■ナホトカ市には中心部と呼べる場所がありません。敢えて言えば、ナホトカ湾の西側に沿って、北から南に走るメイン道路であるナホトキンスキー大通りに面して建っている市役所や、その隣の市議会の建物のある場所かもしれません。市役所の正面の大きなロータリーを挟んで“考えるレーニン像”が椅子に座って、市役所と市議会の建物を見つめています。その背中には、ナホトカ港の石炭積出しヤードがあり、日夜、中国等に向けて貨物船に石炭を積み込んでいるクレーンの姿が見られます。
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↑ナホトカ市の行政中央市場にある建物。左から市役所庁舎、市議会建物、ビジネスセンター。ビジネスセンターは以前観光ホテルだったが改装後はオフィスビルとして使われている。↑
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↑市庁舎前のロータリーを隔てた講演にある“考えるレーニン像”。↑
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↑レーニン像の後ろから中央行政広場を見る。↑
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↑こんな結果になるとは、と銅像が思っているのかどうかは定かでない。↑
今回の取材では、この中央行政広場から、南に10分ほど歩いたところにあるナホトカ市創立記念碑の公園から右手に徒歩で5分ほどのところにあるホテル・リェント(Hotel Rent)に宿泊しました。宿泊料は1泊3000ルーブル前後ですが、部屋が広く、快適です。バスタブはなくシャワー室がありますが、狭いバスタブや、体にべったり張り付くカーテンもなく、ひろびろとシャワーが使えます。
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なお、ナホトカ市創立記念碑公園のそばには、「SAMURAI」という日本料理レストランがあり、いつも賑わっています。
■ここから、ナホトキンスキー大通りに沿って、さらに南に向かって15分ほど歩道を歩くと、途中、道路脇の海側には展望台があり、ナホトカ湾や対岸のアスタフィエフ岬を一望できます。また、山側には、第2次大戦の戦没者慰霊碑、舞鶴市との交流を記念する「友好の石」(1978年建立)、敦賀市との交流を記念する「友好の石庭」(1983年完成)があります。
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↑友好の石の前で遊ぶ家族。↑
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↑友好の石庭と東屋。↑
そして、さらに15分ほど歩いてゆくと、当会のブログでも何度も紹介したロシア正教のフラム・カザイスカヤ・ボージャ・マーチ(カザンの聖母教会)の金色に輝くタマネギ状の尖塔が見えてきます。
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↑大通りから見上げたカザンの聖母教会。↑
さらに15分ほど進むと、ホテル・ピラミッドの壁面と噴水が見えてきます。壁面には日本との姉妹都市がレリーフにして飾ってあります。ホテル・ピラミッドには地下にレストランがあり、平日はいつも空いていますが、ここのロシアを含むヨーロッパ料理は本格的で、種類も豊富で味も確かです。スペインで夏場いつも食べていたガスパッチョ・スープがメニューにあるので試してみたら、本場の味と遜色ありまでした。
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↑ホテル・ピラミドの壁にある日本との姉妹都市レリーフと歩道。↑
このホテルの隣に博物館があり、ナホトカの歴史を常設展示で紹介したり、市民のカルチャーセンターにもなっています。昆虫の入った琥珀展もここでやっていました。
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↑琥珀に閉じ込められた4千万~5千万年前の昆虫やクモ類の展示会がホテル・ピラミッドの隣の市立博物館で開催中。入場料150ルーブル(約375円)。↑
■この前の道を山側に上ってゆくと、サッカー場と野球場があり、その近くに白いエンタシスが特徴的な巨大な建物があります。ここは船員宮殿とよばれ、劇場としても使用されています。向かって右側には船員クラブがあり、ナホトカに来航した船員らがたむろして、情報交換のできるサロンが設えてあります。
ナホトカにもサッカーチームがありますが、まだ実力は今後の課題のようです。サッカー場、野球場からさらに山側に行くと、TSUNAMIという名前のボーリング場とレストランとバーを併設した施設があります。名前の通り日本料理もメニューにあります。これは昨年の3.11を契機に命名したのではなくて、それ以前からこの名前で営業しています。
■そこから海側に向かって、来た道より南側にある道を戻ると、DIAMONDというライブハウス兼レストラン施設があります。ここでは、毎週末、ロシアかくちからミュージシャンらが来てライブ演奏を行っています。日本食メニューも揃ったレストラン・バーも併設してあり、食事を取りながらライブ演奏を楽しめるため、毎週末は若者たちで賑わっています。
そこから海側に向かう通りには、第2次大戦後、シベリアに抑留された日本人が建てた建物が両側に続いています。ロシア人は、当時の日本人が建てた建物は丈夫なので、今でも評判がよいとのことです。それが、現在の自動車をはじめ、日本の各種工業製品の高評価に繋がっていると思います。
