ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

序盤のカタール大会

2022-11-29 10:59:23 | スポーツ
カタールで開催されたワールドカップ。

日本では深夜に放送される関係で、けっこう視聴者は多い様子。なによりも日本代表の予想以上の活躍が、代表人気に再び火を付けた。

辛口の私でも、やはり日本代表の活躍は嬉しい。同時に少し安堵している。移り気な日本のサッカーファンは、勝たないとすぐに離れてしまう。長期的な視点でみれば、やはり日本はまだまだ発展途上。

世界中を沸かしたドイツ戦の勝利も、事前に相当な研究を重ねた上のことだと思う。実際、地力ではドイツのほうが上なのは、前半戦を思い出せば分ると思う。もし前半中にドイツに二点目が入っていたら、いくら後半戦術を変えても勝利は厳しかったと思う。

とはいえドイツの低調を考えても、日本の頑張りは嬉しい。これはマジで嬉しい。ただ昔のドイツのえげつないほどの強さを知っている私からすると、ちょっと寂しい。

あの鉄壁の守備はどこいった。たとえボールがなくても、相手チームの選手を膝や肘を巧みに使ってグリグリと押し当ててペナルティエリアの外に追いやってしまう。頑丈な体躯を利して相手チームのFW選手を挟み込み、動きを自由にさせず、さりとて反則は取られない巧妙さ。

西ドイツ時代から鉄壁のディフェンスを誇ったはずが、現在のチームは並のディフェンスになってしまった。その分スピーディな攻守の切り替えや、多彩なボール運びを可能にしているが、なにかを失った気がする。

その原因をゲルマン魂の欠如といったらおかしいだろうか。

現在のドイツチームはフランスやベルギー、オランダと同様に多人種によりチームが構成されている。ドイツの場合、トルコ系移民やアフリカ系移民の出身者が多い。もちろん大半はゲルマン系である。

ブラジル大会の決勝で、ホームチームであるブラジルを7-1で破った決勝戦の時は、攻撃のタクトを奮ったのはトルコ系移民の子であるエジルであった。その多彩な戦術は、ブラジルを失意と絶望に追いやった。あれは従来のドイツにはないサッカーであったと思う。

しかし、次の大会からエジルは不調に陥り勝ちであった。原因は若手との反目であったと云われている。ブラジル大会まではシュヴァインスタイガーやポドルスキー、ラーム、クローゼといったヴェテラン勢の引退であった。

ブラジル大会では、これらのヴェテランたちが、トルコ系のエジルら非ゲルマン系選手らとの仲介役を果たしていた。しかしヴェテランの引退により、若手との反目が目立ちはじめロシア大会ではGL敗退となった。

その反省をこめての新たなチーム作りとなった現在のドイツは、日本に敗れたことからして、未だ完全に復調とは言えないようだ。多人種で構成されるチームは、上手くまとまっている時は、ベルギーやフランス、オランダなどを見れば分かるようにもの凄く強い。

しかし、いったんチームに不協和音が生じると、なかなか元には戻れない。ドイツの不調はまさにこの典型ではないかと思う。

一方、ドイツに勝ってしまった日本は慢心したのか、引き分けに持ち込むことすらできず、コスタリカに一敗。まだまだ未熟だよ、日本は。まァ浮かれていた俄かファンの目を覚ますことになったので良しでしょう。

なにが起こるか分からないのがサッカーの魅力です。これからですよ、面白いのはね。
コメント
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