ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

パッションフルーツと古本

2009-05-11 07:19:00 | 日記
あまり馴染みの無い名前だと思う。

これもやはり南国の果実で、濃い紫色の果実で、大きさは冬ミカンほどだ。なかを開けると、黄色い熟して液状化した果肉と小さな種がある。

食べるには、果実の上の部分を水平に切って、蓋をあけるようにして、スプーンで中の果肉をすくって食べる。甘さと酸っぱさのバランスがよく、あっというまに4~5個は食べられる。

わりと珍しい果実のようで、あまり売っていないと思う。実のところ、我が家でも買ったことはない。いつも伊豆七島の島のひとつから送られてきていたからだ。

私以上の読書家で、古書収集癖のあった祖父が、その蔵書の一部を時折、伊豆七島の島の学校へ寄贈していた。そのお礼として、毎年この不思議な果実が送られてきていた。

祖父の死後も、義理堅く送られてきたが、その島の校長先生が亡くなられて以降はご無沙汰だった。

ところが昨年、グアバジュースを探していた折に、銀座のドンキホーテにこのパッションフルーツのジュースも売られているのを発見した。1リットルで360円と安くはないが、グアバよりも酸味が強く、さっぱりした甘さが気持ちイイ。

そんなわけで、現在はグアバと代わる代わる買って、楽しんでいる。

先月の終わりに、母が本を古本屋に売っていた。その際、祖父の残した蔵書の一部も処分したようだが、二束三文にしかならなかったと嘆いていた。

無理もないと思う。美術書や技術書などのマニアックなものが多く、しかも大量販売されたものである以上、いくら綺麗な写真、丁寧な解説でも商品価値は低くなる。

してみると、離島に本を贈った祖父のほうが、はるかに本の処分の仕方を知っていたのだと、今にして思う。古本をよく買い漁っていた祖父は、古本の価値をよく知っていたのだろう。捨て値で処分するより、本を欲している人へ贈った祖父の所業には、あらためて感心しました。

さて、私の所有する膨大な本はどうしたものか。売れば二束三文の本ばかりであることは、私にも分る。まだまだ、当分の間は手元に置きたいが、いずれは処分せねばなるまい。あの世にもっていくことは叶わぬ以上、いまのうちから考えておくべきなのでしょうね。
コメント (2)
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