諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

妖怪・沼御前のモデルは、瀬織津姫と考えて良いと思う。【沼沢湖・沼御前神社にて】その2

2020年01月10日 23時06分26秒 | 瀬織津姫
続きです。

沼沢湖に近付くにつれ、眼下に只見川が見える。

秘境・只見川。聞いてはいたけど、景観が素晴らしい。素晴らし過ぎて崖下に吸い込まれそうになる位だ。

途中、小さな公園が在ったので、アリオンを止めて公園で佇み、眼下の只見川を見下ろす。小規模のダムが見える。

公園には慰霊碑が建っていた。そのダムを造る為に亡くなった人達の名が彫られている。こんなにも人が亡くなっているのか。

黒部ダムや奥只見川ダムでは、それぞれ200名の犠牲者を出したと聞いているが、この小さなダムでも数十人が死んでいるみたい。そんなにダムは必要なのか。

黒部ダムでも福島第一原発の10分の1の発電量でしかない。電力の供給の為にダムを建設したのではないと思う。やはり雇用とこの地域が潤う為に不必要なダムを建設したのだろうか。

否、この地には「白髭水の洪水伝説」が残っている。洪水が発生すると白髭の翁が流される丸太の先に乗り、「洪水が来るぞぉー」と叫んで教えた。それで多くの村人が救われたとか。

この白髭の翁は山神・大山津見神だと思える。そして洪水を起こす神は、その娘と考えられる水神・瀬織津姫であろうか。

この二神の神名には、共に「津」の文字が付く。何れ考えてみたいと思うが、やはり洪水が多発してダムが必要になった部分はあると思う。そうでなければ、亡くなった人が浮かばれないな。

そして予てから念願だった沼沢湖に到着。キャンプ場の駐車場にアリオンを止め、沼沢湖の浜を歩く。暑い。何だこの異常な暑さは。

沼沢湖はカルデラ湖。高地に位置する。だから涼しいと思っていたが、カルデラ湖故に究極の盆地になっている。だから暑いのか。それにしても尋常ではない暑さだ。東京よりも暑いぞ、こりゃ。

よくこんなところでキャンプをやれるもんだ。テントの中はサウナ状態だろうに。

キャンプ場内では、ヒメマスの塩焼きが売られていた。

鱒族で一番美味しいと言われるヒメマス。東北ではここと十和田湖でしか釣れない。ここまで来たのだから食べてみっか。

でも、余りにも暑くて食欲が湧かない。しかも一匹800円。高い。止めよう。ヒメマスを食べに来たのではない。沼御前を祀る沼御前神社に参拝に来たのだ。

キャンプ場を後にして、沼御前神社に向かう。橙色の南瓜がなる畑の空き地にアリオンを止める。

目の前は沼沢湖。そして沼御前神社が座する場所の下は水深が深かく、ヒメマスが釣れるポイントになっている。スプーンをキャストする釣り客が何人かいる。

釣れない筈だ。こんなに暑いのだ。冷水を好むヒメマスが、上層を泳いでいる訳が無い。水深100メートルとされる湖底にいる筈だ。

釣果を見てみると、やはり誰も釣れていない。当然だ。ヒメマスが陸っぱりで釣れるのは5月までだろう。この暑さならボートで湖底を狙わないと釣れない。やはりヒメマス釣りを諦めて正解だったな。釣れないのが分かっていて、2000円の遊漁料も払いたくないし。

そんな事を想っていると、急に夕立が降り始めた。勢いが凄い。一旦、沼御前神社崖下の木々の元で雨宿りをする。そして直ぐに夕立が止んだ。

そしたらアスファルトのワンドの小道から蒸気が湧いた。余りの暑さでアスファルトが高熱を持ち、その熱で夕立の水が蒸気となった様だ。

こんな光景、見たことが無い。ここまで暑いのか。ここが日本で一番暑い場所なのかも知れん。

この光景を見ると、沼御前の本性である沼沢湖の大蛇伝説も分かる気がする。

大蛇が水煙と共に湖面から現れる。この水蒸気がその水煙ではあるまいか。そしてそれが神格化され、大蛇伝説に繋がった。

十分、考えられると想う。


続く。








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妖怪・沼御前のモデルは、瀬織津姫と考えて良いと思う。【沼沢湖・沼御前神社にて】その1

