集落の東側、一段高い場所にある新田では、天竜川から水揚げしていたポンプが止まったようだ。今朝来る時に見たら、水路にはもう水の流れはなかった。きょうの写真のように、どこの田も稲穂は頭を垂れ、刈り取られるのを待っている。
その向こうに見えるのは、カントリーエレベーターと呼ばれるコメの貯蔵施設で、この牧場の経営管理者でもあるJA上伊那、正式名称は上伊那農業協同組合が所有している。この施設の横を毎朝通って来るが、家からは4,5キロはある。
結(ゆ)いだとか稲田に見知った尻並ぶ ――丼子(どんぶりこ)
もう、こういう稲刈りの光景を目にすることはないだろうし、労力を貸し合った「結い」などという言葉も、遠からず消えていくだろう。
機械化が進み、一枚の田の広さも大きくなった。手作業が主流だったころを知る者には気の滅入るような広さだが、機械の能力からすればむしろまだ狭いのかも知れない。集約化は今後も進み、そうなれば「三ちゃん農業」とか、会社勤めのかたわら休日に農業をするなどといったやり方は通用しなくなる。「見知った尻」の出番などとうになくなってしまった。
そうした時代の移り変わりが影響してきたのか、秋の収穫を祝う村祭りもかつての精彩を欠くようになった気がする。この頃では、祭りに親戚縁者を招いて酒宴を設ける家などすっかり目にしなくなったし、神社では子供神輿ぐらいは出ても、それに対して茶菓を配る程度の味気のないものになりつつあるらしい。もしかすれば、これも日本の伝統である米造りの変化と関係があるのではないだろうか。身体を酷使して、額に汗して取り入れをした、その収穫の喜びなど昔語りになりつつあるのだから。畏れながら今に、手植え、手刈りなどは、やんごとなき方御一人にお任せするということになるのかも分からない。
およそ村の行事になぞ殆ど協力しないくせに勝手なことを言うなと、これを読んだ現区長さまのTDS君は怒るかも。ご苦労様です。
これも「小さい秋」
驚いた、蝶の写真でお馴染みの京都のK来さんがまたしても登場。今年はこれで5回目だと。「よう通うとるわ」とご自身の弁。
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