市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

伊勢崎市内で2月17日に盛大に開催された群馬県台湾総会新年会

2013-02-24 22:56:00 | 国内外からのトピックス
■台湾や中国は、新年を旧暦で祝います。今年は2月10日(日)が元旦でした。台湾では正月休みは1週間続きます。ことしはちょうど元旦が日曜日で正月休みが平日続いたため、例年になく盛大に新年が祝われたようです。我らが群馬県に在住する台湾出身者によって構成される群馬県台湾総会の新年会=新年盛会は、正月休みの最後にあたる2月17日(日)に伊勢崎で盛大に開催されましたので、その模様をご報告します。


 群馬県台湾総会による恒例の新年盛会は、2月17日(日)正午から伊勢崎市のプリオパレスで開催されました。今年は約110名のかたがたが参加して、賑やかに執り行われました。また、来賓として、台北駐日経済文化代表処の代表の沈斯淳ご夫妻、王・秘書、僑務課の文君妃・秘書、地元の五十嵐清隆・伊勢崎市長、山本龍・前橋市長、伊藤純子・伊勢崎市議、古賀友二・伊勢崎市国際交流協会会長、古澤朗夫・伊勢崎市民団体ICI21会長ら多数が出席しました。

■日本語、台湾語、中国語、英語を自在に操る林副会長の名司会により新年盛会がスタートしました。


 次に、余沢理事の開会の挨拶が日本語でありました。その中で、日台の経済文化交流の進展について触れられ、高校生同士の修学旅行の相互交流や、群馬県知事が昨年12月中旬に台湾の彰化県と台中市を訪問し、経済分野のパートナーシップ協定を結び群馬県の温泉など観光PRをしたことを紹介しました。


 続いて、オープニングを飾り、アトラクションとして前橋市の上増田町八木節会の皆さんによる八木節の演奏と演舞が行われました。後半の女性の歌い手は全日本八木節大会のチャンピョンということで、会場は美声に聞き惚れました。また、カラフルな菅笠等を使った振付も素晴らしいものでした。


■その後、群馬県台湾総会の頌彦会長の挨拶があり、昨年の会の行事に参加していただいた会員にねぎらいの言葉があり、また会に支援をしていただいている来賓への謝辞がありました。そして、国際交流や親睦会、地域での活動などを通じて引き続き会の活動を継続する決意が述べられました。最後に、「小さな集まりですが、日本における台湾の会の新春を迎える新年会を一緒に楽しんで頂きたいと思います」と結びました。


 続いて、来賓の挨拶として、台湾政府の台北代表処の沈代表による挨拶がありました。最初と最後に、現在学習中とご自分では言いつつも流暢な日本語での挨拶があり、メインの挨拶は中国語で行われました。挨拶の中で沈代表は、台日の関係が深化し、その具体例として台湾と日本の航空自由化協定(オープンスカイ)で、航空路線は350便に増えて、今年3月から高松市に新たに新路線が開設される予定で、今年の台日往復人数は300万人が予測されること、また今年もっとも希望しているイベントとして宝塚歌劇団が4月6日から14日まで台北で公演を予定していること、また現在、台湾の故宮博物館の宝物を日本で展示するための準備中であることなどが紹介されました。最後に、群馬県台湾総会に対して、毎年いろいろな活動を通じて台湾と日本との架け橋となっていることについて、慰労の謝辞がありました。


 次に、伊勢崎市の五十嵐清隆市長が壇上で挨拶しました。先月1月13日無投票で再選を決めたばかりの五十嵐市長は挨拶の中で、旧暦の新年会のために群馬県台湾総会の会員の皆さんが県下各地から伊勢先市に参集していただいたこと、台湾総会については平素より行政面で支援をしていただいていること、国際交流として日台友好親善に貢献していただいていること、伊勢崎市は外国籍の市民が多数おり、国数にして50数カ国、約1万人を超える外国籍の市民が生活していること、そのため、すべての皆さんが安心して仲良く暮らしていただくこと、そのため、伊勢崎市は数年前から外国人共生会議という組織をたちあげ、各国代表の皆さんからいろいろな意見を頂いていること、とりわけ伊勢崎在住の台湾総会のかたがたには積極的に共生会議に参加していただいていること、伊勢崎国際交流祭等でも参加いただいており、市民との絆を深めていただいていること、こうしたことはこれからももっと大事となるので引き続きご協力とご指導をお願いしたい、として温かい祝辞を述べていただきました。


