ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ゾウの時間ネズミの時間 本川達雄

2022-07-04 12:51:55 | 
未読山脈の底を漁っていたら見つけたのが表題の書。

多分、購入したのは平成の頃だと思う。それも私が体調を崩す前だから、8年前だと思う。当時から読みたい、読みたいと思っていながら、どこに置いたのかが思い出せず、読めずにいた本である。

まさか積み重なった一番下にあるとは思わなかった。いや、私は時折未読の本の山をひっくり返して、古い順から読むようにしていたはずなので、なんでこの本だけ、漏れていたのか分かりません。

けっこう話題になった本なので読んだ方も少なくないと思う。新書なので頁数は少ないが、噛みごたえのある内容だ。でも面白いので、あっという間に読み切れる。

文章のなかに数式が出てくるので、高等数学が苦手な方は読みづらいかもしれない。でも大丈夫、やはり高等数学を苦手とする私だが、分からん部分は読み飛ばして、読み進む読書法であっさりと読めるし、大筋は理解できる。

同じ厚さの本でも、あっという間に読める本もあれば、なかなか読みづらい本もある。そんなことを想いながらの読書であった。読みながら、思い出すのは神の設計図という概念である。インテリジェンス・デザインという考えもある。

地球上で生きとし生きるものに共通する生物的構造上の類似は、何者かが設計したのではないのか。中世ならば神がこの世を創ったとされて議論は終わるが、科学が神の地位を奪うと、インテリジェンス・デザインという考え方が登場した。

このあたり、まだまだ議論途上であるが、実はあまり大声では語られないもう一つのアイディアがある。それが異星人による生物デザイン論である。多分、昔のアメリカのSF小説を読んでいた方なら記憶にあると思う。

遥か昔に地球を訪れた超高度に文明が進んだ星からの異星人が、地球上に遺伝子の設計図をばら撒いたという極めてSFチックなアイディアである。主に1900年代前半に書かれた作品に散見するが、驚くべきことに現代SFでも未だにこのアイディアは登場する。

古代に地球を訪れた宇宙人というアイディアは、アメリカを中心にかなりの人気がある分野である。不思議なことに、科学が進歩し、DNA解析などで生物の構造が明らかになるに従い、ますます人気のある分野となっている。

その土台となるのは、生物の構造があまりに論理的であり、数式で表現できるほど科学的であることだ。実際、私自身、神が設計したのかと思いたくなるほどである。

ちなみに、この神の替わりに遥かに文明の進んだ異星人をはめ込むと、実にしっくりとくるので、はまるアメリカ人が多いのも無理ない気がする。まァ、キリスト教的な神ではないと思いますけどね。
コメント (2)
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