岡山県内21市町村「転出超過」 23年人口移動 コロナ5類で加速
山陽新聞(さんデジ)2024年02月02日 19時15分 更新
岡山県内21市町村「転出超過」 23年人口移動 コロナ5類で加速:山陽新聞デジタル
総務省がまとめた2023年の人口移動報告によると、岡山県内の全27市町村のうち転出者が転入者を上回る
「転出超過」が前年より2市増え、21市町村となった。
県全体の転出超過数(5621人)も前年より94人拡大し、外国人を含める集計方法となった14年以降で最多。
新型コロナウイルスの5類移行を背景に人口の流出が加速する厳しい実態が浮き彫りとなった。
県全体の転出超過幅は14年(1205人)の約5倍の水準に膨らんでいる。
報告によると、超過となったのは14市5町2村。
超過数の最多は岡山市の2912人で、津山市564人、高梁市363人、倉敷市295人と続いた。
岡山市の転出超過数は全国20の政令指定都市で神戸、広島市に次いで3番目に多く、
東区を除く北、中、南の3区で超過数が増加した。
赤磐市は前年の転入超過(71人)が17人の転出超過に転じ、
市の担当者は「近隣自治体も子育て世代の誘致に力を入れ、競争が激化している。
詳細な要因を分析して流出、流入の両面から対策を講じたい」とする。
転入超過となったのは1市5町。
最多の204人だった総社市は「企業誘致による雇用の場の創出とともに、
障害者や子育て世代などへの手厚い支援で『住みやすい市』との評判を得ていることが
大きいのでは」(人口増推進室)と分析する。
次いで早島町が124人、里庄町が41人の転入超過となった。
県の転入転出先を見ると、広島からの転入が4991人、転出が4553人でともに最多。
転入は大阪3021人、兵庫2516人。
転出は大阪4157人、東京3786人、兵庫3431人の順だった。
岡山県内への移住を巡っては、県への相談件数自体は22年度2759件(前年度1499件)と急増しており、
実際にどう転居に結び付けるかが課題といえそうだ。
県は24年度に東京圏から県内企業への就職支援策を強化する方針で、
県地方創生推進室は「大都市に人口が集中する構造そのものを変える必要がある。
県としては市町村と連携を密にし、実効性のある政策を展開する」としている。