一気に読みきれた快作だ。
東北地方の阿仁マタギの暮らしぶりと、日露戦争前後の炭鉱の繁栄と炭鉱夫たちの暮らし。耕作地の乏しい東北の寒村と、そこで生きる人々の逞しさ。
厳しい東北の冬山で熊を狩るマタギの姿が生き生きと描かれているのが好印象。まるで自分もその場にいるかのような臨場感が素晴らしい。目を閉じると、深い雪と古木に囲まれて、奥深い山を分け入る自分が思い浮かぶぐらいだ。
なによりも印象に深いのは、その主人公をとりまく女性二人だ。艶かしく、凛として、それでいて熊より怖い。貧富の差と、閉鎖的な村社会の重さに潰されそうになりながらも、逞しく今を生きる女性たちの生き様が心に残る。
主人公は、多くの人と出会い、すれ違い、別れ、そして再会する。出会いが人生を広げ、別れが人生を逞しく磨き上げる。巨大な熊との死闘の末、足を食いちぎられ、瀕死の重傷を追うも、瞼に浮かぶ妻の姿を力に我が家へ戻るエンディングが清々しい。
夜更けに読み出して、明ける前には読み終えた。おかげで昼間が、眠くて仕方がない。寝不足が堪えるのは分っていたが、途中で止める気になれなかった。久々に夢中になれた読書だった。
東北地方の阿仁マタギの暮らしぶりと、日露戦争前後の炭鉱の繁栄と炭鉱夫たちの暮らし。耕作地の乏しい東北の寒村と、そこで生きる人々の逞しさ。
厳しい東北の冬山で熊を狩るマタギの姿が生き生きと描かれているのが好印象。まるで自分もその場にいるかのような臨場感が素晴らしい。目を閉じると、深い雪と古木に囲まれて、奥深い山を分け入る自分が思い浮かぶぐらいだ。
なによりも印象に深いのは、その主人公をとりまく女性二人だ。艶かしく、凛として、それでいて熊より怖い。貧富の差と、閉鎖的な村社会の重さに潰されそうになりながらも、逞しく今を生きる女性たちの生き様が心に残る。
主人公は、多くの人と出会い、すれ違い、別れ、そして再会する。出会いが人生を広げ、別れが人生を逞しく磨き上げる。巨大な熊との死闘の末、足を食いちぎられ、瀕死の重傷を追うも、瞼に浮かぶ妻の姿を力に我が家へ戻るエンディングが清々しい。
夜更けに読み出して、明ける前には読み終えた。おかげで昼間が、眠くて仕方がない。寝不足が堪えるのは分っていたが、途中で止める気になれなかった。久々に夢中になれた読書だった。