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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (29)

2018年09月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 それにしてもよく降る雨だ。きょう、25日までの9月の作業日誌に、「晴れ」と書けたのは5日しかない。「雨」は12日、「曇りや霧、乃至は小雨」が8日となる。さらに今月はどうも最後まで、好天は期待できそうもない。 
 
 下牧も残すところ1週間、牛を第1牧区から降ろす坂の草刈をするつもりで来たが、この雨ではどうしようもない。管理棟の整理整頓でもと始めたら、面白い物を見付けた。いつのものか分からないが、小屋の「宿泊二食寝具付き」が「3,500」円とある。食事を提供していた時代があったことは聞いていたが、いつごろのことか。「休憩部屋代」は500円、これは今も変わらない。
 面白いのは「貸しゴザ」100円とか「貸し毛布」が250円とある。加えてあのころは「屋内炊事用ガス代」として「炊飯」は500円、「湯沸かし」は100円と細かい。それに、これらの料金はいまでも通用しそうだ。「お握り1食分2ケ(ゴマ塩)400円」は高いくらいだ。
 キャンプ場の「テント持ち込み1日1張」が1,000円となっているのは、1泊二日の誤りだろうが、これに加えて入場料が100円というこの料金のころなら記憶がある。
 もう少し見ていたら、別の下書きと思しき手書きの料金表には「59年5月作成」とあった。「59」は昭和59年を指すのだろうが、ということは、キャンプ場の料金などは12年前(2006年)にこの仕事を始めた時もしばらく適用されていたから、昭和59年、つまり1984年を差し引けば20年以上も変わらなかったということになる。おおらかと言うべきか、それとも怠慢と言うべきか・・・。
 
 偶々見付けた古い料金表、懐かしい時代の一面を語ってくれているが、いつしかこういう時代を知る人たちは殆どがいなくなってしまった。当今はハイカラな大型テントにテーブルや椅子が当たり前になって、ゴザなどと言っても知らない人もいるだろう。

 A達さん、通信ありがとう。今度はぜひそうしてください。赤羽さん多謝、いろいろな場所で存分に秋を楽しんでください。

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。



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     ’18年「秋」 (28)

2018年09月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


「秋の日は釣瓶落とし」、日が短くなり、夕闇があっという言う間に迫ってくる。暗い山道を下る日が多くなり、鹿の群れを見る機会も増える。昨日は第2検査場の北側の放牧地で、2頭の雄鹿と8頭の雌の鹿を見た。そしてその後、「貴婦人の丘」の塩場の近くでは1頭だけでいる雄鹿を見た。この鹿は仔牛なみの大型で、角(つの)も見事なもの、もしかすれば5尖かも知れなかった。
 鹿の角は1本の角が何本に枝分かれしているかで、3本なら「3尖」、4本なら「4尖」と呼ぶ。毎年、冬の終わりから春にかけて角は抜け、これを「落角」というが、また生え替わる。
 孤独な雄鹿の顎の髭にはかなり白いものが混じっていたが、林の中に逃げていったその時の俊敏な行動には恐れ入った。いつもこうした光景を目にして、あれほどの速さで藪の中に飛び込んでいって、木の小枝やなんかで大きな目をついたり、足を怪我したりすることはないのかと思ってしまう。まして、雄鹿にはあの角がある。かなり邪魔なシロモノだろうに。
 稀に森の中で、鹿の死体を見かけることもあるが、外傷でもあればだが、死因などは分からない。われわれには知らない事故や病気が、鹿にも日常的に起きているのだろうか。そうであっても大概、キツネやタヌキ、穴熊などによって死骸はたちまちのうちに片付けられてしまう。鹿の死体より、その骨を見る機会の方が多いのは、そういう事情だろう。
 いくら牛が大切にされたところで、鹿の方が余程幸せであることはまず間違いなさそうだ。

 昨日、赤羽氏のやや強行な山行予定が気になって、旧営林署小屋近くの小黒川の渡渉点まで行ってみた。折よく、氏は渡渉の準備をしているところだった。かなり水流の激しい川には丸太が1本しか架かっておらず、とてもその上を渡ることができず、川の中に入るつもりのようだった。無事に川を渡り終えた氏によれば、頂上付近ではクマササにも増して倒木に手を焼いたらしい。あの急な登山路もかなり荒れていたという。それに最後の丸太橋、あれでは役に立たない・・・、どうする。

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


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     ’18年「秋」 (27)

2018年09月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝は久しぶりに、槍や穂高を望むことができた。しかしまだ、安定した本来の秋空とは言い難い。今週も、あまりすっきりとした天気は期待できず、天が高くなるのは10月になるのを待つしかなさそうだ。
 それに、「焼き合わせ」のツタウルシの紅葉も足踏みをしている。多くはまだ黄色かったり、全く色付かない緑の葉も目に付く。下の写真は、草叢に落ちていた1枚のツタウルシの葉だが、紅葉ならやはりここまで赤く染まってほしい。



