市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

1400万円かけた修理直後の虎の子EF63の脱輪事故で信頼回復が急務の碓氷峠鉄道文化むら(その1)

2012-09-01 23:22:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■平成24年7月24日に、碓氷峠鉄道文化むらでトロッコ列車と同一線路を使用しているEF63形電気機関車の運転体験車両が故障し、線路上で立ち往生したことが、同施設のHPで報告されました。この関係で、7月31日までにレール復旧工事が突貫工事で行われ、トロッコ列車は8月1日から運行再開となりました。夏休み中のかきいれ時に起きたこの脱輪事故と、同施設の運営を安中市が委託している碓氷峠交流記念財団について、調べてみました。

 始めに7月24日に発生したEF63形電気機関車の脱輪事故について報告します。
■この事故に関して、鉄道文化むらのHPには7月24日から次のメッセージが掲載されました。

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EF63形電気機関車運転体験に関するお知らせ 2012-07-24
7/24に運転体験用のEF63が本線上で故障し、立ち往生してしまいました。現時点で復旧の見通しが立っておらず、運転日が近いお客様から順にメールまたはお電話にてご連絡させていただいております。7/25に業者が入り復旧がいつ頃になるかわかると思いますので、わかり次第こちらに状況を掲載させていただきます(運転日の2日前の17時までにメールまたは電話連絡をいたします)。体験者の皆様にはご迷惑をお掛けいたしまして、大変申し訳ございません。
【7/27追記】
現在も復旧作業が続いておりますが、7/28(土)までは運転体験中止が確定いたしました。7/29(日)の運転体験ができるかどうかは、本日夕方、または明日朝に確定いたします。
【7/27 16:00追記】
現在も復旧作業が続いておりますが、新たにレールにも不具合が発見されたため、7月いっぱいの運転体験中止が確定いたしました。7/28・29・30にご予約いただいてる方々につきましては、メール(または電話)にてご連絡させていただいております。ご迷惑をお掛けいたしまして大変申し訳ございません。
【7/29追記】
7/30・31にレールの工事を行い、8/1からは運転体験ができるようになる見込みです。
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 このEF63形機関車は24号機ですが、実は、広報あんなか2012年7月号のページ20で「EF63形電気機関車の修復修理が完了」と題して、「5月30日(水)に、碓氷峠鉄道文化むらで運転体験遊具として使用しているEF63形電気機関車24号機の修復修理が完了し、出発式が行われました。当日のテープカットには、ゲストとしてぐんまちゃんも駆けつけてくれました」と安中市民に、大々的に報じられたばかりでした。http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/pdf/pdf2407/P20.pdf

 それから僅か55日目に、虎の子のEF63は、はやくも脱輪して故障してしまったのです。

■当会では、5月30日までに行われたEF63形電気機関車の修復修理の内容と費用、そして7月24日に発生した脱輪事故の様子について、情報公開を通じて関連情報を申請していました。その結果、脱輪事故については、同財団から8月8日付で岡田市長に事故報告書が提出されていたことが判明しました。その内容を次に示します。

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【市役所内の本件に係る回議用紙】
年度    平成24年度
文書種類
文書番号  安松支地第814号
保存年限  5年
受付年月日 平成24年8月9日
保存期限  平成30年6月1日
起案年月日 平成24年8月9日
廃棄年度  平成30年度
決裁年月日 平成24年8月15日
分類番号  大6 中3 小1 簿冊番号9 分冊番号3
施行年月日 平成  年  月   日
完・未完別
簿冊名称  碓氷峠交流記念財団書類
完結年月日 平成  年  月   日
分冊名称  碓氷峠交流記念財団庶務の綴
公開    ○開示 不開示 部分開示  存否応答拒否
起案者   松井田支所 地域振興課 商工観光係 職名 課長補佐 氏名 堀米純 内線(  )
決裁区分  市長
印欄    市長・岡田 部長・駒井 課長・新井 係長・堀米 係・-  公印・-
関係部課合議 商工観光課長・小林  松井田支所長・荒川
課内供覧
宛先
差出人
件名  EF63形電気機関車24号機脱輪事故報告について
財団法人碓氷峠交流記念財団より、平成24年7月24日に発生した事故報告並びに今後の対応について別紙のとおり報告書が提出されましたので報告いたします。

