独り言のしばしの空白を埋めるとしたなら、やはり、暖かい春の日の光溢れるあの真っ青な空と、拡がる平安な雪景色のことになるか。5月の富士山を10回以上も登ったのは、あの深い広い空に出会いたかったからだった。富士山が殺気を消し、一番美しくなるのはそのころだが、あの蒼穹・青い空と同じ色を、早春の入笠の一隅で眺めてきた。
"Rancher Bar"に先着の客1名
土曜に来て1泊した赤羽氏は「入笠牧場に親しんで思うこと」という企画提案書を持って来てくれた。その中で、「発見して、気づいて、感動して、のめりこむような機会の少なさ」を、現代社会の課題のひとつとして取り上げていた。念頭にあったのはきっと、スマホがよすがの青少年たちだろう。大いに共感した。
蜂に刺され木から落ちたこともあるし、天竜川で溺れかけたこともある。しかし、魚、鳥、昆虫、花に触れる体験をもしもしも幼年時代に持てなかったなら、それは代替不能の損失となったはずで、今こうして振り返ってみても色彩の薄い、味気のない日々しか甦ってこなかっただろう。
日曜日、雪上講習にやって来たI氏ご一行は、そういう感動を栄養源に渡世を来た人たちである。還暦を過ぎた今も彼らの口から魚、蝶の話が出てきたら、それは少年の初恋か、青年の恋愛譚を聞くようなものだ。
あの牧場の小屋や、キャンプ場にはいろいろな人が来る。やはり、印象に残る人たちは好感だけでなく、少し"個性的"な人が多い。そういう管理人も先日某から「入笠牧場奇人の会」の会員であることを名刺に書き込めと言われ、恥ずかしながら今度はそうするつもりでいる。
光の明度が上がる、3月の入笠牧場が待っています。"Rancher Bar"は、管理人の酒類の在庫、いよいよ僅小につき、当面は各自持ち込みにてお楽しみください。
営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を