市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ51億円事件発覚から15年・・・捜査の端緒になった捜査報告書

2010-05-22 14:45:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■5月17日の夕方に巨額横領金額のあることが判明してから2週間で、タゴが平成2年4月16日に開設した特別会計口座より以前の公社正規口座に関する帳簿類や関連文書を廃棄した安中市は、警察の捜査が入らないうちに、5月31日付けでタゴを懲戒免職しました。

 タゴに一人で罪をかぶってもらう必要があった安中市のタゴ事件関係者らは、横領金の使途など真実の実態をタゴにしゃべらないように、あらかじめ口止めをしたり、口合わせをした可能性があります。実際に、5月31日にタゴに懲戒免職を言い渡した後、安中市の幹部らは、タゴ本人に警察への出頭を促しており、出頭するときは電話をするように、タゴに指示を出しています。

 それではまだ不十分だと思ったのか、タゴの上司の高橋事務局次長は、タゴを懲戒免職にした後も、念を押すために、タゴの自宅を訪れていたことが警察の調べで明らかになりました。おそらく高橋次長は、タゴに今後の安中市の事件対応方針を伝えて、対外的にタゴを悪者にするが、決して悪いようにはしないことを直接伝えようとした形跡があり、警察も一時そのことで高橋次長を追及した経緯があります。

■ところで、安中市民の多くがタゴ事件のことを始めて知ったのは平成7年6月3日(土)の上毛新聞などの朝刊記事でした。このタイミングは、安中市長が6月2日(金)午前に安中警察署に告発の相談に訪れた後、同日午後にタゴが安中警察署に出頭した翌日であり、安中市・公社の弁護士らが、安中市民のみならずマスコミにたいしても情報管制をしていたことが分かります。

 実際に、警察がこの前代未聞、空前絶後の巨額横領事件の捜査の端緒としたのは、平成6月2日(金)午前に安中市長が安中警察署を訪れ、署長に告発の相談をした時点であるとしています。言い換えると、安中市の幹部らは、事件発覚の5月17日から6月2日までの半月もの間、事件のことはごく一部の市職員の間でしか、知らさずにいたことになります。

 平成7年6月2日に警察で、小川勝寿安中市長(当時。現在は故人)は、「5月18日都市計画課の高橋課長補佐等が私に、群馬銀行安中支店から公社の残高証明を取り寄せたら10億円余りの貸付金額であるはずのところが47億円あまりになっている」と供述しました。つまり、小川市長は、平成7年5月18日には既に巨額横領された事実を知り、弁護士らを手配し、都合の悪い証拠を隠滅しておきながら、5月31日にタゴに犯行の事実確認を行って認めたので懲戒免職にした、と言っていますが、その間に小川市長が、どのような行動をとったのかは、警察に言っておらず、6月14日になって、ようやく上申書なるものを警察に提出したのでした。

 このため、タゴ事件関係者らにとっては、事件発覚後、半月間という時間的な余裕が生じ、この間をフルに活用して、弁護士らのアドバイスにより、タゴ事件の真相の隠蔽と口裏合わせに十分な時間を割くことができました。

 このため、その後、警察が捜査を開始した後も、関係者らの供述にウソが多く、誰が本当のことを言っているのかさっぱり分からず、まるでタゴ事件関係者の全員の言うことが、ウソで固めた供述であるという感想を抱いたほどです。

 また、事件発覚から程なくして、当会には市民から「この事件のバックには中曽根派の政治家が絡んでいる。既にタゴはその政治家の自宅に3回ほど駆け込んで事件の始末を相談している」という情報が寄せられ、捜査への圧力が懸念されました。当会では、きっとタゴを単独犯として事件の幕引きが図られるにちがいないと、タゴ事件の展開を予想しておりましたが、その後の経緯を見るとまさにそのとおりになっていったのでした。

