入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (51)

2020年05月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
Photo by Ume氏

 ウグイスの鳴く声がする。今朝は上ってくる途中、荊口と芝平の境になる森の中では、かなりの数の野猿も見た。どの顔も同じ表情に見えても、酷しかった冬を凌いでようやく安堵しているように見た。
 まさに五月晴れ、今朝は実によく空気が澄んだ。中央アルプスや北アルプスの白い峰々が朝日を浴びて輝き、純白の残雪は真っ青な空に映えてこの時季が一番美しい。牧場内の山桜の古木も、ぼつぼつ可憐清楚な花を咲かせ始め、冬枯れたままだった牧草にも緑の色が少しづつ混ざるようになった。目に入るあらゆる天然が、清新な季節の息吹を感じさせている。

 午後少し遅くにチェーンソー2台持って、テイ沢へ行ってみた。4日ぶりだというのに、随分無沙汰をしたような気がした。
 流れの音以外は森閑とした渓の中、多くの倒木や流木が散乱していて、どこから手を付けるべきかとしばし思案にくれた。自然がしたことだから放っておいても構わないという気がしないでもなかったが、また大雨でも降れば、これら大量の倒木は増水した激流に弄ばれ、渓の中は今以上に荒れてしまう。
 それも自然のすることだと言ってしまえばそうだが、この渓には例の石像ばかりでなく、多くの石塔や石仏が物語るように、人々の神聖な願い、思いが込められた場所であったはず、そういう幽谷の粛然とした雰囲気に今はあまり相応しいとは言えない。それと、丸太橋がまた流されたら、これまた厄介なことである。流木は、丸太橋の天敵になる。
 きょうは時間もあまりなかったから、特に目障りとなったり、再度水にさらわれたら面倒なことになりそうな木や枝を主に片付け、重い思いをして持ち込んだチェーンソーはあまり使わなかった。
 まあともかく、あれだけの倒木である。一人の人間のできることなど知れている。結局最後はこれまでのように自然と、時間に委ねるしかない。

 第1堰堤の「八重紅枝垂れ桜」と競う、中州に生えた樹は「コゴメヤナギ」ではないかと、Ume氏から連絡を貰った。また、「枝垂れ」の謂れに関してもそのうち呟きたい。

 本日はこの辺で。
 
 
 
コメント
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