入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「秋」(10)

2019年09月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 台風15号の被害がそれほどではなかった伊那谷は、まさに実りの時を迎えている。黄金色に輝く稲田が続き、その脇にはコスモスの花がこぼれるように咲いている。この花の清楚な姿もだが、あくまでも脇役であろうとする風情がまたいい。
 コスモスは杖突街道沿いにも、また山室川に沿った芝平の集落にもたくさん目にするが、それでもこの花を見るのに一番の場所は松倉の集落だと、勝手に決めて何年にもなる。この集落は高遠からだと杖突街道を北へ約10㌔、藤沢の集落を過ぎた辺りで街道を離れ、諏訪神社の横を東(右手)へ1キロも行かないうちにある。
 松倉は江戸のころには高遠藩が参勤交代に際し近道するためこの集落を通り、千代田湖の先から諏訪側に抜けたそうで、それで金沢峠とか金沢街道の名が今に残るが、現在の青柳に抜ける金沢林道とは違う。
 この松倉も松倉川の谷の中にあって、住民が100人といそうにない小さな集落だが、ただ芝平などよりも空は広くて明るい。数えてみたことはないが幾軒かの家が火の見櫓を中心に集まり、その他にも棚田の中に何軒か散らばっている。そして、お定まりの過疎化と闘っているらしい。
 大きな曲がりを2回も繰り返し、集落を見下ろせる辺りまで来れば、道路脇に咲くこの一叢の花が目に留まる。来る時に朝日の中で見るのもいいし、帰る時の夕暮れの中で眺めるのもいい。普段はあまり通らないが、今週はもう2度も足を運んだ。
 特に気に入っている理由を述べなければいけないが、ウーン、谷間にこぢんまりと残る古い集落と、そこに咲くコスモスの花とがきっとよく合っているからだろう。

 昼少し前、撮影の関係者から牛が脱柵していると連絡があった。丁度、小入笠の頭から下り始めたところで、取る物も取り敢えず現場へ急行すると、なんと、「本番」という声がする撮影隊のすぐそばのコナシの林の中に、5頭のホルスがまるで撮影見物でもしているようにして突っ立っていた。

 今週末は予約が幾つも入っているのに次の週末はまだ1件もなく、月齢や紅葉のことを考えれば、21日からの3連休も"おいしい"と思います。よろしかったら計画を練ってみてください。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。


 
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