【ひらく会情報部】

**********
【捜査報告書】※原文は縦書き
平成七年六月六日
     群馬県安中警察署 司法警察員 警部 中川伸
群馬県安中警察署長 司法警察員 警視 大熊信行 殿
有印公文書偽造、同行使、詐欺被疑事件捜査報告書
 被疑者 本籍 群馬県安中市安中一丁目二三番
     住居 群馬県安中市安中一丁目二三番三二号
       無職(元安中市役所、安中市土地開発公社職員) 多胡邦夫
         昭和二七年三月三〇日生(四三歳)
 右の者に対する表記被疑事件につき捜査したところ左記のとおりであったから報告します。
     記
一 捜査の端緒
 本年六月二日、安中市土地開発公社理事長であり、安中市長の小川勝壽が安中署を訪れ、署長に建設部都市計画課の職員で安中市土地開発公社の事務局員をしていた多胡邦夫が公文書を偽造して土地開発公社が群馬銀行安中支店から借り入れる事業資金借入申込書などに勝手に金額を書き加えて借り入れしていた事が判り、本人もその事を認めているので五月三一日で懲戒免職にしております。
 と話したことによる。
二 捜査の経過
(1) 小川理事長の供述内容
 小川理事長は、署長及び本職に土地開発公社は私が理事長を務め、公共用地等の取得管理等を業務としており、事業費などは市が保証して金融機関から借り入れをしていますが、公社の事務を担当していた多胡君が勝手に理事長名の借入申込書や貸借証書を偽造して金額を上乗せして、その上乗せ分の金額をこれまた勝手に開設した群馬銀行安中支店の公社の口座に振込んでいました。
 五月一八日都市計画課の高橋課長補佐等が私に
 群馬銀行安中支店から公社の残高証明を取り寄せたら一〇億円余りの貸付金額であるはずのところが四七億円あまりになっている。群馬銀行安中支店で確かめたら理事長名の借入書類等を多胡が偽造していたらしい。
 と報告してきたので五月三一日に市役所の応接室で助役、収入役等を立ち合わせ本人に聞いたら、群馬銀行安中支店に公社名で特別会計口座を開設したこと、理事長名で借入申込書等を偽造したこ等を認めました。
 私はこの事冥を本人から確認したので五月三一日付けで懲戒免職にしました。
 と供述した。
(2)  被疑者多胡邦夫の供述
 小川理事長が安中警察署を訪れ、前記供述をした同日である、六月二日に被疑者多胡邦夫が安中警察署に出頭したので取調べたところ
 私は安中市役所の都市計画課開発係に併任して、安中市土地開発公社職員をも務めていましたが、公社の事業資金の借り入れの際に借入金額を変えるなどして群馬銀行安中支店に借り入れを申し込み前後一五~六回にわたり、総額三五億円ぐらいを公社の特別会計口座に振込んでもらい騙し取っています。このことが判って懲戒免職になりましたが、いろいろ考えた末、正直に話をして処罰を受けようと思って出頭しました。
 私は公社で経理などを長年担当していました。
 公社は事業資金を金融機関から借り入れていますが取引先の群馬銀行安中支店に提出する借入申込書、金銭消費貸借契約証書の金額欄を偽造して群馬銀行安中支店に提出して融資を受け、正規の口座と私が勝手に作った特別会計口座に振り分けて入金してもらって騙し取っていました。
 騙し取ったお金は、骨董品、ゴルフ会員権、株、外車等を買ったり、自宅の増改築や競馬等に使っています。
 私が、最後にこのような事をしたのは本年三月三一日でこのときには正規の借入金に二億五千万円を上乗せした借入申込書や金銭貸借証書を群馬銀行安中支店に提出して三月三一日に融資を受け、二億五千万円は私が勝手に開設した安中市土地開発公社特別会計口座に入金してもらいました。
 等と供述した。
(3) 安中市土地開発公社事務局次長の供述
 平成七年六月三日に公社の事務局次長で建設部都市計画課課長補佐の高橋弘安から事情聴取したところ、五月二四日に公社の監査が行われるので、監査の資料として群馬銀行安中支店から借入金残高証明書を取り寄せたら、借入残高は一〇億一、七〇〇万円位のはずが、四七億六、五〇〇万円余りとなっていたので驚いて開発係主任の竹内と群馬銀行安中支店に行って確かめたら、清水次長が「その金額に間違いありません。」と言うので持参して行った借入申込書等と群馬銀行安中支店で保管している公社の借入申込書等とを照合してみたら金額が明らかに違っていました。
 公社で群馬銀行安中支店から最後に借り入れをしたのが、平成七年三月三一日ですが、このときの借入申込書等を比較したら公社で保管しているものは、借入金額九六一万二、〇〇〇円で群馬銀行安中支店で保管しているものは、二億五、九六一万二、〇〇〇円となっていて正規の借入金額に二億五、〇〇〇万円が上乗せされた借入申込書、貸借証書であることが判りました。
 この他にも借入金額が一致しないものがありましたので群馬銀行安中支店が保管していた借入申込書等を調べたら金額の頭部分に、あらかじめ余白を作っておいて後で同じ筆跡で書き加えた様で、無理をして金額を書き加えたため、わずかですが文字が小さくなっていることがわかりました。