 次に挨拶に立ったのは前橋市の山本龍市長です。「本日は台湾総会の盛会を心からお祝い申し上げます」と冒頭で挨拶をしたのち、山本市長は、2つの国の交流は国同士であるよりもまず、ひとつひとつのお付き合いだと思っていること、かつて台南市の市長として前橋市から羽鳥又男さんというかたが、生誕120年になるが、台南市長として活躍いただいたという昔からの縁があること、この縁を大事にしながらこれからも新しい台日友好の一つのきっかけとして前橋市民と台湾の皆さまが仲良くつきあえる機会になればよいと思うこと、本日は前橋市の八木節を拝見したがこれからも文化・経済・子ども同士のお付き合い、いろいろな面でのお導きを頂きたいこと、を祝辞を交えて述べました。


 その後、来賓としてあらためて沈代表夫妻及び幹部2名、伊勢崎市長、前橋市長のほか、伊藤伊勢崎市議、同市国際協力協会会長、同市ICI会長、そして先程素晴らしい演奏と踊りを披露していただいた前橋市上増田町八木節会の皆さまが紹介されました。

■いよいよ宴席となり、乾杯の音頭は伊藤純子・伊勢崎市議が行い、全員起立して「乾杯」を唱和しました。来賓席の伊藤市議は同じテーブルの沈代表夫妻とも中国語で会話をしていました。かつて中国の南京の大学に留学経験のある同市議は、現在では中国の軍拡や情報統制などを批判し、親台湾派の立場です。


伊藤市議の乾杯音頭に合わせて全員の「乾杯」のコールで祝宴開始。

台湾総会の会長夫妻と来賓のかたがたで記念撮影。

 その後、各テーブルで賑やかに歓談する光景が見られました。筆者もさっそく沈代表夫妻のテーブルにうかがい、自己紹介を兼ねて挨拶をさせていただきました。

各テーブルを回って乾杯の挨拶をする駐日代表夫妻。

 まもなく、アトラクションが始まりました。最初はハワイアンダンスのソロの演技が、日本の「涙そうそう」のメロディーに台湾語で歌った音楽に合わせて披露されました。踊り手は台湾総会の会員が習っているダンス教室の先生とのことです。


 次に、台湾の名曲「雨夜花(ウーヤーホエ)」の独唱を、同じく台湾総会の会員が習っているカラオケ教室の先生に披露していただきまーした。最初は見事な台湾語で歌っていただき、その歌唱力に場内は魅了され、皆さんが聞き入っていました。


■筆者が写真を撮っていたら、いつの間にか横に山本市長がiPadを持って写真を撮っていました。五十嵐市長は宴席開始直後に退席しましたが、山本市長は、このころまで会場内に残って、挨拶に回る一方、しきりにアトラクションをiPadで撮りまくっていました。そして、さっそくツイッターで発信していました。https://twitter.com/YamamotoRyu/status/303059979399725057/photo/1
 余裕あるその姿は、同日実施された前橋市議会議員選挙の投開票の結果、市長派議員が過半数を占めることを既に革新していたかのようでした。

 その後、今後は台湾総会の男性メンバー有志による、これまた台湾の名曲「望春風(ワンツンフォン)」の合唱が披露されました。これは、筆者も飛び入りで参加させていただきました。


 続いて台湾総会会員によるとんちクイズが行われました。台湾語でのなぞかけで、日本の芸能人や地名を連想させるゲームでした。これは日本人には難しすぎましたが、5問のうち2問を沈代表夫妻が正解し場内から拍手を浴びていました。

日本人には難解なとんちクイズ。さすが沈駐日代表が正解して賞品授与。

 その次は、台湾総会婦人部による恒例の台湾原住民ダンスが披露されました。衣装は台湾に現在10族以上ある原住民族のそれぞれの特徴を表したものです。台湾には台湾の総人口23,061,689人 (2011年)のうち約2%にあたる約49万人の現住民族がいます。

子どもたちも参加した台湾原住民族ダンス。

 このダンスの音楽は非常にノリが素晴らしく、会場から次々に飛び入りする人が現れ、とくに八木節会の皆さんは、八木節のテンポに似ていることもあり全員が参加していただきました。

八木節会の方々も飛び入り参加。

踊りを終えた後参加者が揃って記念写真。

 その後は、本庄市に在住の若手のアルパ(スペイン語でハープの意味)奏者による「ア・メリッサ」というラブソングの演奏が披露されました。いわゆる欧米のハープと異なり、持ち運びが容易なコンパクト型ですが、音響箱により非常によい共鳴音を奏でるのには驚きました。日本では男性のアルパ奏者は数が少なく、会場内は、その美しい音色に魅了されたためか、参加者は静かに聞き入っていました。奏者のかたは、小さいころからピアノ奏者になることを親に期待されていたそうですが、アルパの演奏を聴いてから、すっかりこの楽器の虜になり、現地に留学してまで演奏に磨きをかけたそうです。


