ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

キノの旅 時雨沢恵一

2009-05-14 17:15:00 | 
私はわがままなので、一人旅が似合っている。

好きな絵をずっと観ていたいし、歩いて街をめぐりたい。ちなみに私は半端でなく長距離長時間を歩く。おまけに好きな時に好きなだけ、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む。私にふりまわされる同行者はたまったものではない。だから一人がいい。

とはいえ、やっぱり会話がしたいこともある。独り言を口に出すのは侘しいし、メモにとるのも億劫だ。やはり、会話のキャッチボールが欲しい。

そう思うと、表題の作中に出てくる喋る二輪車なんて代物は、実にいい旅の相棒なのだろう。

年々ライトノベルを読むのが辛くなっている。今更ドングリお目目の女の子のイラストが目を惹く学園ドラマなんざ読みたくないが、その手の作品なら最近の売れ筋らしく本屋に山積みされている。だから最近ライトノベルは、ちょっと敬遠気味だった。ただ、表題の作品はちょっと毛色が違っているようで、是非とも読んでみたかった。

イラストも控えめで感じがいいし、なにより設定がいい。口を利く二輪車で見知らぬ世界を旅する若者の旅行記といった設定は、ちょっとワクワクさせてくれる。

短編小説の形式をとっているので、饒舌に過ぎることもなく、淡々と話しが進んでいくのが気持ちイイ。それでいて、けっこう余韻を残す内容となっている。

久々の当たりかな。これだからライトノベルはバカにできない。続編も出ているようなので、読みたいリストに入れておこう。
コメント (2)
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