 さらに清水次長の説明で、群馬銀行安中支店に公社の私共の知らない特別会計口座があり、この口座に上乗せされた億単位の金が振込ふれていて多胡邦夫が払い戻していることや払戻請求書の筆跡が多胡邦夫の筆跡であることが判りました。
 市役所に戻ってこのことを小川市長に報告し、その後、五月二四日、二六日、二九日、多胡から事情を聞いたのですが、のらりくらりしており、五月三一日に市役所の応接室で小川市長等と共に本人から事情をきいたら、金銭消費貸借契約書などの書類を偽造したこと等を認めました。
 と供述した。
(4) 群馬銀行安中支店次長の供述
 平成七年六月三日に群馬県安中市安中三丁目一九番二五号に所在する群馬銀行安中支店次長清水昭行から事情聴取したところ、安中市土地開発公社の口座の印鑑票を確認すると、昭和五五年四月一五日開設、口座番号二九四九三七と、平成二年四月一六日開設口座番号○五八九六〇四とがあり、いずれも届出印鑑は、安中市土地開公社理事長印であり、口座番号○五八九六〇四の印鑑票の「おなまえ」欄の記載の最後が特別会計と記戴されています。
 公社への融資は、安中市が債務保証をしており、その額は、毎年三月の市の予算議会で議決を受けた議決書抄本を四月の新年度に届けてもらって融資を継続しています。
 公社への融資は、この範囲内で実行しています。
 多胡邦夫さんは、安中市土地開発公社に動務していて、融資事務等を担当しており、私も度々銀行で応対しています。
 公社への融資は、私共と多胡さんとで打ち合せを行った後に多胡さんが借入申込書を持参し、これに私共で貸出申請書を添えて支店長の決裁を経た後、本店審査部に貸出申請書の複写を送り本店の決裁を受け、決裁されると本店のコンピューターに入力になり、支店のコンピューターでそのことが判ります。
 そして金額を記載し、借主保証人の印を押した金銭貸借証書を多胡さんが持参して融資を受けた金の振込み先の口座番号と金額を指示するので、そのとおりに手続きしていました。
 一番新しい融資は、公有地取得事業資金の借入について、という平成七年三月二七日付の借入申込書により、平成七年三月三一日に二億五、九六一万二、〇〇〇円、四三六万二、〇〇〇円を融資していますが、私共では当然この時の関係書類が正当な手続きを経て作成されたものであると信じて関係手続きをして、多胡さんの指示どおりに公社の特別会計と称している口座に二億五、〇〇〇万円を振込み、残りの金額を公社の他の口座に振込みました。
 この時の借入申込書や金銭貸借証書が、多胡さんによって偽造されたものならば、私共が騙されたものと言えると思います。
 と供述した。
(5) 群馬銀行安中支店長の供述
 平成七年六月六日に群馬銀行安中支店長松井誠から事情聴取をしたところ、本年三月三一日に公社に融資を実行した件については、栗田代理から事前に報告を受け承知し、必要な手続きを経て融資を実行したものです。
 この時の借入申込書などを多胡さんが偽造したものでしたら私共で多胡さんに騙された事になります。
 私共と公社の信頼関係を著しく裏切った多胡さんは悪質でありますので、是非、厳重な処分をお願いします。
 と供述した。
三 安中市土地開発公社と被疑者多胡邦夫の身分
 安中市土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律により、昭和五五年に安中市が設立
したもので名称は、安中市土地開発公社であり、事務所は群馬県安中市安中一丁目二三番一三号、安中市役所建設部都市計画課内に所在し、理事長には安中市長である小川勝壽が就任している。
 安中市事務分掌規則によれば建設部都市計画課開発係、計画係が土地開発公社に関すること、公有地拡大に関する法律に関することを分掌すると規定されており、公社職員は公有地の拡大の推進に関する法律第一六条第五項に、土地開発公社の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすと定められている。
 被疑者多胡邦夫は、建設部都市計画課開発係主査、安中市土地開発公社主査という立場で、本件借入申込書、金銭貸借証書を偽造したものである。
四 証拠物
 群馬銀行安中支店から提出を受けた文書番号 安土開発第五二号平成七年三月二七日付けの安中市土地公社理事長小川勝壽から群馬銀行安中支店長に宛てた公有地取得事業資金の借入について(依頼)と題する文書一通及び平成七年三月三一日付け借主安中市土地開発公社理事長小川勝壽、保証人安中市長小川勝壽のそれぞれ公印が押捺された株式会社群馬銀行宛ての金銭消費貸借契約証書一通
五 犯罪事実 別紙のとおり
六 逮捕、捜索の必要性
 被疑者は長年に亘って同種犯行を繰り返したもので、騙取金額も多額であることから逃走、証拠隠滅の虞れがあり、また、本件関係場所を捜索して証拠書類等を押収する必要がある。
七 捜索すべき場所、差し押えるべき物
 別紙のとおり

