ヌマンタの書斎

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北の大型潜水艦

2021-04-13 11:39:00 | 社会・政治・一般

先週末、共同通信を始めとして幾つかのメディアが妙な報道をしていた。

どうも、北コリアが3000トン級の潜水艦を進水予定だと言うのだ。

潜水艦どころか、沿岸警備用の潜水艇ですら満足に作れない北コリアが、3000トン級の潜水艦?

しかも、大陸間弾道ミサイル搭載型の可能性もあるだと?

私の予測だと、おそらくこれは偽装宣伝報道だ。ただし、実際にドッグから進水する潜水艦の映像は報道される可能性は、かなり高いと思っている。

でも、この潜水艦は張りぼてとは云わないが、おそらくは形だけの中味のない潜水艦型の構造物が実態だと思う。

4年ほど前のことだが、金正恩が潜水艦の建造を視察している写真が、メディアに登場したことがある。これを見て、一部のマスコミは騒いでいたが、欧米の専門家は否定的な見解を出していたことを報じたものは少ない。

また2年前に北コリアが、弾道ミサイルの海中発射成功の映像を出したことがあり、やはり同様に一部のマスコミが騒いでいた。これも、欧米の専門家が、海中からの構造物からの模擬発射であろうとの論評を出している。

私も同意見だ。北コリアの技術水準からして、まず大型の潜水艦を建造することは無理があり過ぎる。その点を勘案してか、報道では旧ソ連のロメロ級潜水艦を改造したものだと報じている。

しかし、ロメロ級潜水艦自体、冷戦初期の設計であり、半世紀以上昔のものだ。しかも輸出用の簡易型であり、シナなどが購入して運用していたが、既に過去の話である。

更に付け加えるならば、ロメロ級は1800トンクラスであり、3000トンに拡張できる構造ではない。まして潜水艦に使用する高張力鵠ツを製造する技術のない北コリアには、あまりにハードルが高すぎる。

しかも海中での弾道ミサイル発射機構は、軍事機密の塊であるだけでなく、深海の高圧力に耐えられる堅牢さと、海中で発射するための複雑なハッチ構造を製造する技術は、輸出される訳もなく、自力での開発が求められる。

この技術的ハードルの高さ故に、現時点で海中発射型の弾道ミサイルを搭載できる潜水艦を製造できる国は片手に満たない。北はもちろん南コリアもその中に含まれないのは言うまでもない。

ただし、ホントに北コリアが核兵器を搭載できる大陸間弾道ミサイルを発射できる3000トンクラスの潜水艦を保有できたら、これはこれで大問題となる。

アメリカのみならず、ロシアやシナにとっても軍事的脅威となる。だからこそ、私はこの報道がフェイクであるはずだと考える。ロシアやシナが密かに北コリアを支援していることは確かだと思うが、自国の安全保障に弊害となる軍事協力をするほど間抜けな国ではない。

北コリアの大型潜水艦の脅威を高々と報じるメディアがあったら、北の思惑に協力しているのだと判じて間違いないと思いますね。


コメント
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