諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

伊丹十三は何で自殺をしたのか考えてみた。その2

2020年06月29日 17時12分26秒 | 人生
続きます。

私が伊丹十三であるなら、また暴漢に襲われる事も考えてしまいます。今回は怪我で済んだが、次は殺されるかも知れない。殺されて死ぬのは嫌だ。それなら自殺した方が良い。そんな想いも有ったと考えられます。

ここでもう一人、何故自殺したのか分からない三島由紀夫で考えてみたいと思います。

三島由紀夫が割腹自殺した理由。それは「ストレスで脳腫瘍になった」、「オカマのヒステリー」とか、色々言われております。

その中で私が支持しているのは丘永漢(W7なのでキュウの字が出ず)の「歳を取りたくなかった説」です。

彼はナルシストです。だから身体を鍛え上げてビルドアップしていた。最高の知性を有している。名声もあり裕福。何も不安の無い人生を歩んでいた。それなのに自殺した。

私は以前、「三島由紀夫は瀬織津姫を演じたのではあるまいか」と題してブログを書きましたが、それは多分言い訳。

日本国民を奮い立たせる。それも本音ではない。体裁。

徴兵検査を仮病で逃れた。その罪悪感との話もあるが、それは自分に酔っているナルシストの感情。本音ではない。

では何故にあの死に方をしたのか。

私は三島由紀夫に魅了されたくないので、彼の作品は読まないようにしていたのですが、2年前、NHKで「命売ります」と言う彼が原作したドラマを放送していた。それをチョッとだけ見てしまった。やはり彼の人生のテーマは命と死である事を知った。

切腹と言う死に方を選んだ。これは間違いなく本人の希望。彼は切腹したかった。

これは彼の作品のタイトルだけの判断なのだが、彼にはマゾヒストの心情があるのではないかと思える。切腹する事に興奮を覚える。切腹と言う快感に溺れながら死にたかったのではないか。

そして一番の理由。それは人間の不治の病である老化に対する怯え。

自分はこれまで智も身体も鍛え上げてきた。文壇では誰にも劣らぬ実力を示した。お金もある。名声も有る。家庭にも恵まれている。しかし、それは老化と共に何れ衰える。

老化は心も身体も知恵も衰えさせる。何時までもピークの自分ではいられない。

鍛えた身体は窄み、作家としての実力も維持出来なくなる。東大全共闘と激論を戦わせた、火の玉の様なスピリットも消える。それが大変恐ろしい。

不治の病である老化。それを止めるには自死しかない。45歳で自死すれば、45歳のままの自分が、人々の記憶の中で生き続けられる。

45歳のピークの今死ねば、何時までも45歳の自分が語り継がれて行く。死は今しかない。

それが三島由紀夫の自決の本音ではないかと、私は推察ます。


続く。


コメント (12)
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