令和2年4月23日 i-JAMP
令和2年4月22日
◎新型コロナウイルスの対策を議論する政府の専門家会議
「接触8割減と言えず」
新型コロナウイルスの対策を議論する政府の専門家会議は22日、流行の収束に向け人と人の接触を8割減少させる目標について「達成されているとは言えない」との分析を発表し、テレワークなどの徹底を求めた。
同会議は、東京都内の主要駅の利用者の減少が平日は6割以上、休日は7割以上であることを示すデータなどを紹介。
接触減の取り組みが相当程度あったとしつつ、「目標が達成されているとは言えない」と分析した。
特に平日が課題との認識を示し、「テレワークや時差出勤が進んでいないことがうかがわれる」として、対策の徹底を要請した。
緊急事態宣言の発令から2週間の取り組みの効果について説明する政府専門家会議の尾身茂副座長=22日午後、厚生労働省
また、週末の公園やスーパーに多くの人が集まっており、感染対策を講じる必要があるとした。
同会議は、接触が8割減れば1カ月で患者数の十分な減少が確認できるが、減少が足りないと収束まで長期化すると改めて強調した。
22日夜に記者会見した同会議の尾身茂・副座長は、3月下旬の3連休で警戒が緩み感染が急拡大したことを踏まえ、「こうしたことがゴールデンウイークにまた起こると、全国への感染拡大がさらに加速すると懸念される」として、帰省や旅行を避けるよう要請した。
多くの人が集まる場所やイベントの回避も求めた。
メンバーの西浦博北海道大教授(理論疫学)は、行動制限が必要な期間について「今の時点で短期間なのか数カ月なのか分からない。緊急事態宣言発令からまだ2週間で、政府レベルの行動制限や休業要請の影響が出ているのか評価できず、期間を述べるのは時期尚早」と慎重な見方を示した。
●専門家会議が「10のポイント」を提言
政府は22日、新型コロナウイルス感染症に関する専門家会議を開き、緊急事態宣言の発令から2週間の取り組みの効果を検証した。専門家会議は「一層の国民の努力が必要な状況」と分析。
8割の接触削減の達成に向け、スーパー混雑時の入店自粛、オンラインの利活用など国民の日常生活の指針となる「10のポイント」を提言した。
安倍晋三首相はこの後の政府対策本部で、国民に向けて「いま一度行動を見直してほしい」と要請。
また、「警戒が一部緩み、帰省や旅行で感染が拡大したと考えられる事例も発生している」と指摘した上で、「ゴールデンウイークはビデオ通話を使用した『オンライン帰省』を行うなど、外出自粛への協力をぜひお願いする」と呼び掛けた。
緊急事態宣言の発令後、主要駅周辺や繁華街での人出は減る一方、住宅街のスーパー、公園などには人の密集が見られる。
「10のポイント」は、スーパーでの買い物やジョギングについて少人数ですいた時間に行うよう求めるとともに、生活必需品以外の買い物には通販を、診療や飲み会にはオンラインを活用することなど、日常生活の徹底した見直しを要請。
会話の際のマスク着用の励行なども挙げた。
専門家会議はまた、政府に向けた提言で、スーパー・商店街で考慮すべき点として
① 店前後の手の消毒
② ジなどでの行列位置の指定
③混雑時の入場制限―などを列挙。
公園に関しては「閉鎖するのではなく、感染対策への協力を呼び掛け、利用できることが望ましい」と記した。
緊急事態宣言は7日に7都府県を対象に発令され、16日に全国に拡大された。首相は発令時、「最低7割、極力8割」の接触削減を実現できれば、2週間後に新規感染者を減少に転じさせることができるなどと説明している。
◇接触削減「10のポイント」
一、ビデオ通話でオンライン帰省
一、スーパーは1人または少人数ですいている時間に
一、ジョギングは少人数で、公園はすいた時間・場所を選ぶ
一、待てる買い物は通販で
一、飲み会はオンラインで
一、診療は遠隔診療
一、筋トレやヨガは自宅で動画を活用
一、飲食は持ち帰り、宅配も
一、仕事は在宅勤務
一、会話はマスクを着けて