 赤羽氏から電話が入って「今、白岩の頂上です」だと。どうやら今度も釜無山から縦走したようだが、クマササに大分苦闘を強いられたらしい。電波の状態が悪くて詳しいことは聞けなかったが、あの尾根は通る人もほとんどなくて、さもありなんという気がする。早晩、無雪期は通行不能になってしまうだろう。
 2年前、種平小屋夫妻と笹平沢から白岩に登った時もこの時季のことだと思って調べたら、2016年10月24日だった。クマササに隠れた踏み跡に、あまり苦労をした記憶はない。いや待て、赤羽氏はその後にD氏ともこの尾根を歩いているが、この時もクマササに難渋したとは言ってない。ともかく彼にとっては今回で3回目にになるはずで、それだけこの山域、特に白岩岳は思い入れの深い山になっているのだろう。よく分かる気がする。
 ただ、これを読んで「オレも」「ワタシも」などと安易に考えてもらっては困る。というのも、何かあってもこの尾根には逃げ道がなく、引き返すか進むしかないが、その判断は、ここを初めて通過するのであれば容易ではない。特に中高年には難しい。白岩山頂からの下降も標高差約1千メートル、かなり急で厳しい。
 もう少ししたら様子を見に、小黒川林道をそこらあたりまで車で下ってみようかとか思っている。大人4人、子供5人の連泊組は入笠山へでも登ったか。2人組は早朝の出発で、3人家族の方は昼を済ませて、テイ沢方面へ。

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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     ’18年「秋」 (26)

2018年09月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昼ごろから天気は「急速」に回復するはずだったが、なかなか予報の通りにはならない。きょうはキャンプの予約が入っている。また、朝から撮影の打ち合わせがあり、急いでキャンプ場の整備や風呂、トイレのことなどをその前に済ます。
 今年はもう、CMや映画の撮影の話は来ないと思っていたが、予想外の展開になった。まあ、牛を相手にしているのが一番楽なのだが、牧場は今こんなだし、山小屋やキャンプ場以外のこうした仕事にもに応じていかざるを得ない。幸い、そうゆう要望に応えられるだけの自然の環境には恵まれている。ただし、だからといってこれを観光に生かすには簡単ではない。
 
 いくら待っても、期待の青空は見えない。雨は止んだが、夕方になって霧が降りてきた。権兵衛山はいち早く雲の中に隠れてしまったままだ。ここから見える風景は寂しいが、久しぶりに人の声がする。今回の3連休、2組10名くらいの来場者がいる。きょうの写真のように、秋は次第に色彩を増やし、この季節らしい落ち着きを見せてくれるようになった。長い秋を望んでいると書いてはみたが、しかしまた例年のように、呆気なく過ぎていくのだろう。

 驚いた、彼曰く8年ぶりくらいだというが、ドイツ人のAが来た。つい話し込んだ。きょうの独り言はここまでとして、山を下りることに。キャンプ場の各位は楽しい夜を。

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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     ’18年「秋」 (25)

2018年09月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 伊那側から来て、牧場内にある入笠山登山口と長谷方面に行く分かれ道の三叉路辺りからでも、稀にだが、第1牧区にいる牛の姿を目にすることがある。今朝もそうで、三角点のある丘の東側になるが、移動中の何頭かの牛が見えた。そのまま来て、小屋の方に曲がろうとしたら、今度は追い上げ坂の上に1頭のホルスが目に入った。咄嗟に、「脱柵だ」と思った。牛は草が容易に得られなくなると、脱柵する。また、牛にそのつもりがなくても、有刺鉄線の上下が広すぎたり、たわんでいたりすると、牛にしたら「あれ、出ちゃったよ」というようなことが、時にはある。
 塩と配合飼料を用意して、第1牧区へ急いだ。脱柵した牛を牧区内に戻すには神経を使う、まして雨の中。今回は、背後から追い戻す荒っぽいやり方でなく、塩と飼料を使って誘導する穏やかな方法を選ぶことにした。
 牛たちは車の音で分かったのだろう、ゲートを開けようとしたら一斉にこっちを、あの牛独特の「悪しきをひそめ」た目つきで凝視してきた。そして速足に近付いてきた。まるで、犬と変わらない。今年の牛たちは塩場に行かず、車に寄って来る。そういうふうに、調教したのだが、その間に頭数を数えたら、やはり1頭が足りない。
 車の前後を牛の群れに囲まれながら塩場に向かいかけて、ふと左の目の端に小さい白い物が見えた。遠かったが、紛れもなく1頭の牛だった。脱柵したと思ったがそうではなかった。人間もそうだが、どうもこういうように時々、団体行動をしていても置いてきぼりを食ったのか、気が付かなかったのか、鈍いのがいる。
 そのころになって雨は本降りになったが、念のため牧柵の点検をして、脱柵してなかったことを確認した。



 色付きかけた木々の葉は、まだ黄色が大勢だが、それでもツタウルシや山桜には次第に赤い色も目に付くようになった。この鬱陶しい秋の長雨も、季節の絢爛たる演出に一役買っているのだと思いながら、我慢している。

 秋風が旅に出ろと言ってませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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