市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

エイプリル・フールに岡田理事長=市長から公開質問状の回答届く

2009-04-05 23:55:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■平成21年2月17日に岩野谷公民館で開催された地区別懇談会で、最後に時間切れ寸前に、当会は岡田義弘市長兼安中市土地開発公社理事長に6項目の公開質問状を提出しておりました。その後、2月20日付で書面による回答延期通知が来ました。その後、一ヶ月以上経過しましたが、何の音沙汰もありませんでした。ところが、年度が変わった途端、突然、安中市と土地開発公社から2つに分けて回答書が送られてきました。回答書の日付けが3月31日になっていることから、エイヤーっとばかりに、放り出した格好です。4月1日に届いたことから、エイプリル・フールかと一瞬思ってしまいました。

 まずは、当会の質問に対する安中市・公社の回答内容を見てみましょう。

*********
【安中市土地開発公社に係る公開質問状の回答について】

質問1.公社が被った損失の責任は、歴代の公社役員や職員にあると考えられます。なぜ、そうした人たちへの責任の所在追求を行わないのですか。

公社回答)公社が被った損失の責任は、ひとえに有印公文書偽造、同行使、有印公文書変造、同行使、詐欺を行った元職員であると考えます。刑事及び民事ともに司法の判断を仰ぎ、判決(和解)も出ており、関係職員の処分も行われていることから、既に決着していると認識しています。

質問2.群馬銀行との和解条項を、さらに10年間継続するということですが、市民には事件の経緯が分かりません。公社にも落ち度があり、その責任は上記1項で追及されるべきと考えますが、群銀の責任についてももっと、市民に明らかにして、あらためて、群銀との裁判を視野に入れた行動をとるつもりはおありですか。

公社回答)和解を受け入れておりますので、現時点においては(株)群馬銀行に対して裁判を視野に入れた行動をとるつもりはございません。

質問3.元職員は、すでに仮出所したとの情報もあるようですが、公式には、いつ刑期を終えるのでしょうか。

公社回答)個人情報に該当することから回答できません。

質問4.元職員の出所を機会に、元職員およびその関係者らへの損害賠償請求をどのように行う予定ですか。

公社回答)本人の所在を確認して損害賠償を請求する方針です。元職員に対し、現在は22億821万1500円の損害賠償請求権が残っています。

5.公社の損失は、市とは別法人である公社に解決の責任があると思いますが、元職員が正規な手続きを踏まずに購入したりした土地を、なぜ買い取ろうとしているのですか。

安中市回答)市が土地開発公社から収得する土地は、先行収得依頼した土地です。

6.元職員から絵画や骨董品をもらった安中市の関係者はたくさんいたようですが、彼らに返還を求めましたか。

公社回答)ご指摘の点につきましては、把握しておりません。
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■それでは、それぞれの質疑応答について分析してみましょう。

【質問1】公社が被った損失の責任は、歴代の公社役員や職員にあると考えられます。なぜ、そうした人たちへの責任の所在追求を行わないのですか。
>>公社回答)公社が被った損失の責任は、ひとえに有印公文書偽造、同行使、有印公文書変造、同行使、詐欺を行った元職員であると考えます。刑事及び民事ともに司法の判断を仰ぎ、判決(和解)も出ており、関係職員の処分も行われていることから、既に決着していると認識しています。

 安中市民の感想は「えっ?」という感じ。公社の回答には呆れ果ててしまいます。元職員タゴにはもちろん責任がありますが、上司らの管理責任は追及しようとしません。タゴを金庫番に任命し、一緒にゴルフばかりして、肝心の帳簿や通帳は一切確認しなかったのに、責任がないだと。責任を取らない公務員など、考えられません。しかも、民事で司法の判断を仰いだから、既に決着済みだ、などとよく言えたものですね。民事で司法の判断が出たから、10年間で、債権確保に尽力せねばならないのに、何もせずに時間を浪費した責任はどうするのでしょうか? 市役所の関係者の処分も済んだといっていますが、数名の関係者が僅かの期間に僅かな減給処分にとどまり、誰もクビにもならず、民間とは大違いの大甘な対応で幕引きされました。公社関係者の間では、既にタゴ事件は他人事のようです。あっ、それと、元職員は文書偽造のほか、3億円以上、市から公社に振り込まれた公金も横領しています。なぜか、警察は、元職員が起用した弁護士のいうことを聞いて、詐欺罪だけ強調して、横領罪では立件しませんでしたが。

【質問2】群馬銀行との和解条項を、さらに10年間継続するということですが、市民には事件の経緯が分かりません。公社にも落ち度があり、その責任は上記1項で追及されるべきと考えますが、群銀の責任についてももっと、市民に明らかにして、あらためて、群銀との裁判を視野に入れた行動をとるつもりはおありですか。
>>公社回答)和解を受け入れておりますので、現時点においては(株)群馬銀行に対して裁判を視野に入れた行動をとるつもりはございません。

