続きです。
沼沢湖に近付くにつれ、眼下に只見川が見える。
秘境・只見川。聞いてはいたけど、景観が素晴らしい。素晴らし過ぎて崖下に吸い込まれそうになる位だ。
途中、小さな公園が在ったので、アリオンを止めて公園で佇み、眼下の只見川を見下ろす。小規模のダムが見える。
公園には慰霊碑が建っていた。そのダムを造る為に亡くなった人達の名が彫られている。こんなにも人が亡くなっているのか。
黒部ダムや奥只見川ダムでは、それぞれ200名の犠牲者を出したと聞いているが、この小さなダムでも数十人が死んでいるみたい。そんなにダムは必要なのか。
黒部ダムでも福島第一原発の10分の1の発電量でしかない。電力の供給の為にダムを建設したのではないと思う。やはり雇用とこの地域が潤う為に不必要なダムを建設したのだろうか。
否、この地には「白髭水の洪水伝説」が残っている。洪水が発生すると白髭の翁が流される丸太の先に乗り、「洪水が来るぞぉー」と叫んで教えた。それで多くの村人が救われたとか。
この白髭の翁は山神・大山津見神だと思える。そして洪水を起こす神は、その娘と考えられる水神・瀬織津姫であろうか。
この二神の神名には、共に「津」の文字が付く。何れ考えてみたいと思うが、やはり洪水が多発してダムが必要になった部分はあると思う。そうでなければ、亡くなった人が浮かばれないな。
そして予てから念願だった沼沢湖に到着。キャンプ場の駐車場にアリオンを止め、沼沢湖の浜を歩く。暑い。何だこの異常な暑さは。
沼沢湖はカルデラ湖。高地に位置する。だから涼しいと思っていたが、カルデラ湖故に究極の盆地になっている。だから暑いのか。それにしても尋常ではない暑さだ。東京よりも暑いぞ、こりゃ。
よくこんなところでキャンプをやれるもんだ。テントの中はサウナ状態だろうに。
キャンプ場内では、ヒメマスの塩焼きが売られていた。
鱒族で一番美味しいと言われるヒメマス。東北ではここと十和田湖でしか釣れない。ここまで来たのだから食べてみっか。
でも、余りにも暑くて食欲が湧かない。しかも一匹800円。高い。止めよう。ヒメマスを食べに来たのではない。沼御前を祀る沼御前神社に参拝に来たのだ。
キャンプ場を後にして、沼御前神社に向かう。橙色の南瓜がなる畑の空き地にアリオンを止める。
目の前は沼沢湖。そして沼御前神社が座する場所の下は水深が深かく、ヒメマスが釣れるポイントになっている。スプーンをキャストする釣り客が何人かいる。
釣れない筈だ。こんなに暑いのだ。冷水を好むヒメマスが、上層を泳いでいる訳が無い。水深100メートルとされる湖底にいる筈だ。
釣果を見てみると、やはり誰も釣れていない。当然だ。ヒメマスが陸っぱりで釣れるのは5月までだろう。この暑さならボートで湖底を狙わないと釣れない。やはりヒメマス釣りを諦めて正解だったな。釣れないのが分かっていて、2000円の遊漁料も払いたくないし。
そんな事を想っていると、急に夕立が降り始めた。勢いが凄い。一旦、沼御前神社崖下の木々の元で雨宿りをする。そして直ぐに夕立が止んだ。
そしたらアスファルトのワンドの小道から蒸気が湧いた。余りの暑さでアスファルトが高熱を持ち、その熱で夕立の水が蒸気となった様だ。
こんな光景、見たことが無い。ここまで暑いのか。ここが日本で一番暑い場所なのかも知れん。
この光景を見ると、沼御前の本性である沼沢湖の大蛇伝説も分かる気がする。
大蛇が水煙と共に湖面から現れる。この水蒸気がその水煙ではあるまいか。そしてそれが神格化され、大蛇伝説に繋がった。
十分、考えられると想う。
