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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

円安と日本経済

2022-11-01 12:18:42 | 経済・金融・税制

円安が急速に進んでいる。

食料や資源を輸入している日本にとって自国通貨が安く評価されることは決して好ましくない。それは確かだが、この急激な円安はどちらかといえば外的要因によりもたらされたものだ。

具体的に言えば、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う農産物不足であり、意図的に供給が減少している石油や天然ガスの値上げ、そして有事のドル買いであろう。

この結果、西側社会だけでなく中南米やアフリカ、アジアで生活必需品を中心にインフレが急速に進行した。通常、貨幣価値の下落は賃金の上昇に先行するから、どの国でも生活苦からの不平不満が拡散している。

一方、日本は比較的穏やかにインフレを迎えている。ただ徐々に庶民の生活を直撃する値上げが拡散している。バカな野党やマスコミが日銀の低金利(事実上0金利だと思う)維持を非難しているが、私はどうかと思う。それをやらかして、却って国民生活を苦境に追い込んだ国が隣にあるのを失念しているのか。それとも愚策を真似しろというのか。

はっきり言うが、日銀が金利を引き上げた場合、住宅ローンを組んだ家庭は今以上に苦しくなる。当然であろう、賃金が上がっていないのだから住宅ローン金利の上昇は家計を直撃する。

でも政府が本当に怖れているのはREIT(不動産投融資)市場の崩壊であろう。現在の金融市場を活性化してきた主役は、日銀の金利が低いことを前提として設計された不動産投資信託である。このREITの価値下落は金融市場だけでなく不動産市況までマイナスの影響を与える。

それを知っている市場関係者は黙っているが、最悪を予想している投資家は徐々にREITを処分することを検討しているらしい。

私は冒頭で、日本の円安は外的要因で起きていると書いたが、実はこれは最近に限ってのことで、内的な要因も存在する。それが原発停止である。東日本大震災と福島原発の事故以来、原発はマスコミや原子力拒否症の人たちをヒステリックなまでに激高させた。

やむなく電力会社は膨大な原油と天然ガス、石炭を燃やして発電している。もちろん、これらの化石燃料はほとんどが輸入である。結果として、日本はここ数年貿易赤字となっている。

マスコミも野党もだんまりを決め込んでいるが、実は原発再稼働こそが円安の流れを止める効果がある。私は現行の原子力エネルギー活用は、技術的に不完全であり、まだまだ発展途上のものだと考えているので、正直忸怩たる気持ちはある。

だが原発を再稼働すれば、ようやく火力発電所のメンテに入れる。また老朽化した火力発電所を壊し、最新の火力発電所を作ることにより二酸化炭素排出を減らすことも出来る。輸入する原油や天然ガスも減らせるので貿易赤字の縮小にもつながり、円高へ引き戻す効果も期待できる。

別に難しいことではないと思うが、野党やマスコミ様は原発再稼働絶対反対なので、議論どころか話題になることさえ嫌がる。これが言論の自由が保証された日本の現実であろう。

いい加減、現実を直視して欲しいものだ。

コメント
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