映画やドラマの小説化されたもので、元の作品よりも良かったことはない。
だから人気漫画BLEACHの連載終了後に、小説として刊行されたものは一切読んでいなかった。
ただ、ちょっと気になっていた。漫画BLEACHは無事ハッピーエンドとして終わったが、率直に言って不満が多く残った。その原因は、回収されていない伏線があまりに多かったことだ。
特に最終章である「千年血戦」篇は、あまりに謎が多く、割り切れぬ気持ちを抱えていた。だが、ネット上では熱心なBLEACHファンによるサイトなどで、激論が戦わされていた。
特に参戦する気はなかったが、どうやら幾つもの伏線が、小説版BLEACHで回収されているようだ。こうなると、気になって仕方ない。たまたま本屋で、その話題の小説を手に取ってみたら驚いた。
小説を書いていたのは、あの成田良吾であった。
ライトノベルで活躍している若手のなかでも、私は注目している一人である。「デュラララ」や「バッカーノ」などが有名だが、私が気に入っているのは、漫画の原作者としての成田良吾である。
私が今、一番気に入っている漫画「デットマウント・ディスプレイ」の原作者が成田良吾なのだ。この原作者、物語に伏線を挟むのが上手い。これならば、小説版BLEACHも期待できそうだ。
そう考えて手に取ったのが表題の作品である。はっきり言ってBLEACHのファン限定の面白さである。知らない人は読むだけ無駄な作品である。
だが、ファンならば満足のいく内容である。最強の斬魂刀だと言われた雨露柘榴とその使い手である痣城剣八と、私が一番好きな更木剣八との一戦は面白い。藍染やドン観音寺といったキャラが出てくるのも楽しめる。
ここのところ、ストレスの溜まり易い状況だったので、十分楽しませてもらいましたよ。