諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

菊理姫はイザナギ命に何を囁いたのか単純に考えてみた。その2

2018年11月26日 10時01分53秒 | 神道
続きます。

前回、二つの問題点を書きました。菊理姫が古事記には出て来ない点と、大事な事なのに菊理姫がイザナギ命に伝えた囁きを書かなかった事です。

何故なのか。

古事記も日本書紀も古くからの伝承を編集した書です。編集者が伝承を選び、少なからず都合よく修正して編集している筈です。

場合によっては真実を曲げながらも真実に繋がる道筋を残している部分が有ると思います。

私も編集者をしていましたが、クライアント、主幹、世間に対して穏便に波風が立たないように修正して編集します。更には読ませる工夫もします。記紀の編集者もそうした筈です。

それでは先ず、日本書記で何故に菊理姫の囁きの内容を記載しなかったのか。

これってただ単に文章に読者を引き込もうとしたのではないでしょうか。

私のブログを読んでいれば分かると思うのですが、答えを引き延ばして「続く」で終わらせたりします。次の展開を期待させる為に。

ダブって同じことを書くのも煩わしい。菊理姫がイザナギ命に囁いた。その囁きを聞いてイザナギ命が行動を起こす。それだけの話。読者の興味を引かせただけの話。

ほら、今回の私の記事で「次回までに考えて」とか言って、答えを書かずに引き延ばしたでしょ。それと同じです。少年向け漫画の良くやる手です。この「引き」を日本書紀の編集者は行ったのです。

つまり菊理姫の囁きを聞いてイザナギ命はどう動いたかがキーポイントです。

イザナギ命は阿波岐原で禊をした。黄泉の国で穢れた衣類を脱ぎ捨てた。その穢れた衣類から船戸神や道俣神が生れた。最後にはイザナギ命が顔を洗い、天照大神、月読命、スサノオ命の三貴子が生まれた。

つまり菊理姫はイザナギ命に「阿波岐原で祓い清めの禊をすれば、黄泉の国での穢れが取れますよ。イザナミ命との縁も切れます。そして私たちよりも尊い三貴子の神々が生れます。万々歳ですよね」とか囁いたのではないでしょうか。

では、なぜ古事記では菊理姫が出て来ないのか。

大まかに言いますと古事記は天皇家一族向け、日本書紀は一般庶民向けの書です。この点にヒントが隠されていると思われます。

例えば天皇家ではお湯殿の上の女房と言われる者たちによる天皇の禊の儀式が有る。これっ、古事記が書かれる前か後かは分かりませんが、あえて菊理姫を出さなくても分かり切っていた可能性がある。

それと菊理姫の囁きによりイザナギ命が禊をした。その禊から天皇家の祖神である天照大神が生れた。それでは天照大神よりも菊理姫に信仰が集まる。それは天皇家にとって不味い。天皇家に迫害される。

菊理姫は黄泉の国の住人です。穢れた世界で生きている者です。そんな穢れた者の囁きで天照大神が生れ今の天皇家が有るとしたら、やっぱり大変不味いと思います。

私が古事記の編集者でも菊理姫は登場させないです。天皇家に恨まれたくないので。

古事記の編集者はそれを危惧していたと思われます。

最後に阿波岐原でイザナギ命の禊から生まれた神々は、黄泉の国の穢れだったと考えられる。これはどう言う事か。

極論を言わせて貰いますと全員穢れた神々。つまり天照大神も含めて国津神だと言えます。

国津神・天照大神を天岩戸に隠れさせ、出てきた事で天津神に変身させたのだと考えます。

まっ、こんな所です。

実はまだまだ菊理姫の囁きについて色々と考えられるのですが、今回は記紀の編集者の気持ちになって考えてみました。案外、こんな感じが正解かも知れません。

また考えが練れたら書きたいと思います。


ではでは。









コメント (6)
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