小島ゆかりさんの歌集『さくら』より3首。
・アオダモと樹の名を言へば眼をひらく気配たしかにアオダモ立てり
・歯ブラシをえんぴつと言ふこの小さな老人が、はい、わたしの父です
・このうへもなく愛されし罰として見届けん父の惚けきるまで
「この中の何首かでも、介護の歌ではなく愛の歌として
読んでいただけることがあったら、歌もわたしも幸せに思います。」
とあとがきにあり、「介護の歌」が辛くて読めなかった私はほっとしました。
愛の歌!
なんていい言葉でしょう!
愛の歌を残したいと私は思います。
「リョウブ」と立て札を立てられて、
また今年も芳しい白い花を咲かせているアオダモの一樹があります。
今朝も、アオダモさん、と私は呼びかけます。