入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「春」 (4)

2017年04月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日は我慢したが、きょうは耐え切れず、春の日に誘われて外に出てみた。行くとなれば当然、車は芝平方面に向かうわけで、1か月ぶりに陽射しの暖かな山室川の谷に入っていくと、木々が芽吹き出すにはまだ早かったものの、狭い谷には光が溢れ、流れを急ぐ谷川の水さえも不愛想を止めて、陽気に春を歌っていた。日の当たらない道端や、対岸の急な斜面に残る雪も、山奥氏が得意で言う「年寄りの元気、春の雪」で、先はもう長くなさそうだった。
 芝平の集落を抜け、第2砂防ダムを過ぎても、道路は荒れていたが雪はなかった。どういう用事があって来るのか、車の轍が乾き切っていない山道に何本も残っていた。枯れ木橋を過ぎてもまだ先に進めそうで、上手くいけば峠までいけそうだと思った途端に、小さな曲がりの手前から突然のように深い雪道が待っていた。車を降りて曲がりの先を見に行くと、古い轍はそこで引き返していて、最近までその先には車が通過した様子がなかった。そこを通過できさえすれば、まだまだ先まで行けそうだったので、初めて4輪駆動に切り替えた。
 しかし結局、峠まで車で行くことはできなかった。最後の曲がりの手前で車を止め、そこからはクマ笹の茂る歩きにくい林の中を雪を避け峠まで登ってみた。八ヶ岳が今年はまだかなりの雪を残していて、中でも阿弥陀と赤岳が、いつものように覇を競い合うようにして見えていた。左手から来る千代田湖からの舗装路には大した雪はなかったが、右手の牧場に通ずる道はまだ冬が居座ったままで、とても車での通行など無理のようだった。
 それでも風は微風で柔らかく、光は贅沢なほどに溢れ、麗らかで、準備さえしっかりできていたらそのまま、牧場までHALと一緒に歩いてみたいと思ったくらいだった。
 帰り、種平小屋にも立ち寄ってみたが、あの夫婦もきょうの陽気につられて、山にでも行ったようで留守だった。

 かんとさん、今年度初の予約、29日からの3泊4日、しっかりお受けいたしました。


 

 
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