入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「春」 (40)

2017年05月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 朝来るとき、杖突街道の長藤(おさふじ)付近で、バスを待つ人の良さそうな老婆を見かけた。その何とも懐かしい風景が胸に沁みた。以前に、山室の谷でも似たような光景を目にして、そのことを書いた覚えがある。わずか50年も経たないうちに、かつては当たり前だったこういう風景が山村から消えてしまった。この辺りはバスがまだかろうじて運行されているから利用者はいるのだろうが、そういう人は恐らく皆、独り暮らしの老人ばかりに違いない。
 あのお婆さん、どこへ何をしに行くところだったのだろう。誰も車で送ってくれる人がいなかったのだろう。高遠の街で、必要な日用雑貨でも買うつもりなのか、それとも人に会いに行くのか・・・、つい、あれこれと余計なことを想像したりしながら上がってきた。
 思い出した。もうもうと土煙を上げてやって来たバスのことを。それで、他愛のない茶飲み話の類で沸いていたバス停が、社交場の役目を終えた。当時はまだ舗装されていなかった時代で、やがて田圃や畑に行く農道までがアスファルト舗装されるとは夢にも思っていなかった。田舎のデコボコ道が舗装路に変わるころからだったろう、乗り合いバスが段々不要になり、ついには見かけなくなったのは。伊那で最後に乗り合いバスに乗ったのは、いつのことだったろう。

 重い腰を上げるような感じで、ようやく入笠にもヤマザクラが咲き出した。そういえば、ウグイスの声も聞いたがあれはどこら辺りだったか、もうかなり牧場に近かったような気がする。

 いい季節になります、お出掛けください。営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。 
 
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