■再びナホトキンスキー大通りに出ると、海の神様のポセイドンの像のある公園に出ます。ここからホテル・プラミッド側の広場では、毎年12月になると豪華なクリスマス・ツリーが登場します。
ホテル・ピラミッドの前の通りを渡り、海側に下ると鉄道があります。そこを左に向かって少し行くと聖母教会の建つ丘の下あたりにチハオケアンスカヤ駅が見えてきますソ連時代、ウラジオストクが閉鎖都市だったためナホトカがシベリア鉄道の旅の出発地点だったころ、横浜からナホトカへ行く航路があり、大勢の貧乏学生にとって、欧州旅行の玄関口として、ここからモスクワに向かって列車に乗ったところです。
■さらに車で南に下ると、GUM百貨店や“文化と休息の公園”などがあり、湾の一番奥の通りの突き当たりの4ブロックほど手前の右側に行くと日本人墓地=追悼メモリアル施設があります。道の突き当たりを真っ直ぐ進むとホテル・ホリゾン(Hotel Ghorizon)があり、ここにも宿泊したことがあります。2004年ごろ竣工した新しいホテルで、YAMATOという日本食レストランや、トレーニング・ジムもあります。
このホテルの目の前がナホトカで一番大きなマーケットです。肉や野菜、果実、菓子、嗜好品などの食料品はもちろん、周辺のダーチャ(自家農園)で採れた有機農産物や蜂蜜などの販売屋台も連なり、衣料品、ゲーム機、おもちゃ、音楽や映画のDVDなども売っています。
■ここから湾と反対側の海岸に向かう山越えの道があり、日本海に面した海岸は砂浜や磯浜、岩礁など変化に富んだビーチとなっており、夏場は沿海州から夏のバカンス客が大挙押し寄せるリゾート地として、宿泊施設や別荘群があちこちにあります。当会の取材班が今回も尋ねたツングースもそのうちの一つです。
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↑ナホトカ郊外のツングースにある海岸。↑
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↑ツングースの海で夏場活躍した日本製の中古のマリンスポーツ機材も疲れを癒す。↑
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↑夏場観光客の乗馬の相手をして多忙だったツングースの馬たちもほっとひと時。↑
緯度の高いロシアでは、夏場の日光浴は貴重な健康維持の季節です。彼らは水温18度までなら海水浴をします。9月下旬がちょうどその分かれ目となり、ナホトカからウラジオストクに至る海岸線では、夏を惜しむかのように海水浴に興じる姿が、時々見られました。
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↑4人組のおばさまグループが海水浴に来ていた。↑
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↑海岸で今年夏の最後の水遊び。↑
しかし日に日に秋の気配は濃厚になり、9月26日から急に寒気が張り出して天候が悪化し、山の木々も急速に色づき始めました。
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】
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↑ナホトカ市の行政中央市場にある建物。左から市役所庁舎、市議会建物、ビジネスセンター。ビジネスセンターは以前観光ホテルだったが改装後はオフィスビルとして使われている。↑
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↑市庁舎前のロータリーを隔てた講演にある“考えるレーニン像”。↑
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↑レーニン像の後ろから中央行政広場を見る。↑
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↑こんな結果になるとは、と銅像が思っているのかどうかは定かでない。↑
今回の取材では、この中央行政広場から、南に10分ほど歩いたところにあるナホトカ市創立記念碑の公園から右手に徒歩で5分ほどのところにあるホテル・リェント(Hotel Rent)に宿泊しました。宿泊料は1泊3000ルーブル前後ですが、部屋が広く、快適です。バスタブはなくシャワー室がありますが、狭いバスタブや、体にべったり張り付くカーテンもなく、ひろびろとシャワーが使えます。
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なお、ナホトカ市創立記念碑公園のそばには、「SAMURAI」という日本料理レストランがあり、いつも賑わっています。
■ここから、ナホトキンスキー大通りに沿って、さらに南に向かって15分ほど歩道を歩くと、途中、道路脇の海側には展望台があり、ナホトカ湾や対岸のアスタフィエフ岬を一望できます。また、山側には、第2次大戦の戦没者慰霊碑、舞鶴市との交流を記念する「友好の石」(1978年建立)、敦賀市との交流を記念する「友好の石庭」(1983年完成)があります。
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↑友好の石の前で遊ぶ家族。↑
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↑友好の石庭と東屋。↑