2020年01月10日 08時56分42秒 | 瀬織津姫
令和1年も過ぎました。1年は本当に早い。そう感じるのは、死を意識する年代になったからでしょうか。

この話は昨年の8月、福島県の奥会津金山町にある沼沢湖、そしてその側にある沼御前神社に寄った時の話です。

西会津の道の駅「にしあいづ」で車中泊にて起床。近場のロータスインにて風呂に入る。

一応、渓流釣りの準備はして来たが、神社に行くのに釣りは不味い。今回も止めて置く。

最初鳥追観音。次に大山祇神社。最後に最終目的の沼御前神社へと向かう。

「これぞ峠道」と言う道なり。アリオンでも大き過ぎる。

対抗車で何台かのカートップボートのワンボックス車とすれ違う。沼沢湖から帰って来ているのだろう。よくあんなデカイ車でこの道を走れるもんだ。

実は沼沢湖ではヒメマスが釣れる。

私も分割式ボートを持っているので釣りたいと思っているのだが、遊漁料が船釣りで5000円、陸釣りでも2000円取られる。現地で徴収された場合、更に500円の追加。

高過ぎるよ。釣れなかったらどうすんのよ。残念賞でヒメマスを3匹貰ったって納得できないよ。こんなに高額な遊漁料を払って釣れなかったら本当に惨め。悲しい。

だからあえてルアーロッドは持って来なかった。どうせ釣れないだろうし。

途中、不思議な佇まいの神社に出くわす。碑には「蝦夷神社」と書かれている。蝦夷ってもしや・・・と思ったが、蝦夷と書いてエビスと読むらしい。っと言う事は恵比寿様を祀っているのだろう。

神社の前には築100年くらいの二階建ての家が一軒のみ。よくこんな寂しい所に住めるもんだ。夜、恐ろし過ぎるよ。

それに冬はこの辺、2~3メートルの雪が積もるそうじゃないの。無理だ。私にはポッツンと一軒家に住むのは無理だ。怖いし、大変過ぎる。

蝦夷神社に参拝する。生命感が感じられない。境内は手入れがされていない。管理している人はいないのか。

福島県は震災以降、手入れがされていない神社が増えた。公園もそうだ。それよりも放射能の除去が先決だ。

私の母方の従兄もそうだが、放射能除去の仕事に借り出されて、お金にならない雑草の手入れをする人がいなくなった。これは仕方が無い事なのか。

蝦夷神社に祀られている神様も怒っている感じがする。ここには長く居られない。丁重に参拝して帰る。

ここみでちょっと話を変えます。

これは後日、ニュースで知ったのですが、この蝦夷神社の道なりに炭酸水の出る井戸があり、高齢の父とその娘が水を汲みに来て父親が井戸に落ちた。父親を助けようとして娘も井戸へ落ちた。そして二人とも亡くなる事件があったとか。私がその道を通った2日後の話でです。考えさせられます。

もし、私がその炭酸水の出る井戸を知っていたらどうか。

無類の水好きの私です。絶対に飲みに寄っています。そして人並み外れたドジな私ですから、もしかしたら私が井戸に落ちていたかも知れない。

私が井戸に落ちて死んでいたら、この二人の父娘は井戸には近付かなかった筈。これが人生の不思議さ。

私が不幸になれば誰かが助かる。その逆も当然ある。これが正負の法則。誰かの負により、誰かに正が訪れる。どちらも避けられない。だから人生は難しい。こんな事ばかり考えても仕方ないけど。


続く。






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松川浦・川口稲荷神社で想う。その2

2020年01月09日 05時55分07秒 | 神道
続きです。

川口稲荷神社の社名で気にかかるのが「川口」です。松川浦は潟湖なのですが、宇多川(宇田川)の河口でもある。だから「川口」の名か付いているのでしょう。

そうなると思い浮かべる女神がいます。河口神・速秋津姫です。

それと「宇多川」。「ウダ、ウタ」は河童を意味するそうです。そして河童の正体は海人・アタ族。

福島県の地名には安達太良、熱海、安積、安達ヶ原等々、アタ族を示す地名が多い。この地にもアタ族が追われて来た。アタ族は河童(ウダ)と蔑まれていた。だから宇多川なのではないか。

