ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

明日にとどく A・C・クラーク

2017-01-23 13:17:00 | 

あったァ~!

思わず叫んでしまった。昨年の夏から始めている蔵書の整理の最中である。短編なのだが、どの本に収録されているのかが分からず、読みたいのに、読めずにいたのがSF界の巨匠、アーサー・C・クラークの初期の傑作「太陽系最後の日」であった。

日本においてSFは、当初は空想科学小説とされ、明治時代末には紹介されていたのだが、あくまで少年向けの娯楽作扱いであった。大人向けの娯楽としてのSF小説としての扱いは、早川書房が刊行した雑誌SFマガジンによるところが大きい。

その最初のSFマガジンに掲載されて、絶賛を博したのが「太陽系最後の日」という短編であった。これを再読したくて仕方なかったのだが、どうしても収録された短編集が分からなかったのだ。

はっきり言うが、このタイトル「明日にとどく」では分からない。早川書房は何を考えているのだ。他の短編も同時に読んだが、やはり「太陽系最後の日」が一番インパクトがある。

この素晴らしい人間賛歌に感銘を受けずには入れらない。避けられぬ破局を前に、人類が何を考え、どう行動したか。この一片の短編から、どれだけのドラマが編み出されるのか。それを敢えて封印して、短編に凝縮したクラークの慧眼には敬意を表さざるを得ない。

もし図書館や古本屋で表題の書を見かけることがありましたら、是非手に取って欲しいです。短編ですから立ち読みできます。(私だけかな?小説の立ち読みをするのは)

コメント (3)
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