太平洋戦争は、さまざまな悲劇を生んだ。兵站の意識が薄かった旧・日本軍は、敵の攻撃による戦死者よりも食料不足からの病死、餓死による戦死者が後を絶たなかった。一方、アメリカ軍、とりわけ海軍は、軍艦の遭難事故による被害が意外なほど多い。
アメリカ海軍は、軍艦の設計に際し大西洋を念頭においていたため、台風の発生地点であり、世界屈指の荒波を有する西太平洋の厳しさを知らなかったことが、遭難事故多発の原因であったそうです。密閉型の航空機格納庫を有する日本の空母と異なり、開放型の格納庫であったアメリカ空母は、嵐に遭遇するたびに、夥しい浸水に見舞われ作戦行動に支障をきたしたそうです。また小型の軍艦は、台風に襲われると、まともに航行できず、あわてて港に逃げ込んでいたらしい。
そんな小型の軍艦で起こった悲劇を描いたのが、表題の作品。もちろんフィクションですが、著者の綿密な取材から生まれた作品らしく、アメリカではずいぶん話題に上がった作品です。どうも、ユダヤ人問題が絡んでいるらしく、けっこう物議をかもしたらしい。
何事もない平穏な状況ならば、話のわかるいい上司だとしても、命の危険がある緊急事態では、むしろ全体を危うくする無能な指揮官を迎えた兵隊は悲惨です。敵と戦って死ぬならともかく、無能な上司により遭難死するなんて、誰だって真っ平でしょう。
しかし、軍隊は鉄の規律で構成される。上司の命令は絶対、それが軍隊。生き残るために、厳罰を受ける覚悟をもって叛乱を起こし、無事帰還したケイン号の乗員たちの運命は如何に。
私の好きな海洋冒険小説ですが、あまり人気がなく、例によって早川書房がほったらかしにしたため、現在は多分古本屋でしか入手できないと思います。最近は海洋冒険ものはブームのようなので、是非とも復刊して欲しい作品です。
ちなみに映画化されていて、そっちの方が有名みたいです。なかなか良い映画らしいので、時間があったら私もVD(あるいはDVDかな)を観て見たいと思っています。
アメリカ海軍は、軍艦の設計に際し大西洋を念頭においていたため、台風の発生地点であり、世界屈指の荒波を有する西太平洋の厳しさを知らなかったことが、遭難事故多発の原因であったそうです。密閉型の航空機格納庫を有する日本の空母と異なり、開放型の格納庫であったアメリカ空母は、嵐に遭遇するたびに、夥しい浸水に見舞われ作戦行動に支障をきたしたそうです。また小型の軍艦は、台風に襲われると、まともに航行できず、あわてて港に逃げ込んでいたらしい。
そんな小型の軍艦で起こった悲劇を描いたのが、表題の作品。もちろんフィクションですが、著者の綿密な取材から生まれた作品らしく、アメリカではずいぶん話題に上がった作品です。どうも、ユダヤ人問題が絡んでいるらしく、けっこう物議をかもしたらしい。
何事もない平穏な状況ならば、話のわかるいい上司だとしても、命の危険がある緊急事態では、むしろ全体を危うくする無能な指揮官を迎えた兵隊は悲惨です。敵と戦って死ぬならともかく、無能な上司により遭難死するなんて、誰だって真っ平でしょう。
しかし、軍隊は鉄の規律で構成される。上司の命令は絶対、それが軍隊。生き残るために、厳罰を受ける覚悟をもって叛乱を起こし、無事帰還したケイン号の乗員たちの運命は如何に。
私の好きな海洋冒険小説ですが、あまり人気がなく、例によって早川書房がほったらかしにしたため、現在は多分古本屋でしか入手できないと思います。最近は海洋冒険ものはブームのようなので、是非とも復刊して欲しい作品です。
ちなみに映画化されていて、そっちの方が有名みたいです。なかなか良い映画らしいので、時間があったら私もVD(あるいはDVDかな)を観て見たいと思っています。