ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

村上ファンドの失墜

2006-06-13 12:50:08 | 社会・政治・一般
痛し、痒し・・・ですかね、今回の村上ファンドの事件は。

貯蓄から投資へを国策として掲げて、はや4年。法人同士の持ち合いから、不当に安い株価が維持されていたと思われる上場株の、価値上昇といった観点からすれば、村上ファンドの存在は決して否定されるべきものではない。

しかし、正直言って、村上ファンドの存在が、企業を株主重視の姿勢に変えたとは言い難い。もちろん、配当は株主優待などで、株主重視の姿勢を出した企業もあるにはある。でも、どちらかといえば、村上ファンドが起こした数々の株買占めと、売却は企業をして警戒感を強めた印象が強い。

株主よりも、企業内部の論理を重視する日本企業は、村上氏の主張に一応肯きつつも、それが我が社に及ぶと強烈な拒否反応を示した。いつしか村上氏は徒労感からか、企業への株主重視の姿勢を訴える事よりも、株の売り抜けを目指していた感が強い。

フジTVを巡る、ニッポン放送とライブドアの買収騒ぎは、当初から村上氏の描いた図面を、堀江氏がなぞった感が強かった。不自然な時間外取引と、法の隙間を縫うやり口に、反感を募らせた金融庁及び証券取引委員会の面々が、時間をかけて外堀を埋め、今回の摘発に相成った。

既に有罪を認めた村上氏ですが、非常に興味深いのは、未だ無罪を主張している堀江氏との対応の違いでしょう。どちらも当然、再起を目指しているでしょうが、さっさとけりをつけて次の方策を狙う村上氏は、本音では自分が悪いとは思っていないでしょう。へまをしたとは思っているでしょうがね。次に何をするのか?

正直言えば、もし手持ちの資金が十分あれば(実際にはないが・・・)、私は村上ファンドに託してみたい気がします。堀江氏より性質は悪いと思うけど、利益はあげてくれると思うのです。甘いかなあ~? まあ、実際には人に金を託して利益を上げるより、自分でやりたいタイプなので、やらないでしょうがね。
コメント (2)
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