容を聞いてやはり違和感を憶えたのは多くの人も同様ではないだろうか? 監督、コーチがそのような指示をしたことはあまりにもショッキングなことでもあり、その重圧に耐えられなかったことを悔やんでいたが、その後にその行為の重大性に気付いて号泣したことは聞く者の共感を誘ったに違いない。
このような若者の態度を報道陣も理解したのか、質問も厳しい内容ではなかったように思うが、ある女性記者の質問には同席した弁護士から 「その質問は今日の会見の目的に合わず」 と、釘を刺されたが、いつも記者会見では無理な回答を引き出そうと先走る記者の質問があるが、報道陣としても節度ある質問をするべきである。
総じて私が感じたのはこの若者は好青年との印象だった。このような有能な若者に違法タックルを指示する監督、コーチの責任は看過できるものではない。
被害者側では既に被害届を警察に出しているようだが、スポーツでの犯罪認定は難しいとの意見もあるが、それは証拠の確認だろうが、例え事件としての立証が困難としても、監督、コーチの行為が許されるべきではない。
またこのように宮川選手が記者会見する前にあるべきは、監督が速やかに会見して自らの考えを語るのが順序のはずだが、監督そして大学側とも社会での動静を見ながら対応しているようで、危機管理の弱さの表れでもある。
今は政治の世界でも 「真実」 が伏せられてその結果がモリトモ問題などを引き起こしているが、この会見のように 「本当の話し」 が世に出ることが、如何に問題解決に繋がるかを関係者はよく理解しなければならない。
この宮川選手の話の中で 「もうアメフトをする権利もない。もうアメフトはやらない」 との決意はあまりにも酷に聞こえた。一人の有能な若者の将来を打ち砕いてしまった監督、コーチなどの指示はあまりにも度の過ぎた越権行為でもある。
大学スポーツは教育の一環で、社会に役立つ人間形成を目指すはずで、監督、コーチはそれを導く立場としての役割は大きい。
明日、N大から今回の問題に対するK大への回答があるが、その回答次第によってはさらにN大への社会からの強い風が吹くことは明らか、明日の回答を注目しよう。
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