就任早々、過激な発言を繰り返すトランプ新アメリカ大統領。
その発言に動揺を隠せないのは、トヨタや日産といった日本の自動車メーカーだ。だが、本当にビビッているのは、日本の一部の金融機関ではないかと思っている。
大統領予備選挙の頃より、日本に対しても過激な発言で攻撃していたトランプだが、その原点は日本の金融機関との債務削減交渉にあるようなのだ。
トランプは、過去何度か経営危機を経験している。そのトランプの企業に対する債務削減交渉の席で、トランプを一番激怒させたのは、他でもない日本の金融機関であったようなのだ。
その債務削減交渉は、トランプの主要企業の一つの経営危機に端を発している。しかし、その債務はあくまで企業の債務である。欧米の金融機関は、その債務削減に関する交渉について、早期に妥結したのだが、強硬に反対したのが日本の金融機関。
その理由は簡単で、トランプ個人は、企業の経営危機にも関わらず豪奢な生活を享受していたからだ。日本の常識では、経営危機にある企業の経営者は自宅を売却などして、自助努力に努めるのが当然との思いがある。
しかし、それは企業の債務について、経営者の個人保証を求める日本の慣習に基づいた感覚である。欧米では、企業は企業、個人は個人であるからして、日本的な慣習は受け入れられない。だから、当然にトランプは激怒した。
おそらく、トランプに個人の資産提供をねじ込んだのは、日本から出向してきた者だろう。日本的な感覚で、無神経に対応したのだろう。おそらく、その出向役員には、日本の本社への言い訳及び金融庁への答弁書などが脳裏にあり、アメリカの商習慣には無頓着であったと思われる。
以来、トランプは日本企業への不信感を強め、日本の金融機関で、トランプと親密な関係にあるところはない。関係がないからこそ、トランプの過激な発言について無関心を装えるのだろう。
でも、内心はビクビクしているのではないだろうか。日本の金融機関が世界に進出してから、ずいぶんと年月が経っている。しかし、未だに高い評価を得ているところはない。
日本のTVコマーシャルなどで、日本の金融機関が世界で活躍しているかの如く思い込んでいる方は多いと思うが、実際には日本企業以外からは相手にされていないのが実情だ。
理由は簡単で、金融サービスの質が低いだけでなく、日本的な商習慣を強要するので、現地企業とそりが合わず、まるで現地化が出来ていないからだ。その根幹にあるのは、常に日本の本社及び監督官庁の顔ばかり伺っているからに他ならない。
日本の企業で、最も国際化が進んでいないのが日本の金融機関である。トランプ大統領が、何をしてくるのか、今怯えながら情報収集に走っているのではないかと思う。