
Photo by Ume氏
いい天気だ。春らしく、朝の日の光に、生まれたばかりのような新鮮さを感じる。この陽気が、開花が遅れている高遠の桜を少しは急かせることになるといいのだが。折角観光バスを仕立てて遠くから来た人たちが、不愛想な固い蕾だけを見て帰るのでは気の毒だ。
今思い出したことだが、似た経験をしたことがある。わざわざ東京から、知り合いの外国人を連れて行ったのに、うすら寒い天気の中、桜の花は来訪者を無視するように花を閉じたままだった。そのころは、桜の時期ともなれば決まって道路が渋滞して、その上駐車場を探すのにも苦労しと、とにかく大変な思いをした記憶しかない。仕事が始まれば、毎日この城址の下で152号線に入るが、以来高遠の桜はついでに眺めるだけになってしまった。
きょうの桜、牧場の中に咲く山桜で、Ume氏は道路から撮ったと思われる。白樺の木もようやく芽吹き出し、牧草も一番芽が生えだしたころだ。夜になれば、初の沢の水を飲みに来た鹿の群れが、わがもの顔に振る舞う場所でもある。
こんな桜を眺めることができるのは、まだまだ先のことで、大型連休も終わり一段落したころになるだろう。ただ、山桜の中には気難しい木もあって、特に注目している1本は、昨年などろくに花もみせずに終わってしまった。今年はさて、どうだろうか。
牧場での10年は、ただただ野生化ばかりを進めてしまった年月だったと思っていたが、いつの間にか名前も覚えられぬままに花や鳥、草木にも興味を持つようになり、野生化にはそんな一面もあるのかと、その妙な傾向をとりあえず放任している。同じく野生化したあの「おとといた君」なども、その典型、見本だろう。一昨日、鹿の角は拾えたのだろうか。
そろそろ5月の連休の予定を立てようとしている読者の中には、当施設の利用を考えてくれている人もいると信じます。とりあえず、カテゴリー別「H28年度の営業案内」と「続H28年度の営業案内」を参考にしてください。若干の料金改定があったとしても、前年度実績のある方については、据え置く方針でいます