【財団理事長から8月8日付市長宛の報告書送り状】
                    碓 交 財 発
                    平成24年8月8日
安中市長 岡 田 義 弘 様
                 財団法人 碓氷峠交流記念財団
                 理事長 上 原 有 一
EF63形電気機関車24号機脱輪事故報告ついて
 平成24年7月24日 碓氷峠鉄道文化むらで動態保存しているEF63-24号機の試運転中に脱輪事故が発生し、多大なご迷惑と損失をお掛けし誠に申し訳ございませんでした。
 ここに、事故概要並びに今後の対応についてご報告申し上げます。
また、再発防止に向けて必要な手立てを講じ、一層の安全運行に努めますので今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます。

【EF6 3形電気機関車24号機脱輪事故報告書】
       財団法人 碓氷峠交流記念財団
事 故 報 告 書

1 事故の状況

1.1 事故の概要
・発生日時、天候
 平成24年7月24日(火曜日)16時40分頃  天候:晴れ
・発生場所
 EF63形電気機関車保存運転線(トロッコ列車運行線)
 <脱輪した場所>
 EF63形電気機関車出発地点から約41mのトロッコ列車線との分岐器上
・脱輪した車両
 EF63形電気機関車 24号機  一軸及び二軸の左右四輪
・負傷者
 な し
・状 況
 24日 休園日に24号機を翌日から使用するため、保存運転線(出発地点)のピットで終日点検整備調整を行っていた。(作業従事者 3名)
 16時30分過ぎ、作業が終了したので点検のための試験走行(機関車の単機・乗車3名)を行うとき、三軸の左側車輪に転動防止のためかけていた鉄製スコッチ(手歯止め・輪止め)を外すのを忘れたため、二軸の車輪でスコッチを押しながら動いた。
 40mほど走行し、トロッコ線との分岐器でスコッチが挟まり、そこに押していった二軸の車輪が乗り上げたことにより、二軸及び一軸の車輪が脱輪した。
 走行速度 7~8 km/hで進行、車体が横揺れしたと同時にノッチオフとともに停止させた。レール上の痕跡から二軸は乗り上げた地点から9mほど進行し停止したと推計される。

1.2 車両の状況
・事故後の停止位置
 機関車の事故後の停止位置は、出発地点から約46mであった。
 脱輪は一軸及び二軸の四輪で、ともに進行方向右側に脱輪した。
 三軸及び四軸の左側の車輪は、線路から浮いていた。
・車両の損傷状況
 第一台車のモーターを固定するボルト3本が折れて脱落、空気管の一部が押されてつぶれている。第一台車下部の数か所に打痕が見られる。

1.3 軌道の状況
・レール上の車輪痕跡
 脱輪した付近の両側のレールの上面には、出発地点から42m付近に約50cmにわたり、車輪のフランジによる走行痕が認められる。
 同付近の分岐器手前の進行方向左側のリード線(レールの繋ぎ目を結ぶ銅線)が、スコッチにより削り取られている。
 レールの横のゆがみ(軌間で約1cm)が認められた。(※)
 復旧後の線路点検整備によると、脱輪により生じるであろう走行痕、打痕、擦傷痕は枕木には認められなかった。
 線路のゆがみは、事故前から生じていた可能性が高いとのことであった。
2 事故原因
・転動防止用のスコッチ(手歯止め・輪止め)を外すのを忘れた人的ミス
 休園日を利用し、保存運転線のピットでEF63形24号機の整備修繕を行い15時頃作業が終わったが、その後、ブレーキ関係の部品交換を行うことになりブレーキ用のエアーを抜くため、転動防止に進行方向左側三軸(中間台車の―軸・横川方に)の車輪に鉄製スコッチをかけておいた。作業終了後、空気圧力計の作動を確認するため試運転を行うことになり、機関車を発進させた。その時、かけておいたスコッチを外し忘れたため二軸の車輪がそのスコッチを押しながら約42m走行し、分岐器のレールに挟まったところを押して行った車輪が乗り上げ、二軸そして一軸の車輪が進行方向右側に脱輪したと推測される。


【写真】事故現場
【図】EF63横断図

3 復旧作業
・24日    17時頃 業者(司機工)に復旧作業を依頼
 25日    復旧機材調達、復旧作業準備
        JR東日本㈱高崎支社高崎車両センターに依頼・・借用
 26~27日 司機工㈱による復旧作業  文化むら研修担当職員指導・立会
 28日    24号機を文化むら留置線(臨時駐車場脇)に留置
 30~31日 線路(分岐器)点検、整備作業
 8月1日   試運転後 通常運行再開  線路路肩転圧・整理作業(午前中で終了)