別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目二三番三二号 被疑者(多胡邦夫)方居宅及び附属建物
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目一二番一一号 珈琲ぶれいく 店舗
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目一二番一一号 珈琲ぶれいく 店舗南側倉庫
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目二三番一三号 安中市役所 都市計画課
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目二三番一三号 安中市役所 財政課
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目二三番一三号 安中市役所 秘書課
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   安中市安中一丁目二三番一三号 安中市役所 社会教育課
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   普通乗用自動車 群馬三三な五八一七号
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   普通乗用自動車 群馬三三ち七七四三号
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   普通乗用自動車 群馬三三は三六五六号
別紙
 捜索し又は検証すべき場所、身体若しくは物
   軽四輪貨物自動車 群馬四一う九一五五号
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    金銭出納帳・手形・小切手などの有価証券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類・預貯金通帳及び証書・振込依頼書・入出金伝票・キャッシュカード・キャッシュカード利用明細書、印鑑、名刺、書留手紙、黒布製の手提げ袋、家計簿、日記、メモ類、その他・書類・用紙類。
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    ワープロ及びフロッピー、借入書類・伝票・用紙類・簿冊、勤務命令・出勤・出張等の簿≒・書類、預貯金通帳及び証書・振込依類書・入出金伝票、名刺、書留手紙、金銭出納帳、手形・小切手などの有価証券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類、キャッシュカード・キャッシュカード利用明細書、日記・メモ類、その他書類・用紙類
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    ワープロ及びフロッピー、借入書痕・伝票・用紙類・簿冊、名刺、金銭出納帳、手形・小切手などの有価証、券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類、メモ類、その他書類・用紙類。(被疑者の珈琲ぶれいく、自宅等)
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    ワープロ及びフロッピー、借入書類・伝票・用紙類・簿冊、勤務命令・出勤・出張等の簿冊・書類、預貯金通帳及び証書・振込依頼書・入出金伝票、名刺、書留手紙、金銭出納帳、手形・小切手などの有価証券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類、キャッシュカード・キャッシュカード利用明細書、日記・メモ類、その他書類・用紙類。(社会教育課)
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    公印使用簿、決裁関係書類、簿冊、名刺、金銭出納帳、その他書類・用紙類。(秘書課)
