
春らしい気持ちの良い天気が外に出ろと誘ってくれたが、それを断り終日家の中にいた。開け放した窓の向こうに鳶だろう1羽、青空の高いところを気持良さそうにユックリと旋回を繰り返しながら飛んでいた。
八角蓮やイカリ草は芽を出したが、昨年植えたオキナグサは姿を見せない。カタクリも、もう駄目だろう。それも残念だったが、土の中に埋めておいたケヤキの盆栽が3鉢とも枯れてしまった。こっちの方が衝撃は大きい。いずれもH翁が長年、丹精を込めて仕立てたそれなりのケヤキだったが、冬対策の土のかけ方が足りなかったせいで根が凍ってしまったのか、新芽を吹くことなく3本が、まるで連れだつかのように枯れた。
毎年のようにこの時期、根切り、土替えはやったが、整姿や肥培が充分にできず昨年の秋、留守に柿を捥ぎに来た人が譲ってくれと言ったのも、手入れ不足を感じてのことだったと思う。しかし、こうなったからといっても、後悔はしない。譲ってほしいと言った人は友人の知人で、知らない人の手に渡っていくよりもこの家で終わらせたことで、納得しようという気持ちがある。
盆栽の寿命からしたらわずかな期間だったが、それでも10年以上毎年、それなりの愛情を注いで、世話したつもりだ。残念だった。