4 参 考

4・1 事故後の対応
・EF63形電気機関車運転体験及びトロッコ列車の運行中止
  24日事故発生後、予約者及び団体(観光業者)に連絡
   運転体験者及びトロッコ列車団体予約の解約手続き
     運転体験者  当初 27日まで  その後 30日までに変更
  トロッコ列車(予約25~28日 7団体) 28・29日の通常運行
    団体のうち入園キャンセル 2団体
    その他の入園団体には代替に2フィート乗車を提供
 ※損失金額  EF63運転体験          約370,000円
        トロッコ列車予約          約132,000円
        トロッコ列車通常運行(2日間) 推計 620,000円
             合  計        1,122,000円

4・2 今後の対策
・作業マニュアルの見直し
  新たに次のとおり、マニュアルを変更することとする。
  ①検修ピットで作業を行うときは、転動防止として機関車の手ブレーキを使用する。(運転席に「手ブレーキ」使用中の札を掲示)
  ②スコッチを使用するときは「スコッチ使用中」の札を掲示する。
  ③運転席から離れていて再度運転するときは、毎回スコッチの有無を確認する。
・スコッチ(手歯止め・輪止め)の改善
   車止めを鉄製・木製から「プラスチック製」(乗り上げた場合は潰れ、脱輪しにくいもの・・既にJR等鉄道事業者で使用)に変更する。
  これは、2フィート列車にも適用できる。
**********

■この報告書によれば、事故発生の日時と場所は記載が有るものの、誰が運転していたのかが明記されていません。「乗車3名」とあるので、1名ではなく3名がそれぞれ作業を分担していたようにも見えます。そして、事故の原因は、点検中、機関車が不意に動き出さないようにスコッチとよばれる「輪止(わど)め」或いは「手歯(ては)止め」がセットしてあったが、点検終了後、運転再開する際に、それを外し忘れたまま、機関車を動かした為、トロッコ線との分岐点でスコッチが挟まり、車輪がそれに乗り上がって脱輪したと、あります。

 輪止めをセットした状態のまま、無理に機関車を動かすと、このように車輪が輪止めに乗り上げて脱線したり、空回りしたりして車輪やレールなどを破損させる危険があるのです。

 これを防止する為、使用中は運転台や車外などに「輪止め使用中」などと書いた表示板を掲示するのがプロの常識だということです。

■今回の事故では、3名の職員が乗車していたとみられる為、おそよ考えられない事故です。あるいは、普段から作業に対する緊張感が欠けていたのか、あるいは、ド素人の職員に運転させていたのではないか、という可能性も考えられます。なぜか、報告書では、その時誰がスコッチをセットし、誰が運転前のチェックをし、誰が運転レバーを握っていたのかが明記されていません。これでは、事故の責任の所在が分かりません。

 少なくとも、当時乗車して運転に関わっていた3名の職員には責任があったわけですから、きちんと報告書で氏名を明らかにして責任の所在を明らかにすべきです。さもないと、再発防止は望めません。

■当会が、上記の疑問について、鉄道文化むらの評議員をしている地域振興課長に質問したところ、「EF63の故障について、財団から上がったものを地域振興課のほうで起案した写しがこれ。再発防止策は最後に記載してあるとおり、JRのほうでも、やはり同じ事故があるという。だから、今JRなんかで使われているのは動き出すと割れるタイプ。文化むらで使っていた鉄製スコッチは、廃線になる前の当時の輪止めを使っていた。損傷修理は、今回の事故発生が、財団の管理運営上のものであるので、当然、財団のほうで費用負担をやってもらうことになっている。勿論、そんなにかからないと思うし、修理工事も、高崎のJR貨物にEF63形24号機を再び持ってゆく必要はなく、文化むらの構内で済ませられると思う。修理の金額はまだ見積が出てきていないので、分からない。」というコメントでした。

 しかし、今回の事故は、5月30日に華々しくテープカットしたばかりの24号機が55日目に遭遇した再度の損傷事故だったのです。

■EF63形(通称:ロクサン)24号機は、碓氷峠での粘着運転用に国鉄が開発し昭和37年に登場した客貨両用直流電気機関車の第四次車として、昭和52年(1977年)に四次車(22~25号機)のひとつとして製造されました。最終増備車として、最初は22号機、23号機のみ製造予定でしたが、昭和50年に発生した脱線転覆事故により大破して廃車となった5号機と9号機の充当として24号機と25号機が追加されたのでした。