 へぇー。やはり、公社は群銀と一線を交える気力は毛頭ないと宣言しました。群馬銀行には、永久に反旗を翻さないつもりのようです。公社の担当者は、安中市の市長や幹部ですから、公社の回答=安中市の回答、ということになります。もっとも、群馬銀行に楯突けば、「タゴの裏金の流れがどこに回ったのかバラしちゃうよ」と言われかねません。タゴ事件としがらみのある、あるいは、脛に傷のある公社=安中市役所のかたがたにとっては、黙って群銀のいうことを聞くしか方法がないということのようです。

【質問3】元職員は、すでに仮出所したとの情報もあるようですが、公式には、いつ刑期を終えるのでしょうか。
>>公社回答)個人情報に該当することから回答できません。

 これまた、恐れ入りました。個人情報だからタゴの出所情報は知っていても教えられませんということのようです。やはり、知らないと答えるわけには行かないので、知っているけど回答できないという答え方です。公社は被害者だから、法務省に問い合わせれば、タゴの居場所と出所時期について、教えてもらえますが、安中市民が法務省に問い合わせても、タゴ事件の被害者ではないから、という理由で教えてもらえません。安中市の庇護のもとにしか存在できない土地開発公社なのに、なぜタゴの出所情報についても個人情報だとして、隠すのか。やはり、タゴ事件にいろいろ関与した連中の罪を全部一人かぶって、ムショ入りしたタゴは、公社にとって特別の存在のようです。ちなみに、当会の調査では、タゴは数年ほど千葉刑務所でおとなしくしていましたが、数年前に仮出所して、現在首都圏の某マンションで正式な刑期満了日である9月21日ごろを待ちかねているようです。

【質問4】元職員の出所を機会に、元職員およびその関係者らへの損害賠償請求をどのように行う予定ですか。
>>公社回答)本人の所在を確認して損害賠償を請求する方針です。元職員に対し、現在は22億821万1500円の損害賠償請求権が残っています。

 はて、「本人の所在を確認して損害賠償請求方針」とのことですが、本人の所在は、服役中だから判っているはずなのでは? やはり当会が指摘するように、既に仮出所して首都圏の某所に行方をくらましているのが正解なんですね。また、出所後の所在は、運送会社のオーナーのタゴの親族に聞けば、いつでも判るはずです。でも、心配があります。公社の岡田理事長は、10年前に、僅か4日間の裁判で勝ち取った損害賠償請求権を後生大事に抱えているようですが、本気でそう思っているとしたら、えらいことになります。当会が問題提起したように、10年間、放っておくと、損害賠償請求権が時効で消滅してしまいかねません。きたる5月31日までに、きちんとタゴを再提訴して、消滅時効を回避するつもりは果たしてあるのでしょうか。おそらく、公社も安中市の幹部にも、そのような意思は全くないと思います。勿論、住民報告会や広報あんなかなどでは、「1円たりとも、タゴから損害金を回収する」と息巻いていますが、実際は「仰げば尊し、タゴの恩」。「公社事件のもろもろの裏事情を全て飲み込んで、ひとりムショ暮らしを甘受したタゴに対して、どうして損害賠償請求を迫れるというのか…」さぞかし、こんな心境なのでは。

【質問5】公社の損失は、市とは別法人である公社に解決の責任があると思いますが、元職員が正規な手続きを踏まずに購入したりした土地を、なぜ買い取ろうとしているのですか。
>>安中市回答)市が土地開発公社から収得する土地は、先行収得依頼した土地です。

 これはこれは・・・唯一、安中市として回答いただきましたが、どうしようもない山林を、先行収得依頼したのは、タゴでしょう? そんなにタゴの負の遺産を大事に匿うのですか? この分では、市役所の前にあるタゴの自宅も、所有名義のタゴの配偶者から、公金を使って高額で買い取りかねませんね。

【質問6】元職員から絵画や骨董品をもらった安中市の関係者はたくさんいたようですが、彼らに返還を求めましたか。
>>公社回答)ご指摘の点につきましては、把握しておりません。

 それはそうでしょう。岡田理事長も、タゴには公社監事・理事時代にいろいろ世話になったそうですから、いまさら、把握していますとは、言えませんよね。岡田理事長が市議時代、公社の幹事としてタゴが作ったインチキ決算書で、前年の繰越金をネコババされても、ちゃんと判子をおして、お墨付きを与えたくらいだから、公社の杜撰な経理は知り尽くしているはずです。そのお礼にタゴから大きな壷がプレゼントされたのかどうかは、岡田理事長ご自身に聞いてみないと判りませんが、当時は公社の理事・幹事に市議会議員も多数関与していました。六本木にある自治大学校に、安中市役所から2人目のエリート職員として研修派遣されたのをよいことに酒の飲めない(といわれる)タゴを赤坂の料亭に呼び出し、どんちゃん騒ぎをした金も使途不明金として計上されているはずです。一方、執行部側も、当時の小川市長をはじめ、部課長クラス、上司、同僚、ヒラに至るまで、多数タゴの世話になった方々がおられましたね。万一、タゴへの請求権を消滅時効にしてしまった場合、その他の公社関係者の皆様のも既に時効になっていることから、もうそろそろ刑事記録の公開をしてもよろしいでしょうか。

 それにしても、タゴ事件発覚からまもなく14周年を迎えるというのに、安中市制は、14年前に戻った感があります。さながらバック・ツー・ザ・フューチャー?

【ひらく会情報部】


コメント
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