それに松川浦から宮城県に入る新地町には、手長伝説が残る鹿狼山がある。鹿狼山の頂上に座して、手長が長い手で海の貝を拾って食べていた。

松川浦はアサリが採れる。鹿狼山と松川浦は対と考えられる。つまり手長は山神であり海神でもある。アタ族の特徴と合致する。

その点を考えると川口稲荷神社は、ただの稲荷神社ではない筈。そう思い鳥居に近付く。

鳥居の隣の真新しい石碑を見ると、川口稲荷神社の字の脇に「安波大杉大明神、貴船尊権現、船玉天妃尊」と彫られている。

更に石段を登ると小さな3つの社の側には「川口龍神」の石碑がある。全て海神・水神ですね。仏教と習合していた時代から続いている様です。

先ずは「安波大杉大明神」。通称・アンバサマです。「安波」は「網場」と形容されたりもします。つまり漁業の神です。「安波」の字からも凪の海を連想させます。漁業の安全を願った神と言えます。

ただ、アンバサマと言えば「島の坊、とうせん坊」。怪力をを誇る村の嫌われ者。大鍋を背負う者。

平将門公の息子、或いは家来とされる永井平九郎も大鍋を背負っていたとする昔話を読んだ事がありますが、島の坊共々最後は殺されたとの伝承が残っています。

これは海人・アタ族が朝廷側の勢力に追われた。最後は殺された。その後ろめたさから海神として祀ったのだと思います。祟りを受けない為に。

「貴船尊権現」。「貴船」は黄泉の国に渡る為の乗り物。勿論、船ですから漁業の神として迎えられた。

それだけじゃないですね。貴船神は水神である高オカミノ神。つまり瀬織津姫とされていますが、松川浦ではやはり河口神である速秋津姫を示しているのだと思います。何たって松川浦は宇多川の河口なのですから。

そして難関なのか「船玉天妃尊」。「天妃」って道教の信仰です。それが船玉神と合わせて考えられたのでしょう。

天妃信仰に付いては説明するのは大変長くなりそうなので今回は省きますが、九州に集中している信仰です。次いで茨城県。

そう言えば青森県の大間稲荷神社も川口稲荷神社と同系の神社と言えます。鎮座する地形も似ていますし。

多分、「天妃信仰=河童信仰」と考えて良いと思います。長崎県は河童に対する伝承が多いですし。

「船玉」に関しては「女性器」の意味も持ちます。天妃でも分かりますが女神である事は間違いないです。そして船玉神は天鳥船尊であるとされる。当然、船の神様。

船に女性が乗ると海が荒れるとされるのは、船玉神は女神であるから。更に船に乗って日本武尊が東方征伐に向かう途中、渡神(海神)が現れ嵐を起こした。

一緒に船に乗っていた日本武尊の妻・弟橘姫が入水して嵐を鎮めたと記紀で伝えている事から、「船玉神=弟橘姫」とも考えられる様にもなったようです。

因みに東を「アヅマ」と読むのは、「我妻、吾妻」から来ています。「東に行ったら我妻が命を落とした」。だから「東=我妻」。

福島県には吾妻連峰がありますが、日本武尊への信仰。つまり白鳥信仰が福島県に色濃く伝わっていると言えます。特に松川浦は白鳥信仰の中心地と言えます。

全国の船玉神社の祭神は天鳥船尊、綿津見三神、猿田彦尊を祀っているケースが多いです。

猿田彦尊を祀るのは導きの神だからでしょう。そこから考えると天鳥船神である船玉神は、猿田彦尊の妻となったアメノウズメ命のイメージが出てきます。

アメノウズメ命は天岩戸開きで女性器を露にして踊った。それで岩戸が開いた。天照大神を導いた。

船玉は女性器を示す。船の神は導きの神でなければならない。そこから考えて船玉神=アメノウズメ命と私は考えます。性器信仰は導きの信仰でもあります。そして日本の本来の信仰でもありますし。