 このあと、再び歓談となり、その後恒例のカラオケ大会が開かれました。





 それから、これまた恒例の子どもたちへのお年玉プレゼント(図書券入りの赤袋)と、お待ちかねの抽選会が行われました。

台湾で新年と言えば紅包(フォンパオ=お年玉のこと)。

台湾往復航空券2枚をはじめ豪華景品が並べられ恒例のお年玉抽選会。

祝福される往復航空券をゲットした参加者。

 最後に江夏副会長の閉会の挨拶で、平成25年、中華民国102年、西暦2013年の群馬県台湾総会の新年盛会が滞りなく行われたことが宣言され、日本と台湾との友好がますます発展することを参加者一同祈念して、散会となりました。

【ひらく会情報部】

※参考情報
■群馬県台湾総会2012年の歩み
2011年12月3日  忘年会
2002年2月5日   新年会
2002年2月10日  富岡国際交流台湾研修旅行(台湾台北東湖小との交流)
2002年8月26日  名誉会長加久裕士先生米寿祝賀会
2002年10月21日  第13回伊勢崎国際交流のつどい
2002年10月28日  第22回高崎国際交流の集い
2012年11月18日  前橋市富士見村出身の旧台南市長羽鳥又男公生誕120周年祈念会共催
2012年11月25日  日帰り旅行

【台湾新聞Taiwan News 2013年元旦号 東京発行 No.182】
沈斯淳駐日代表 2013年元旦祝辞
  台北駐日経済文化代表処
      代表 沈斯淳
 日本の友人の皆様、在日華僑の皆様、謹んで新年のお祝いを申し上げます。
 昨年5月30日に駐日代表に着任してから半年が経過しましたが、昨年を振り返りますと、経済・貿易、観光、文化交流などさまざまな面において大きな進展があり、台日関係の緊密さを改めて実感しています。
 昨年は、経済面では「台日産業協力推進オフィス」の開設や、「台日特許審査ハイウェイ(PPH)覚書」、「台日電機電子製品相互承認協定」、「台日産業協力架け僑プロジェクト協力強化に関する覚書」が調印されるなどの具体的な進展がありました。また、観光面では台日オープンスカイ(航空自由化)協定により、日本の石垣島、鹿児島、静岡、富山、函館、旭川、帯広、釧路などの地方空港と台湾を結ぶ航空路線が次々と開設され、昨年の台日間の往来人数は、一昨年の約250万人を大幅に超え、300万人に達する勢いとなりました。
 昨年は東シナ海の緊張が高まることもありましたが、台湾と日本は海を隔てた友邦であり、馬英九総統は昨年8月に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、争議を棚上げし、理性的な対話と共同開発を通じた平和的解決を呼びかけています。昨年11月には、第17回台日漁業会談開催に向けた予備会談が開かれ、今後も誠意と善意をもって協議を継統させていくことで一致しました。第17回台日漁業会談で具体的な成果が出るよう期待しています。
 今年、当代表処は、4つの目標に向かって邁進していく所存であります。第1は、台日間の産業分野における連携の促進です。昨年の日本企業の台湾への投資総額第4位でしたが、投資件数は第1位でした。これは、台日の中小企業間の連携が活発に行われていることの表れといえます。台湾の経済の主体は中小企業であり、日本の中小企業が台湾と連携して、中国大陸および世界のマーケットを目指すことは、お互いの強みを活かし、補完し合え、双方にとって有利なビジネスとなるでしょう。今年は、これらを基礎に引き続き「積み上げ方式」によって可能な部分から着実に、経済連携を深めてまいりたいと願っています。
 第2は、文化面での交流の促進です。今年4月に「宝塚歌劇団」の台湾初公演開催が決まり、「楚留香」を題材にしたショーが披露されます。また、台北の「国立故宮博物院」収蔵品の日本での展覧会も来年6月~9月に東京国立博物館、同10月~11月に九州国立博物館で開催されることも決定しており、それに向けた準備を進めてまいります。
 第3は、観光面における交流の促進です。現在、台日間は毎週350便のフライトがあり、今年は台湾から新潟と高松への定期便が就航する予定です。観光交流の緊密化を通じて、台日間の相互理解が深まるよう願っています。
 第4は、若者間の交流の促進です。企業、スポーツ、文化、教育、さまざまな分野における交流に力を入れていくほか、台日間の修学旅行を通じた交流が深まるよう期待しています。
 私は日本に着任以来、日本のさまざまな地方を訪問しました。そのなかで深く感動したことは、日本各地の皆様が、台湾に対して極めてよい印象を持っておられることでした。このような良好な信頼関係の基礎の上に、われわれは日本の各界と連携しながら、台日間のパートナーシップを強化し、共に努力し、お互いのさらなる発展を促していきたいと願っています。日本の皆様もぜひ台湾を訪れて、台湾のよさを肌で感じてください。
 最後に、中華民国(台湾)政府及び国民を代表し、台日間の一層の友好増進と皆様のご健康を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。
【台北駐日経済文化代表処 2013年元旦】

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