そして、さらに15分ほど歩いてゆくと、当会のブログでも何度も紹介したロシア正教のフラム・カザイスカヤ・ボージャ・マーチ(カザンの聖母教会)の金色に輝くタマネギ状の尖塔が見えてきます。
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↑大通りから見上げたカザンの聖母教会。↑
さらに15分ほど進むと、ホテル・ピラミッドの壁面と噴水が見えてきます。壁面には日本との姉妹都市がレリーフにして飾ってあります。ホテル・ピラミッドには地下にレストランがあり、平日はいつも空いていますが、ここのロシアを含むヨーロッパ料理は本格的で、種類も豊富で味も確かです。スペインで夏場いつも食べていたガスパッチョ・スープがメニューにあるので試してみたら、本場の味と遜色ありまでした。
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↑ホテル・ピラミドの壁にある日本との姉妹都市レリーフと歩道。↑
このホテルの隣に博物館があり、ナホトカの歴史を常設展示で紹介したり、市民のカルチャーセンターにもなっています。昆虫の入った琥珀展もここでやっていました。
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■この前の道を山側に上ってゆくと、サッカー場と野球場があり、その近くに白いエンタシスが特徴的な巨大な建物があります。ここは船員宮殿とよばれ、劇場としても使用されています。向かって右側には船員クラブがあり、ナホトカに来航した船員らがたむろして、情報交換のできるサロンが設えてあります。
ナホトカにもサッカーチームがありますが、まだ実力は今後の課題のようです。サッカー場、野球場からさらに山側に行くと、TSUNAMIという名前のボーリング場とレストランとバーを併設した施設があります。名前の通り日本料理もメニューにあります。これは昨年の3.11を契機に命名したのではなくて、それ以前からこの名前で営業しています。
■そこから海側に向かって、来た道より南側にある道を戻ると、DIAMONDというライブハウス兼レストラン施設があります。ここでは、毎週末、ロシアかくちからミュージシャンらが来てライブ演奏を行っています。日本食メニューも揃ったレストラン・バーも併設してあり、食事を取りながらライブ演奏を楽しめるため、毎週末は若者たちで賑わっています。
そこから海側に向かう通りには、第2次大戦後、シベリアに抑留された日本人が建てた建物が両側に続いています。ロシア人は、当時の日本人が建てた建物は丈夫なので、今でも評判がよいとのことです。それが、現在の自動車をはじめ、日本の各種工業製品の高評価に繋がっていると思います。
■再びナホトキンスキー大通りに出ると、海の神様のポセイドンの像のある公園に出ます。ここからホテル・プラミッド側の広場では、毎年12月になると豪華なクリスマス・ツリーが登場します。
ホテル・ピラミッドの前の通りを渡り、海側に下ると鉄道があります。そこを左に向かって少し行くと聖母教会の建つ丘の下あたりにチハオケアンスカヤ駅が見えてきますソ連時代、ウラジオストクが閉鎖都市だったためナホトカがシベリア鉄道の旅の出発地点だったころ、横浜からナホトカへ行く航路があり、大勢の貧乏学生にとって、欧州旅行の玄関口として、ここからモスクワに向かって列車に乗ったところです。
■さらに車で南に下ると、GUM百貨店や“文化と休息の公園”などがあり、湾の一番奥の通りの突き当たりの4ブロックほど手前の右側に行くと日本人墓地=追悼メモリアル施設があります。道の突き当たりを真っ直ぐ進むとホテル・ホリゾン(Hotel Ghorizon)があり、ここにも宿泊したことがあります。2004年ごろ竣工した新しいホテルで、YAMATOという日本食レストランや、トレーニング・ジムもあります。
このホテルの目の前がナホトカで一番大きなマーケットです。肉や野菜、果実、菓子、嗜好品などの食料品はもちろん、周辺のダーチャ(自家農園)で採れた有機農産物や蜂蜜などの販売屋台も連なり、衣料品、ゲーム機、おもちゃ、音楽や映画のDVDなども売っています。
■ここから湾と反対側の海岸に向かう山越えの道があり、日本海に面した海岸は砂浜や磯浜、岩礁など変化に富んだビーチとなっており、夏場は沿海州から夏のバカンス客が大挙押し寄せるリゾート地として、宿泊施設や別荘群があちこちにあります。当会の取材班が今回も尋ねたツングースもそのうちの一つです。
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↑ナホトカ郊外のツングースにある海岸。↑
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緯度の高いロシアでは、夏場の日光浴は貴重な健康維持の季節です。彼らは水温18度までなら海水浴をします。9月下旬がちょうどその分かれ目となり、ナホトカからウラジオストクに至る海岸線では、夏を惜しむかのように海水浴に興じる姿が、時々見られました。
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↑4人組のおばさまグループが海水浴に来ていた。↑
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↑海岸で今年夏の最後の水遊び。↑
しかし日に日に秋の気配は濃厚になり、9月26日から急に寒気が張り出して天候が悪化し、山の木々も急速に色づき始めました。
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】