続く。
沼沢湖に近付くにつれ、眼下に只見川が見える。
秘境・只見川。聞いてはいたけど、景観が素晴らしい。素晴らし過ぎて崖下に吸い込まれそうになる位だ。
途中、小さな公園が在ったので、アリオンを止めて公園で佇み、眼下の只見川を見下ろす。小規模のダムが見える。
公園には慰霊碑が建っていた。そのダムを造る為に亡くなった人達の名が彫られている。こんなにも人が亡くなっているのか。
黒部ダムや奥只見川ダムでは、それぞれ200名の犠牲者を出したと聞いているが、この小さなダムでも数十人が死んでいるみたい。そんなにダムは必要なのか。
黒部ダムでも福島第一原発の10分の1の発電量でしかない。電力の供給の為にダムを建設したのではないと思う。やはり雇用とこの地域が潤う為に不必要なダムを建設したのだろうか。
否、この地には「白髭水の洪水伝説」が残っている。洪水が発生すると白髭の翁が流される丸太の先に乗り、「洪水が来るぞぉー」と叫んで教えた。それで多くの村人が救われたとか。
この白髭の翁は山神・大山津見神だと思える。そして洪水を起こす神は、その娘と考えられる水神・瀬織津姫であろうか。
この二神の神名には、共に「津」の文字が付く。何れ考えてみたいと思うが、やはり洪水が多発してダムが必要になった部分はあると思う。そうでなければ、亡くなった人が浮かばれないな。
そして予てから念願だった沼沢湖に到着。キャンプ場の駐車場にアリオンを止め、沼沢湖の浜を歩く。暑い。何だこの異常な暑さは。
沼沢湖はカルデラ湖。高地に位置する。だから涼しいと思っていたが、カルデラ湖故に究極の盆地になっている。だから暑いのか。それにしても尋常ではない暑さだ。東京よりも暑いぞ、こりゃ。
よくこんなところでキャンプをやれるもんだ。テントの中はサウナ状態だろうに。
キャンプ場内では、ヒメマスの塩焼きが売られていた。
鱒族で一番美味しいと言われるヒメマス。東北ではここと十和田湖でしか釣れない。ここまで来たのだから食べてみっか。
でも、余りにも暑くて食欲が湧かない。しかも一匹800円。高い。止めよう。ヒメマスを食べに来たのではない。沼御前を祀る沼御前神社に参拝に来たのだ。
キャンプ場を後にして、沼御前神社に向かう。橙色の南瓜がなる畑の空き地にアリオンを止める。
目の前は沼沢湖。そして沼御前神社が座する場所の下は水深が深かく、ヒメマスが釣れるポイントになっている。スプーンをキャストする釣り客が何人かいる。
釣れない筈だ。こんなに暑いのだ。冷水を好むヒメマスが、上層を泳いでいる訳が無い。水深100メートルとされる湖底にいる筈だ。
釣果を見てみると、やはり誰も釣れていない。当然だ。ヒメマスが陸っぱりで釣れるのは5月までだろう。この暑さならボートで湖底を狙わないと釣れない。やはりヒメマス釣りを諦めて正解だったな。釣れないのが分かっていて、2000円の遊漁料も払いたくないし。
そんな事を想っていると、急に夕立が降り始めた。勢いが凄い。一旦、沼御前神社崖下の木々の元で雨宿りをする。そして直ぐに夕立が止んだ。
そしたらアスファルトのワンドの小道から蒸気が湧いた。余りの暑さでアスファルトが高熱を持ち、その熱で夕立の水が蒸気となった様だ。
こんな光景、見たことが無い。ここまで暑いのか。ここが日本で一番暑い場所なのかも知れん。
この光景を見ると、沼御前の本性である沼沢湖の大蛇伝説も分かる気がする。
大蛇が水煙と共に湖面から現れる。この水蒸気がその水煙ではあるまいか。そしてそれが神格化され、大蛇伝説に繋がった。
十分、考えられると想う。
続く。