平成28年7月16日
2016年参議院議員選挙結果により岡山選出国会議員の構図は以下の通りになりました。

山陽新聞記者座談会「参院選終えて」 見えにくかった「違い」
(2016年07月12日 08時05分 更新)
10日投開票された参院選で、新人3人が争った岡山選挙区(改選数1)は、自民党の小野田紀美氏(33)が、
民進党の黒石健太郎氏(32)、諸派の田部雄治氏(40)を退け、初当選を飾った。
与野党双方が勢力を結集し、全面対決となった選挙戦。
何が問われ、結果は今後の県政界にどんな影響をもたらすのか。取材班の記者が振り返った。
勢力図
■復権果たした自民
A 自民は民進現職の江田五月氏が守り続けてきた改選議席を奪取した。
県内の衆参選挙区7議席を独占し、「保守王国」が復活したと言えるのでは。
D 復権の道のりは平たんではなかった。
一時は参院の2議席をいずれも失い、衆院の2議席だけに後退したこともある。
B 起点は2004年の参院選。この時も自民は県内完全制覇がかかっていたが、岡山選挙区が1人区に減員され、
現職が生き残りを懸けた選挙で立ちはだかったのが民主(当時)の江田氏だった。
その後、「郵政解散」による勢力分裂、野党転落と厳しい時期が続くことになる。
E 参院選で潮目が変わったのは13年だ。
民主が政権運営で未熟さを露呈した後で、自民が支持を回復して岡山選挙区で12年ぶりに勝利した。
今回もその流れが続いていた。
C 逆に民進は、江田氏が引退する上に、唯一の県内議席を巡って背水の陣を敷いた戦いで敗れ、痛手は計り知れない。
今後、いかに党勢回復を図っていくか注視したい。
投票率
■若者参加は限定的
A 投票率は50・86%。13年の前回を1・98ポイント上回ったものの、過去ワースト4にとどまった。
E 知名度の低い新人同士の戦いで、各陣営はもっと低くなるとみていたようだが…。
B 50%をかろうじて超えたとはいえ、半数近くが棄権したのは残念。われわれも政治家を批判したり、
政治に不信を訴えたりするだけでなく、主権者の自覚を持ちたい。
A 18歳選挙権の導入で若者の動向も注目されたが、県内の抽出調査で18、19歳の投票率は41・44%。
3候補ともSNSなどを駆使してアプローチを試みたが、若者の政治参加は限定的だった。
D 10月には知事選もある。候補者や選管の努力もさることながら、
周りの大人が日ごろから政治について一緒に考える機会をつくっていきたい。
政策論争
■具体性を欠き低調
A アベノミクスの評価、地方創生、消費税増税延期を踏まえた社会保障の在り方、
憲法改正や安全保障政策の是非…と争点はかつてなく重く、多岐にわたる選挙だったが。
B 小野田氏は経済政策と地方創生に演説の多くを割き、
憲法や安全保障といった賛否が分かれるテーマは踏み込まなかった。
C 一方、黒石氏は人への投資といった経済政策も掲げたが、序盤情勢で劣勢が伝えられると
「改憲勢力の3分の2阻止」を強調するようになった。
E 重視する政策が両者で違うのは仕方ないとしても、ともに具体性を欠いたことが、
論争が深まらなかった一因と言えるだろう。
D 両者とも若さがアピールポイントの一つだっただけに「未来に責任を持つ」とか、
給付型奨学金の創設とか、共通する訴えが多く、違いが見えにくかった面もある。
A いずれにしても日本の分岐点になりかねない選挙だった。
小野田氏には、与党の一員として住民の声に謙虚に耳を傾け、丁寧に説明責任を果たしてもらいたい。
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