 この由緒あるEF63形24号機は、JRの手から離れて、鉄道文化むらで11、12年ほど稼動していましたが、次第に不具合が頻発するようになりました。一方、JRでも、EF63形電気機関車を修理できる人材も高齢化で殆ど退社して、いなくなってきており、まだ、人材が高崎のJR貨物に残っているうちに、徹底的に修復修理をしておこうということになりました。

 修復修理といっても、重要な箇所は車体を駆動させる車輪や車軸のある台車部分なので、車輪の削正をはじめ、老朽化した箇所を全て点検し交換する作業です。

 従前の協議を重ねた結果、平成24年2月24日に、安中市長とJR貨物との間で、台車整備委託に関する契約が締結されました。費用は790万4320円(税込)で、履行期間は平成24年3月1日~同28日までとされました。契約内容は、本件記事の末尾を参照ください。

 一方、老朽化したEF63形24号機を、JR貨物の高崎機関区まで軌道上を移動させるのは、「車輪のフランジの磨耗などで、運転の安全が担保できない」という理由で、トレーラーによる道路輸送ということになりました。しかし、108トンもある車体を運べるトレーラーの調達は困難であり、上記のように走行に重要な部分は台車なので、車体の上部構造部と、下部の台車構造部を分離して、台車だけを高崎機関区まで運搬して整備し、車体の上部構造部分は、文化むらで塗装作業を実施することになりました。そのため、JRと関係の深い東京の司機工㈱と、台車の取外し、運搬、修理後の運搬、取付け、給与調整など、台車整備運搬委託に関する契約が、同じく平成24年2月24日に締結されました。費用は607万9500円(税込)で、履行期間は平成24年3月1日~同30日までとされました。契約内容は、本件記事の末尾を参照ください。

 なお、修理後の台車が文化むらに運入されてから、司機工による上部車体構造部に組み込む作業や、上部車体と台車を繋ぐブレーキ配管や各種配線作業が完了し、試運転が終わるまで、ずっとJR貨物の技術者立会いの下で作業が行われました。

■こうして、トータル約1400万円もの経費をかけて、すっかり若返った24号機でしたが、まさか55日後に、再び大怪我を負わされるとは、5月30日にテープカットをした岡田市長も想像できなかったことでしょう。

 ところで、この修理に要した約1400万円は、財団が負担したのかと思っていたら、なんと安中市が全額負担したそうです。なぜなら、JR貨物と司機工との業務委託契約書はいずれも岡田市長の名前で安中市が契約調印しているからです。

 というのは、鉄道文化むらにある機関車をはじめ、JRから平成9年に譲渡された鉄道車両は安中市の所有物となっているからだというのです。では、安中市が業者に支払った約1400万円は、いったいどこから工面したのでしょうか。

 財団の評議員で、松井田支所の地域振興課長によると、「きめ細やかな臨時交付金」という群馬県の交付金を修理費用に充当したとのことです。群馬県の交付金に対する、安中市の窓口は財政課だそうですが、生憎、直接話を伺う時間がなく、ネットで調べると、次のことがわかりました。

 この交付金の正式な名称は「地域活性化交付金(きめ細やかな交付金)」で、平成22年10月8日閣議決定されたもので、「新たな交付金を創設し、観光地における電線地中化等、地域の活性化ニーズに応じて、きめ細かな事業を実施できるよう支援を行う」とされ、平成22年度補正予算で2500億円が計上されたもので、総額のうち都道府県分800億円、市町村分1500億円について、第一次交付限度額を設定し、残りの200億円については都道府県から提出された実施計画をもとに、地域の実情に応じて都道府県に配分されました。ちなみに、このとき「地域活性化交付金(住民生活に光をそそぐ交付金)」も総額1000億円で同時に創設されています。

■こうして、一部交付金で賄えたにしても、約1400万円の公金を投入して、リフレッシュしたEF63形24号機が、かきいれどきの7月24日に戦列を離脱せざるを得なくなり、財団の報告書によれば、EF63運転体験キャンセル料約37万円、トロッコ列車予約キャンセル料13万2000円、トロッコ列車通常運行ストップ2日間で見込まれた逸失収入約62万円の合計113万2000円が、今回の事故による推定損失金額です。