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    ワープロ及びフロッピー、借入書類・伝票・用紙類・簿冊、金銭出納帳、手形・小切手などの有価証券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類、メモ類、その他書類・用紙類。(財政課)
別紙
 差押えるべき物
   本件に関係ある
    ワープロ及びフロッピー、借入書類・伝票・用紙類・簿冊、勤務命令・出勤・出張等の簿冊・書類、預貯金通帳及び証書・振込依頼書・入出金伝票、名刺、書留手紙、金銭出納帳、手形・小切手などの有価証券、見積書・注文書・納品書・請求書・領収証・契約書類、キャッシュカード・キャッシュカード利用明細書、日記・メモ類、その他書類・用紙類。(都市計画課)
別紙
  事実
 被疑者は、安中市役所建設部都市計画課の主査として勤務し、安中市土地開発公社(理事長小川勝壽)の職員も併任して、右公社が行う用地の取得・用地交渉・契約事務等に従事していたものであるが、右公社が、同公社の事業資金の融資を群馬銀行安中支店から受けていることを奇貨として、融資名下に金員を騙取しようと企て、平成七年三月二〇日ころ、群馬県安中市安中一丁目二三号所在の右都市計画課内において、同課備付けのワープロを使用して、借入金額が「9,612,000円」となる正規な「公有地取得事業資金借入について」の理事長名の依頼書を作成し、必要な決裁を受けた後、行使の目的をもってほしいままに、右同様な方法で、新たに借入金額が「259,612,000円」となる安中市土地開発公社理事長小川勝寿名義の依頼書を作成し、理事長小川勝寿名の横に同課保管にかかる「安中市土地開発公社理事長印」と刻された同理事長の公印を盗捺し、もって、同公社が群馬銀行安中支店に対し、公有地取得時取得資金の借入について依頼する旨の同公社理事長作成名義の公文書である依頼書一通を偽造したうえ、そのころ、安中市安中三丁目一九番二三号所在の群馬銀行安中支店において、同店融資担当の栗田繁樹に対して、融資の申込みを行うに際して、右偽造にかかる依頼書が真正に作成された公文書であるがごとく装って、提出行使し、更にそのころ、右都市計画課において、融資を受けるに必要な借入金額が「九百六拾壱万弐千円」となる正規な理事長名の金銭消費貸借契約書を作成し、必要な決裁を受けた後、行使の目的をもってほしいままに、あらかじめ入手しておいた金銭消費貸借契約証書の用紙を使用して、住所・借主欄に「群馬県安中市安中一丁目23番13号、安中市役所ない、安中市土地開発公社、理事長小川勝寿」、住所・保証人欄に「群馬県安中市安中一丁目23番13号、安中市長小川勝寿」とそれぞれゴム印で記入し、金額欄の空欄に「弐億五千九百六拾壱万弐千円也」、使途欄に「公共用地取得資金及び事務費」、最終弁論期間の空欄に「123 31」、弁済方法欄に「期日一括返済」、証書作成日欄の空欄に「7 3 31」などと、それぞれペンで記入した上、理事長名小川勝寿の横に、同課保管にかかる「安中市土地開発公社理事長印」と刻された同理事長の公印を盗捺し、さらに同秘書課において、安中市長小川勝寿名の横に、情を知らない同課員をして、「群馬県安中市長之印」と刻された安中市長の公印を押印させ、もって、同公社が群馬銀行安中支店に対し、融資を受けるために提出する安中市土地開発公社理事長及び安中市長作成名義の公文書である金銭消費貸借契約証書一通を偽造したうえ、同年三月三一日、右群馬銀行安中支店において、右栗田に対し、右証書が真正に作成されたもののごとく装って、知恵出行使し、二億五九、六一万二、〇〇〇円の融資金の振込みを依頼し、同人をして、その旨誤信させ、即時同所において、融資名下に二億五、〇〇〇万円を被疑者開設の同支店の安中市土地開発公社、理事長小川勝寿特別会計名義口座に、九、六一二、〇〇〇円を安中市土地開発公社開設の同支店の安中市土地開発公社理事長小川勝寿名義口座にそれぞれ振り込ませて、これを騙取したものである。
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