故に河童や天妃として落とされたと考えられます。仏教や朝廷側から見れば、日本本来の信仰は隠したい部分がありますので。

以上です。この小さな川口稲荷神社でありますが、中々の伝承と教えが考えられます。

その神社の前で何も知らず釣りをしていた少年時代の私。まさかこんな風に考える様になったとは思いもよりませんでした。

そして東日本大震災。松川浦は甚大な被害を追った。福島第一原発からも近い。津波との関連も考えられる。だから安波大杉明神を祀っていてたとも考えられる。

もっと川口稲荷神社に付いて考えて置くべきだったと思います。神社は震災、そして津波を伝える歴史の証明でも有りますので。


ではでは。












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松川浦・川口稲荷神社で想う。その1

2020年01月07日 00時36分57秒 | 神道
あけまして、おめでとうごじゃりす。

恒例の正月禊旅に出かけておりました。今回も故郷、福島県・いわき市です。車中泊での旅です。寒過ぎて風邪を引いたみたいです。

しかもトロよりも好きなアボガドをワサビ醤油食べたら、アレルギーが出ちゃいました。扁桃腺が腫れてます。喉が痛い。これも禊での負なのでしょう。これはこれで納得しています。

さて、今回のお話はいわき市に向かう途中に立ち寄った、松川浦・川口稲荷神社に付いてです。

私、10歳前後からこの神社を承知していました。何せ、崖の上に鎮座するこの神社を背にして海釣りをしていたもので。

私にとって海と言えば松川浦です。亡くなった従兄弟との思い出の海であります。真冬時に川口稲荷神社の前で、40cmを超えるカレイを釣り上げた事があります。

その反対に漁船のスクリューにラインが巻き込まれて、投げ竿を2本、海に持って行かれた事もあります。この神社の前では良い事と悪い事を経験しています。恵みと祟り、私らしいです。

さて、今回、松川浦を旅していて「あの神社は何と言う社名なのだろう」と気になっていました。そして参拝しようと。

鳥居と赤い物置みたいな社は真新しかったです。これはどうも東日本大震災で社が倒壊した模様です。津波もギリギリまで迫っていた様です。

岩手県、宮城県もそうですが、海岸線に座する神社の殆どが高台に鎮座しています。これって神様だけは津波から守ろうとする先人の考え・教えがあっての事。

それが分からず甚大な津波被害を出した。原発事故まで起こした。先人と神の教えを無視した祟り。

震災も祟りであり、禊なのだと想う。信心していれば最小限に食い止められていただろうに。

福島県の海岸線の建物の大半は新しく建て替えられています。松川浦も被害は甚大だった。農業も漁業も諦めたのか、太陽光発電が乱立している。巨大な風力発電さえもある。回っていなかったから、発電は出来ていないみたい。

そう簡単じゃないよ、お金を儲けるのは。

先ずは地鎮でしょ。多くの命が失われたのだから。信心を完全に忘れてしまったのでは無いのか。それじゃ、また東日本大震災も直ぐ再来するんじゃないの。

まっ、それは嘆かわしいですが話を戻します。川口稲荷神社です。何時もながら下調べもせずに出かけたので、現地にいって初めて社名を知りました。

稲荷神社は私、以前は避けていました。恐ろしかったので。

お稲荷さんを一度参拝したら、他の神様を参拝してはいけない。お稲荷さんの眷属は白狐。ナアナアが聞かない。他の神社を参拝したら、お狐様が嫉妬する。

犬は1の愛情を100で返してくれる動物ですが、お狐様の御利益もそう。一番願いを叶えてくれるのか稲荷神社。

しかし、祟りも凄まじい。1の不敬を100で返す。

「触らぬ神に祟り無し」。この言葉はお稲荷さんを指している言われてます。だから怖くて参拝を避けていたのです。

でもね、今はお稲荷様がどんな神様なのかある程度把握しています。お稲荷様あっての五穀豊穣。御飯を食べられるのは、お稲荷様のご利益。

残念ながら糖尿病で御飯を余り食べれない身体になってしまいましたが、食の神様にお礼の参拝をしないでどうするか。

そう考える様になりまして、お稲荷様への参拝もする様になりました。


続く。

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