 ところが、報告書には、EF63形24号機の脱輪によるレール等の補修と、司機工による脱輪現場での機関車台車の軌道上への復旧工事、そして24号機の受けた損傷箇所の修理に要した費用が記載してありません。

 このうち、24号機の受けた損傷箇所の修理費用は、前述の通り、見積依頼をしたものの、まだ見積が上がってこないのが現状とのことです。

■財団の担当者は、「これらの修理費用は財団負担となる」と語っていましたが、本来であれば、きちんと職務を果たしていれば起こりえない人的な要因が、事故発生原因ですので、きちんと責任の所在を明らかにして、担当職員にはそれなりのペナルティーを課すのが本来のありかたですが、どうやら財団では事故をあまり表沙汰にしたくない意図が見え隠れします。

【ひらく会情報部・この項つづく】

※参考情報

【安中市とJR貨物との業務委託契約書】
   業 務 委 託 契 約 書
1 委託業務の名称   EF63形電気機関車24号機台車整備委託
2 業務場所      碓氷峠鉄道文化むら、
            日本貨物鉄道(株)高崎機関区
3 履行期間      平成24年 3月 1日から
 -=          平成24年 3月28日まで
4 業務委託料     金 7,904,320円
    (うち取引に係る消費税及び地方消費税の額 金376,396円)
5 契約保証金     なし
 上記委託業務について、委託者 安中市 と受託者 日本貨物鉄道株式会社関東支社 とは、各々対等の立場における合意に基づいて、別添の条項により委託契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行するものとする。
 この契約の証として本書2通を作成し、当事者記名押印の上、各自1通を保有する。
   平成24年 2月24日
      委託者  住所 群馬県安中市安中一丁目23番13号
           氏名 安中市
              代表者 市長 岡田 義弘
      受託者  往所 東京都品川区東五反田1丁目11番15号
           氏名 日本貨物鉄道株式会社
              常務取締役 関東支社長 福島 義平

