長く連載が続いた人気漫画NARUTOだが、その外伝という形で発表されたのが表題の作品。
主人公は、ナルトではなく、ナルトの息子でもなく、サスケとさくらの一人娘サラダとなる。孤児として育ったナルトと異なり、誇りに思っていた家族を兄の手により失くしたサスケは、兄への愛憎があまりに深すぎたのか、あるいは里への贖罪の気持ちが強すぎるのか、家庭を顧みない。
そのため、父の姿を知らずに育ったサラダは、まだ見ぬ父の姿を求めて里を出る。その道中で遭遇した謎の写輪眼を持つ少年と、サラダを追いかける七代目火影ナルトと、母さくらの追跡行が物語の主軸となる。
NARUTO連載中に結婚し、子供をもうけた作者・岸本斉史の家族への想いが強く刻まれた作品だと思う。週刊誌に毎週漫画を連載する作業は、かなり過酷なものとなる。まして、週刊少年ジャンプでも屈指の人気作品であるNARUTOだけに、作者も相当な重圧の中で仕事をしていたのだろう。
これは想像だが、週刊連載する漫画、アニメ、映画その他ノベリティグッズ等の関連商品など仕事は多忙を極めたはずだ。そうなると、岸本氏は必ずしも良き家庭人ではなかっただろうと思われる。
だが、決して家庭、家族への想いを忘れていたわけではなく、むしろ多忙だからこそ深い想いを抱いていたのだろう。そんな気持ちがこの作品を描く動機になっていたのではないかと私は感じました。
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