市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ51億円事件発覚から15年・・・逸早くタゴを懲戒免職にして市民の目から遠ざけた安中市幹部の思惑

2010-05-31 17:33:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■15年前の今日、午後4時に安中市土地開発公社51億円巨額詐欺横領事件の単独犯とされた多胡邦夫に対して、安中市の幹部らが懲戒免職をしましたが、その時の確認書を紹介します。

 ちなみに、この日のタゴの行動は、12時30分に、公社事務局次長の高橋弘安にタゴから「家にいる。弁護士とアポイントが取れた」という電話がありました。その後、午後4時に懲戒免職を言い渡し、タゴ本人から確認書を取得して、タゴ本人に警察への出頭を促したということに、安中市の上申書には記載されています。

 15年前のこの日、タゴは前日も高橋次長宅に電話を入れており「今日は行けない。31日午後話をしたい」と話しています。その後、30日深夜というより31日の午前1時半にタゴが帰宅しましたが、なぜ31日の朝一番で、タゴは市役所にいかなかったのでしょうか。それにはわけがあります。

 おそらく、15年前の5月31日の午前中には、手持ちの横領金の中から800万円プラスアルファを、親友の石原保のいる甘楽信金(現・しののめ信金)に振り込んだか、あるいは直接石原保に自宅に取りに来てもらって、住宅ローンの残金を完済したり、タゴのいうとおり、配偶者があたりを付けてくれた中曽根系の弁護士のところに、事件の相談に行き、弁護を依頼したものと思われます。そして、タゴと親しい安中市の一部関係者もそのことを知りつつ、午後4時からのタゴの懲戒免職の場に立ち会ったと思われます。

■それでは、15年前の5月31日(水)午後2時に、タゴを懲戒免職にした際、安中市幹部ら作成の「確認書」なるものに、タゴに署名をさせた文書を紹介します。

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供覧  理事長・小川 副理事長・須藤 常務理事・青木 事務局長・加部 事務局次長・高橋
会議 建設部長・大工原 総務部長・大塚 秘書課長・堀越

確  認  書
1.私は、安中市土地開発公社特別会計口座開設のための文書を偽造し、当該口座を開設いたしました。
2.私は、借り入れに必要な金銭消賃貸借契約証書等の必要書類を複数回偽造いたしました。
3.私は、預金払戻請求書を偽造し、また、公印を盗用し、引き出しを行いました。
4.私は、これらのことについて、市長等上司から特命を受けたことは一切ありません。
5.上記の内容については、私自らの金銭消費のために、勝手に行いました。
平成7年5月31日
     住所 安中市安中一丁目23番32号
     氏名 多胡邦夫(拇印)
安中市土地開発公社 理事長 小川勝寿様
     立会人 助役  須藤一緒
         収入役 青木弘之
         総務部長 大塚敏三
         建設部長 大工原宗宏
         都市計画課長・土地開発公社事務局長 加部信昭

収受印:第7号 7.5.31 安中市土地開発公社

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■このように、市幹部らが作成(実際には、公社が依頼した2名の弁護士である田邊、菰田両弁護士作成か)した、自分たちの責任を全部タゴに転嫁することを確認した「確認書」にタゴが人差し指で指印を押した文書となっていますが、実際には、タゴは午後一番に市役所に呼ばれたのでしょうから、午後4時の懲戒免職までには、約3時間もの時間があり、いろいろな会話が交わされたはずです。その内容は当事者しか、知りませんが、その後の事件の推移をみると、次のようなやり取りがあったのではないかという推測も、あながち荒唐無稽ではなさそうです。

「タゴくん、申し訳ないが、これに指印を押してくれないかなあ」
「オヤジ(市長は当時こう呼ばれていた)、それはないよ。オレだけ見殺しにして、ムショに入れられるのだけは勘弁してくれ。一緒にゴルフしたし、いろいろ高価な骨董も分けてあげたじゃないか」
「それはそうだが・・・、だから、君が塀の向こうに言っている間、家族のことは決して悪いようにはしないから」
「それはないだろう、オヤジ。一緒に、土地ころがしをして、うまい汁をすわせただろう。オレだけ懲戒免職にするのは不公平だよ。それに、総務部長だって、オレのおかげで伊香保でいろいろいい目にあったでしょう」
「それはそうだが、ここはキミひとりでやったということにしておかないと、安中市役所は大変なことになるんだから、頼むからこの確認書に押印してくれよ」
「タゴくん。あんたはオレの舎弟だということで、これまで客をベンツで送り迎えしてもらったり、いろいろ感謝しているよ。時にはえらそうに命令してきたが、それらはすべてあやまる。だから、この確認書だけは何とか納得して指印を押してくれ。弁護士はできるだけいいのをつけるように、キミのかみさんからも頼まれたんで、そのように手配しておいたよ。頼むからタゴくん」
「タゴさん、我々、大変お世話になった部長一同からも、何とかお願いしまーす」
「しようがねえな。じゃあ警察に出頭したら、さっきの話のように、うまく口裏を合わせておくよ」
「大丈夫だ。この事件はエライセンセイに頼んであるから、市民には真相はぜったいにばれないようにしてもらえるから」

■そして、いよいよ6月2日午前、市長が安中警察署に告発の相談に赴き、その日の午後、タゴが弁護士に連れられて安中警察署に出頭するのです。

【ひらく会情報部】

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