【安中市とJR貨物との業務委託契約約款】
  業 務 委 託 契 約 約 款
 (総則)
第1条 委託者(以下「甲」 という。)及び受託者(以下「乙」という。)は、契約書記載の委託契約に関し、契約書に定めるもののほか、この約款に基づき、別冊の設計書図面及び仕様書に従いこれをしなければならない。
2 前項の設計書図面・仕様書に明示されていない事項については、甲と乙とが協議して定めるものとする。
 (業務工程表)
第2条 甲は、契約締結後必要に応じて、乙に対し、委託業務(以下「業務」という。)工程表の提出を求めることができるものとする。
 (契約の保証)
第3条 (全文削除)
    〔注〕本条の規定は、契約の保証を免除したときは削除する。
 (監督員、主任技術者)
第4条 甲は、この契約の履行について、自己に代わって監督し、若しくは指示する監督員を定め、また乙は、業務履行の技術上の管理をつかさどる主任技術者を定め、それぞれ書面により通知するものとする。
 (権利義務の譲渡等)
第5条 乙は、本契約によって生じる権利又は義務を甲の承諾を得た場合を除き第三者に譲渡し4又は継承させてはならない。ただし、信用保証協会及び中小企業信用 保険法施行令(昭和25年政令第350号)第1粂の2に規定する金融機関に対して売掛債権を譲渡するときは、この限りでない。
 (再委託等の禁止)
第6粂 乙は、業務の全部又は大部分を一括して第三者に委託してはならない。ただし、あらかじめ書面により甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
 (業務内容の変更)
第7条 甲は、必要があると認めるときは、書面をもって乙に通知し、業務内容を変更し、又は業務の全部若しくは一部を一時中止することができるものとする。この場合において、業務委託料又は履行期限を変更する必要があるときは、甲乙協議してこれを定めるものとする。
2 前項の場合において、乙が損害を受けたときは、甲はその損害を賠償しなければならない。この場合における賠償額は、甲乙協議して定める。
 (履行期限の延長)
第8条 乙は、その責めに帰することができない事由により履行期限までに業務を完了することができないことが明らかになったときは、甲に対して、遅滞なくその理由を付して履行期限の延長を求めることができる。この場合における延長日数は、甲乙協議して書面をもって定めなければならない。
 (損害のために必要を生じた経費の負担)
第9条 業務の処理に関し発生した損害(第三者に及ぼした損害を含む。)のために生じた経費は、乙が負担するものとする。ただし、その損害の発生が甲の責めに帰する事由による場合においては、この限りでない。
 (検査及び引渡し)
第10条 乙は、業務が完了したときは、遅滞なく業務完了報告書を甲に提出しなければならない。
2 甲は、前項の報告を受理したときは、その日から起算して10日以内に当該成果品の検査を行わなければならない。この場合において、甲は、当該検査の結果を乙に通知しなければならない。
3 乙は、前項の検査の結果、補正を命じられたときは、遅滞なく当該補正を行い、再検査を受けなければならない。
4 第2項の検査に合格したときをもって、当該成果品の引渡しを完了したものとする。
 (履行遅滞の場合における違約金)
第11条 乙の責めに帰すべき理由により履行期限までに業務を完了することができない場合においては、履行期限経過後相当の期限内に完了する見込みがあるときは、甲は乙から違約金を徴収して履行期限を延長することができる。
2 前項の違約金の額は、業務委託料に対し、延長日数に応じ年3.3%の割合で計算した額とする。
 (委託料の支払)
第12条 乙は、第10条第2項の規定による検査の合格の通知を受けたときは、書面をもって業務委託料の支払いを請求することができる。
2 甲は、前項の規定による請求を受けたときは、その日から起算して30日以内に業務委託料を支払わなければならない。
 (一部完了部分の引渡し)
第13条 業務の一部が完了し、かつ、可分のものであるときは、甲は当該部分について引渡しを、乙は当該部分に対する業務委託料相当額を請求することができる。
2 前項の場合において、第10条及び前条の規定を準用する。
 (前払金)
第14条 (全文削除)
 (甲の解除権)
第15条 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。
(1)乙の責めに帰すべき事由により期限内に業務を完了する見込みがないと明らかに認められるとき。
(2)正当な理由がないのに、業務に着手すべき時期を過ぎても着手しないとき。
(3)前各号に掲げる場合のほか、契約に違反し、その違反により契約の目的を達することができないと認められるとき。
2 前各号の規定により契約を解除した場合において、甲に損害が生じたときは、乙はその損害を賠償しなければならない。この場合における賠償額は、甲乙協議して定めるものとする。
3 第1項の規定により契約を解除した場合において、甲は必要があるときは既済部分の引渡しを乙に請求することができるものとする。この場合、甲はその既済業務部分に対する業務委託料相当額を支払うものとし、その支払額は、甲乙協議して定めるものとする。
4 第14条の規定による前払金の支払いがあったときは、前項の規定による支払金額と前払金額とを差引き精算することとし、前払金額に残額があるときは、乙は利息を付して返還しなければならない。この場合における利怠り額は、その前払金額について、前払金支払いの日から返還の目まで、年3.3%の割合で計算した額とするものとする。
5 第1項の規定により契約が解除された場合においては、乙は業務委託料の10分の1に相当する額を違約金として、甲の指定する期間内に支払わなければならない。
 (乙の解除権)
第16条 乙は、次の各号のいずれかに該当する理由があるときは、契約を解除することができる。
(1)第7条第1項の規定により業務内容を変更したため、頭書の委託料が3分の2以上減少したとき。
(2)甲がこの契約に違反し、その違反によって業務を完了することが不可能となったとき。
2 前条第2項、第3項及び第4項の規定は、前項の規定により契約を解除した場合に準用する。ただし、前条第4項の規定のうち利息に閲する部分は、これを準用しない。
  (談合等不正行為があった場合の違約金等)
第17条 乙が、次の各号のいずれかに該当したときは、乙は、甲の請求に基づき、業務委託料(この契約締結後、業務委託料の変更があった場合には、変更後の業務委託料)の10分の1に相当する額を違約金として甲の指定する期間内に支払わなければならない。
(1)この契約に閲し、乙が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)第3条の規定に違反し、又は乙が構成事業者である事業者団体が開法第8条第1号の規定に違反したことにより、公正取引委員会が乙に対し、同法第7粂の2第1項の規定に基づく課徴金の納付命令を行い、当該納付命令が確定したとき。
(2)この契約に関し、乙(法人にあっては、その役員又は使用人を含む。)の刑法(明治40年法律第45号)第96条の3又は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律89条第1項若しくは第95条第1項第1号に規定する刑が確定したとき。
 乙が前項の違約金を甲の指定する期間内に支払わないときは、乙は、当該期間を経過した日から支払いの日までの日数に応じ、年3.3%の割合で計算した額の遅延利息を支払わなければならない。
  注〕本条の規定は、測量、建設コンサルタント業務、地質調査業務その他の請負契約について適用する。
 (秘密の保持等)
第18条 乙は、業務の処理上知り得た秘密を他人に漏らしてはならない。
2 乙は、前項に定めるほか、別記「個人情報取扱特記事項jに従い、個人情報を適正に取り扱わなければならない。
3 乙は、成果品(受託業務の履行過程において得られた記録等を含む。)を他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。
 (かし担保)
第19条 乙は、第10条第4項の引渡しの後に発見された成果品のかしを甲の指定する期限までに補修するものとする。
2 甲は、前項のかしの補修に代え、損害賠償の請求をすることができる。
 (業務の調査等)
第20条 甲は、必要があると認めるときは、乙に対して業務の処理状況について調査し、又は報告を求めることができる。
 (補則)
第21条 この契約に定めのない事項又はこの約款の条項.について疑義が生じた場合には、必要に応じて甲乙協議してこれを定めるものとする。

