初めて車を運転する時は、初心者マークをつける。このことを覚えている人は多いと思う。
同様に高齢者になった時は、ドライバーが高齢者であることを示す「もみじマーク」をつけることをご存じだろうか。
これは高齢者の運転による事故が増えたことに応じて、警察庁が設けた制度である。ところが、このマーク、当初は「紅葉マーク」であった。
この紅葉マークに対して、「これじゃ、落葉マークだ」と文句を付けたのが、辛口自動車評論家として知られている三本和彦氏であった。この発言を耳にした警察庁は、さっそく三本氏を呼びつけたらしい。
しかし、いくら警察が文句を言っても、三本氏の言い分に共感する人は多く、結局このマークは「もみじマーク」に変更されて現在に至る。
三本氏の辛口は、これだけではない。車の車検制度に噛み付き、「政府が認証により車の安全性を保持しているというのならば、車両の車検制度、リコール制度がありながら、三菱自動車のリコール隠しを見抜けなかった政府にも責任があるのではないか」と発言して、TVの解説者の地位を引きずりおろされたことでも知られている。
あまりマスコミは報じていないが、政府の車検制度の欠陥を追求した三本氏の発言は、メーカーにも、また運輸省にも痛かったようで、この発言以降、だいぶ干されていた。でも、三本氏、間違ったことは言ってないと思う。
自民党の不正は追求できても、スポンサーたる自動車会社業界及び運輸省には盾突けないマスコミ様の憶病・・・いや慎重さには蔑視・・・いや苦笑せざるを得ませんね。
そんな三本氏ですが、先週ひっそりとお亡くなりになりました。辛口ながらも車を愛する気持ちが根底にあるからこその発言をもう聞けないことは、実に残念だと思います。謹んでご冥福をお祈り申し上げたいと思います。