ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

イラストから分かったこと

2021-04-06 12:00:00 | 社会・政治・一般

かつて世界の七つの海を支配した覇者であったイギリスは強かだ。

EUを離脱して以降、急速に日本との関係強化が深まっているのはマスコミ等の報道で知られているとおり。しかし、だからといって決して日本の味方な訳ではない。

現在、お隣の半島の南では、軽空母か、それとも本格的な空母を造るかでけっこう論戦が盛んであるらしい。戦争や軍事について、観て見ぬふりをしていれば平和だと思い込んでいる日本の愚民っぷりからすると、むしろ羨ましい限りである。

もっとも、あまり本気で羨ましいとは思えないのは、南コリアには空母は不要だと考えているからだ。この国が「独島」艦というヘリ空母を造ったのは、戦略上の必要性からではない。

決して表だって認めないだろうけど、その動機は日本に対する対抗心である。日本が「いずも」などのヘリ空母を持っているので、それに触発されてのヘリ空母の導入であった。

実はそのヘリ空母(上陸強襲艦でもある)は、実質イギリス製である。空母など作ったことのないので、当初はアメリカに協力を求めた。しかし、戦略上の必要性を認めなかったアメリカに拒否された。そこでイギリスの企業に、半島に事務所を設けてもらい、国産ということにして独島艦を設計してもらった。

ただ、設計図を元に作ったものの、出来上がったヘリ空母は欠陥だらけ。せっかくの対空砲も、設置場所が悪く味方のヘリを誤射する始末。試験航行も満足に出来ず、ほとんどを修理のためのドッグで過ごしている。

南コリアは世界一の造船大国ではあるが、軍用艦に関してはもっぱら外国頼りで、基本設計は外国製。だから本当の意味での技術力がない。というか、分かってない。それどころか、要はヘリ空母が出来上がって海に浮かんでいればイイらしい。

ちなみに搭載するヘリコプターも満足に運用できておらず、欠陥機として悪名高い国産ヘリを載せるの、嫌だの(某海軍将校、談)で揉めている。

そんな最中に、日本がヘリ空母に最新の垂直離発着が可能なF35Bを運用できるように改造をするものだから、またまた対抗心に火が付いた。しかも、どうせ造るならば本格的な空母がイイとまで言い出す始末。

幸か不幸か、自分の任期中には完成するわけないせいか、現政権は今年度の予算に盛り込むことを拒否。当初要求予算の1%にも満たない予算、つまり調査費用だけを認めている。この予算でお得意のCGグラフィックスを作れということなのだろう。

当初、私が見たイラストは、アメリカのワスプ級強襲揚陸艦に似た姿の軽空母であった。ところが、最近見たイラストは、艦橋が二つあるイギリス型の軽空母に似た物に変っていた。

妙に思っていたら、アメリカ、日本、インドとの合同艦隊での演習に、イギリスはわざわざ軽空母クイーン・エリザベスを送り込んできた。表向きはクアッドのためだが、アメリカとの合同演習で、F35Bの運用訓練をするのが目的らしい。

そして裏の目的だと思うが、南コリアに見せつけて再び売り込みを狙っているらしい・・・

実はイギリスは当初、3隻建造する予定であったが、予算不足で1隻しか作れずにいる。そこで外貨獲得を狙って、軽空母が欲しくてたまらない南コリアにセールスしたいようだ。

日本としては、少々迷惑な話ではある。でも、背に腹は代えられないイギリスの事情も分からないではない。いくら親日的な姿勢をみせても、そこは大人の事情がある。相変わらずの二枚舌気質には呆れるが、それが七つの海を支配した秘訣でもあったのだろうと邪推している。

一応、確認しておくが、南コリアが空母を持つ目的は、対シナでも対北コリアでもない。あくまで対日が目的である。(だからアメリカは協力を拒否している)。

その意味で不安要素ではあるのだが、実は私も南コリアの空母導入には賛成である。だって、建造は出来ると思うけど、まともに運用できるわけがない。むしろ予算を浪費して、本当に出費が必要な支出が予算不足になれば、日本の国防的観点としては上々ですから。

コメント
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