<別記>
  個 人 情 報 取 扱 特 記 事 項
 (基本的事項)
第1条 乙は、個人情報の保護の重要性を認識し、この契約による事務の実施に当たっては、個人の権利利益を侵害することのないよう、個人情報を適正に取り扱わなければならない。
 (秘密の保持)
第2条 乙は、この契約による事務に関して知ることができた個人情報をみだりに他に知らせてはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても、同様とする。
 (収集の制限)
第3条 乙は、この契約による事務を処理するために個人情報を収集するときは、事務の目的を明確にするとともに、事務の目的を達成するために必要な範囲内で、適法かつ公正な手段により行わなければならない。
 (利用及び提供の制限)
第4条 乙は、甲の指示かおるときを除き、この契約による事務に関して知ることができた個人情報を契約の目的以外の目的のために利用し、又は甲の承諾なしに第三者に提供してはならない。
 (適正管理)
第5条 乙は、この契約による事務に関して知ることができた個人情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他の個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じなければならない。
 (複写又は複製の禁止)
第6条 乙は、この契約による事務を処理するために甲から引き渡された個人情報が記録された資料等を、甲の承諾なしに複写し又は複製してはならない。
 (再委託の禁止)
第7条 乙は、甲が承諾したときを除き、この契約による個人情報取扱事務について、第三者にその処理を委託してはならない。
 (資料等の返還等)
第8条 乙は、この契約による事務を処理するため、甲から提供を受け、又は乙自らが収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等は、この契約完了後直もに甲に返還し、又は引き渡すものとする。ただし、甲が別に指示したときは、その指示に従うものとする。
 (従業者への周知)
第9条 乙は、この契約による事務に従事している者に対して、在職中及び退職後において、その事務に関して知ることができた個人情報をみだりに他に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないことなど、個人情報の保護のために必要な事項を周知するものとする。
 (立入調査)
第10条 甲は、必要があると認めるときは、乙がこの契約による事務を処理するに当たり、取り扱っている個人情報の状況について、随時調査することができる。
 (事故報告)
第11粂 乙は、この契約に違反する事態が生じ、又は生じるおそれのあることを知ったときは、連やかに甲に報告し、甲の指示に従うものとする。

