このアニメのオープニングソングを歌える人は多いと思う。
でも、このアニメのエンディングを覚えている人は少ないと思う。
原作は手塚治虫であり、当初は虫プロでアニメ(当時はTV漫画と呼んでいた)を製作する予定であった。しかし、経営的に苦しかった虫プロでは完成させることが出来なかった。そこでマネージャーだった西崎義展が放送局に独自に売り込み、富野由悠季の初監督作品としてアニメは放送された。
原作を読んだ富野は「ツマラン」と評して、独自のシナリオを書いてしまった。アニメ創設期には、このような乱暴なことはしばしば行われていた。しかも富野のシナリオは手塚の原作とはかけ離れた物であったため、漫画の単行本の帯には「TV版とは違います」と書かれる始末。
またアニメの作成も虫プロではなく、東映動画からスタッフを連れてきて作画しているので、画風まで微妙に違う。おかげで原作とTVアニメは似て非なるものとなっている。
あの頃、漫画やアニメは子供のものとの認識が普通であった。子供が楽しめることが第一とされ、それに相応しい作品が当然であった。しかし富野氏はそれに納得していなかったと思う。たとえ子供向けの作品だとしても、現実の厳しさ、残酷さを加味したよりリアルな作品を望んでいたのではないかと思う。
だからアニメのトリトンは、当初はポセイドン族に追われる悲劇の主人公であったのだが、最後はポセイドン族を全滅させる残酷な悪役を担う羽目に陥っている。絶対的な善と悪といった概念で納めず、立場により善悪は変るといった、より現実的なシナリオを富野氏は提示したのだと思う。
それが間違いだとは云わない。実際、子供向けの童話などでは、必ずしもハッピーエンドとは言えない物語が沢山ある。その代表がアンデルセンの童話だ。悲劇的な童話が多いが、それは将来残酷な現実に出くわす子供たちへの心のワクチンの役割を果たしている。
だが富野氏が提示した「海のトリトン」には悲劇としての残酷さ、割り切れぬ現実の難しさはあるが、アンデルセンの童話にある哀しい美しさがない。だから心に残らない。
富野氏の意図は分かるが、初監督作品である「海のトリトン」のエンディングは美しくなく、哀しくもない。その意味で私の評価は低い。率直に言って、手塚治虫の原作の方がまだ子供向けとしては上だと思うのです。
いささか厳し過ぎる評だと自覚はしています。ただ、幼い子供の心には残らないとしても、十代以上の若者には強く印象に残ったのも確かです。私の知る限り、視聴者が主体となってファンクラブが出来た最初のアニメが「海のトリトン」なのですから。
でも、このアニメのエンディングを覚えている人は少ないと思う。
原作は手塚治虫であり、当初は虫プロでアニメ(当時はTV漫画と呼んでいた)を製作する予定であった。しかし、経営的に苦しかった虫プロでは完成させることが出来なかった。そこでマネージャーだった西崎義展が放送局に独自に売り込み、富野由悠季の初監督作品としてアニメは放送された。
原作を読んだ富野は「ツマラン」と評して、独自のシナリオを書いてしまった。アニメ創設期には、このような乱暴なことはしばしば行われていた。しかも富野のシナリオは手塚の原作とはかけ離れた物であったため、漫画の単行本の帯には「TV版とは違います」と書かれる始末。
またアニメの作成も虫プロではなく、東映動画からスタッフを連れてきて作画しているので、画風まで微妙に違う。おかげで原作とTVアニメは似て非なるものとなっている。
あの頃、漫画やアニメは子供のものとの認識が普通であった。子供が楽しめることが第一とされ、それに相応しい作品が当然であった。しかし富野氏はそれに納得していなかったと思う。たとえ子供向けの作品だとしても、現実の厳しさ、残酷さを加味したよりリアルな作品を望んでいたのではないかと思う。
だからアニメのトリトンは、当初はポセイドン族に追われる悲劇の主人公であったのだが、最後はポセイドン族を全滅させる残酷な悪役を担う羽目に陥っている。絶対的な善と悪といった概念で納めず、立場により善悪は変るといった、より現実的なシナリオを富野氏は提示したのだと思う。
それが間違いだとは云わない。実際、子供向けの童話などでは、必ずしもハッピーエンドとは言えない物語が沢山ある。その代表がアンデルセンの童話だ。悲劇的な童話が多いが、それは将来残酷な現実に出くわす子供たちへの心のワクチンの役割を果たしている。
だが富野氏が提示した「海のトリトン」には悲劇としての残酷さ、割り切れぬ現実の難しさはあるが、アンデルセンの童話にある哀しい美しさがない。だから心に残らない。
富野氏の意図は分かるが、初監督作品である「海のトリトン」のエンディングは美しくなく、哀しくもない。その意味で私の評価は低い。率直に言って、手塚治虫の原作の方がまだ子供向けとしては上だと思うのです。
いささか厳し過ぎる評だと自覚はしています。ただ、幼い子供の心には残らないとしても、十代以上の若者には強く印象に残ったのも確かです。私の知る限り、視聴者が主体となってファンクラブが出来た最初のアニメが「海のトリトン」なのですから。
あ!トリトン、私が手好きなアニソン一位に選んだやつ!
とは言え、私、お話そのものは全くと行って良いくらい覚えてないんですよね。
「カルピスまんが劇場」は、子供心にも少しぬるい感じしてましたが、こっちのシリーズの方が色んな場面を思い出せます。
「デビルマン」もそうですが、当時は原作とアニメが違うのは当たり前でしたよね。
余談ですが、「ドラえもん」は何度も作品化されるのに、何で「オバケのQ太郎」はリメイクされないの?オバQもドラえもんと同じくらい可愛いと思うんだけどな〜。O二郎とか。
デビルマンは原作がキツ過ぎてTVには不向きですが、オバQは分かりません。内容に問題はないと思うのですがねぇ。
子供心にこの作品の最終回は衝撃的で、後に振り返るに富野節がすでに全開でしたね。
理屈をこねてしまう現在より、素直に衝撃を受けてた頃が影響が大きいと思います。