<電気機関車整備委託 仕様書>
1.委託業務の名称
 EF63形電気機関車台車整備委託
2.委託概要
 碓氷峠鉄道文化むらで動態保存しているEF63形電気機関車は、文化むらの運転体験用車両として活用しているが、平成9年東日本旅客鉄道から譲渡されて以降は日常点検のみで、本格的な整備は行っていない状況である。
 碓氷峠の鉄道の歴史を伝える貴重な車両であるため、末永く動態を維持できるよう走行部分について車両点検修繕を実施するものである。
3.委託内容
 EF63形電気機関車24号機の台車整備(車輪削正、台車調整、給油、修繕等)
4.電気機関車の概要
(1)機関車名 EF63形電気機関車24号機
(2)台車形式 両端台車 DT125
        中間台車 DT126
(3)製造初年 昭和51年
5.委託期間
 契約期間 契約日から平成24年3月28日(予定)
6.修繕等概要
 台車等修繕の主な内容は下記のとおりとする。
 ・調査・・・・・・修繕に伴う調査
 ・車輪・車軸・・・焼鈍し、削正
 ・台車枠・・・・・磁粉探傷検査
 ・主電動機・・・・電動機(MT52)の整涼子面 価芯測定、研磨
          メガー絶縁測定、耐圧試験(状況により実施)
 ・サスペンション・サスペン給油具フェルト交換
  ユニット等   パット室上栓、下栓Oリング取替
          パット室内清掃、更油、点検窓パッキン交換
 ・ブラス‥‥・交換
 ・ギヤケース等・・フェルト交換
          ギヤコン交換(ハイマックスEL-P)
          給油秘文換
 ・制輪子・・・・・文化むら所有品と交換
 ・ブレーキシリンダー等・・点検及びパッキン交換(必要に応じて)
 ・オイルダンパ・・・上下動ダンパ(OD11A-1)4本及び
           左右動ダンパ(形式確認)については検査または交換
 ・空気ホース(2両分)・・BPホース及び双頭連結器用ホース(電車用)以外の車端ホース交換
 ・圧力計(2両分)・・k g/c㎡からパスカル表示へ交換
 ・車軸軸受け・・・・内部の清掃及び更油
           必要によりオイルシール交換
 ・台車清掃・・・・・台車周りの清掃
 ・その他・・・・・・委託範囲外で必要となる作業及び部品交換についてはその都度協議する。
7.その他
 台車整備の詳細については、管理運営委託者である(財)碓氷峠交流記念財団と協議調整のうえ実施するものとする。

【安中市と司機工との業務委託契約書】
  業 務 委 託 契 約 書
1 委託業務の名称  EF63形電気機関車台車整備運搬委託
2 業務場所     碓氷峠鉄道文化むら、
           日本貨物鉄道(株)高崎機関区及び大宮車両所
3 履行期間     平成24年 3月 1目から
           平成24年 3月30日まで
4 業務委託料    金 6,079,500円
       (うち取引に係る消費税及び地方消費税の額 金289,500円)
5 契約保証金    な し
 上記委託業務について、委託者 安中市 と受託者 司機工株式会社 とは、各々対等の立場における合意に基づいて、別添の条項により委託契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行するものとする。
 この契約の証として本書2通を作成し、当事者記名押印の上、各自1通を保有する。
   平成24年 2月24日
     委託者  住所 群馬県安中市安中一丁目23番13号
          氏名 安中市
             代表者 市長 岡田 義弘
     受託者  住所 東京都中野区沼袋2-14-9
          氏名 司機工株式会社
             代表取締役 鈴木正洋

<業 務 委 託 契 約 約 款>
※安中市とJR貨物との契約約款と内容が同一のため省略

<別記>
個 人 情 報 取 扱 特 記 事 項
※安中市とJR貨物との契約約款と内容が同一のため省略

<電気機関車整備委託 仕様書>
1.委託業務の名称
 EF63形電気機関車台車整備運搬委託
2.委託概要
 碓氷峠鉄道文化むらで動態保存しているEF63形電気機関車は、文化むらの運転体験用車両として活用しているが、平成9年東日本旅客鉄道から譲渡されて以降は日常点検のみで、本格的な整備は行っていない状況である。
 碓氷峠の鉄道の歴史を伝える貴重な車両であるため、末永く動態を維持できるよう走行部分について車両点検修繕を実施するものである。
3.委託内容
 EF63形電気機関車24号機の台車整備
 ・24号機・・・・台車取り外し、取り付け、中心塔給油調整
 ・24号機台車・・・・台車輸送(JR貨物 高崎機関区は搬出入)
4.電気機関車の概要
(1)機関車名 EF63形電気機関車24号機
(2)台車形式 両端台車 DT125
        中間台車 DT126
(3)製造初年 昭和51年
5.委託期間
 契約期間 契約日から平成24年3月30日(予定)
6.修繕等概要
 台車等修繕の主な内容は下記のとおりとする。
 ・ 調 査・・・・・台車取り外し、取り付け及び輸送に伴う調査
 ・ 台 車・・・・・文化むら駐車場内での台車の取り外し、取り付け
           車両、車体部分の保護
 ・ 台車中心ピン・・取り外し、清掃、給油、調整、取り付け
 ・ 台車輸送・・・・24号機の台車3台をJR貨物高崎機関区まで運搬
 ・ その他‥‥委託範囲外で必要となる作業および部品交換についてはその都度協議する。
7.その他
 台車整備の詳細については、管理運営委託者である(財)碓氷峠交流記念財団と協議調整のうえ実施するものとする。

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