市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋市が関電工に建築許可を出した翌日開かれた第4回住民説明会

2016-08-31 21:13:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■赤城山南麓に放射能の2次汚染のリスクを抱えた年間8万トンの木質燃料を使ってバイオマス発電を行うという東電のグループ会社の関電工の発電施設設置計画は、住民の不安と懸念を払しょくしようとしないまま、必要な行政手続きが完了してしまいました。そのため住民側は、2016年3月27日に第3回住民説明会が開催された後、5か月間も説明をしないまま計画を進めようとする関電工に対してさらなる説明会の開催を要請していたところ、先日8月27日(金)13時から15時にかけて前橋市内のみやぎ公民館で説明会が再開されました。その概要を報告します。

 説明会に際して関電工から「8月26日付けで前橋市から建築確認申請の許可が下りた。9月着工の予定。良いブラントを造りたい。」と冒頭に説明がありました。

 関電工からの出席者は福本氏、田代氏、遠藤氏の3名でした。一方、住民側は「赤城山の自然と環境を考える会」「赤城南麓の環境と子供たちを考える会」及び当会のメンバーを含む約20名が出席しました。

 説明会における関電工と住民側とのやりとりの要旨は次のとおりです。

(1)関電工いわく「発電所の建築確認申請も合格、9月より工事スタート」。しかし、第3回住民説明会で示された日程とは大幅に相違しているので、住民側から最新版の日程の提示が必要だと申し入れた。特に工事時の騒音振動対策としての環境対策工事日程を至急開示するよう要求。

(2)住民側から、株式会社トーセンが新聞発表したみなかみ町貯木場について認識しているかと関電工に質したところ、関電工いわく「知らなかった」。これまでも住民側から、関電工の本バイオマス計画について、事業主体の関電工に「どこの森林から燃料調達するのか?どのような放射能測定をするのか?」と訊ねても、いまだに回答できないのは当然か。

(3)参加した市民団体から20項目ほどの改善要求をおこなった。

(4)上記(3)項には今後1回/月程度の打合せ開催を要求した。この中で放射能管理、プレス機による水分絞り出し、搾汁中の汚染物質の除去方法、井戸水への影響有無、騒音・振動等の環境管理及び監査チームについての議論し、これらを網羅した覚書について議論していくことを関電工に申し入れた。

(5)住民側の申し入れ事項に対して、関電工は、今回も従来と同じく「持帰り検討する」との回答を繰り返すにとどまった。関電工が言うには「9月5日の週に回答する」という。

■上記(2)については、7月28日付の日経新聞電子版に株式会社トーセンが、みなかみ町に1500トン/月(年間2万トンに近い)の燃料チップを関電工に供給する貯木基地を新設とありました。みなかみ地区は放射能汚染が群馬県内でも一番高いエリアの一つです。

 ところが、この重大な計画を前橋市苗ケ島における前橋バイオマス発電事業のパートナーである関電工はしらないというのです。まったく奇異に感じるほかありません。

■当会からの、「確認申請の書類をいつ前橋市役所に提出したか」との質問に対して、関電工の担当者は「確かお盆前」と答えました。申請書の日付けを知りたいため 当会から「申請書の頭だけでもコピーをくれないか。また、もし市役所から許可証の類が渡されているのならそのコピーも提示願いたい」と要求したところ、関電工側は言葉を詰まらせ、これまた「持ち帰って検討」と答え、明言を避けました。

 このことから、お盆前(8月10日前後)の申請書の提出で、約2週間後の8月26日に許可が下りるという、このスピーディさにはただただ驚かされるばかりでした。群馬県はもとより、前橋市長と関電工との官業癒着の実態をつくづく疑わざるを得ません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同有毒スラグ問題を斬る!・・・佐藤建設工業が群馬県より指名停止処分たったの1ヶ月!

2016-08-31 18:01:00 | スラグ不法投棄問題
■有害スラグの不法投棄を実行したと思われるブラック佐藤建設工業のことが、先日、新聞報道されましたので、お伝えいたします。

******2016年08月25日 朝日新聞 朝刊 群馬



佐藤建設工業を指名停止 /群馬県
 大同特殊鋼渋川工場から有害物質を含む鉄鋼スラグが排出された問題で、産業廃棄物処分業などの許可を取り消す行政処分を受けた佐藤建設工業(渋川市)に対して、県は13日から1カ月間、県発注の建設工事や物品・役務調達について指名停止にした。12日付。
**********

 そこで群馬県のホームページを確認してみると、公表している平成28年度建設工事請負業者等指名停止一覧に確かに佐藤建設工業が追加されました。こちらの青いURLをクリックしてご確認ください。↓↓
http://www.pref.gunma.jp/06/h8000278.html



■該当部分だけを抜き出してみると、次のとおりとなっています。

○業者名    (株)佐藤建設工業
○所在地   群馬県渋川市小野子1579
○許可番号  10-008821
○指名停止期間  平成28年8月13日から平成28年9月12日まで(1か月)
○指名停止理由  不正又は不誠実な行為

このように、不正又は不誠実な行為をしたとして、1か月の指名停止となっています。指名停止とは、その期間中建設工事の入札に参加できない事を意味します。それにしても嘆息を禁じ得ません。あれほど酷い法令違反行為をしておきながら、たった1か月仕事が取れないだけの
何と軽い処分なんでしょう~。

■佐藤建設工業は8月3日付けで、その有する産業廃棄物の許可を取り消される行政処分を受けました。詳しくはこちらをご覧ください。↓↓
【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・群馬県が佐藤建設工業の許可を取り消し!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2095.html

 今回の指名停止理由は、「不正又は不誠実な行為をした」となっていますので、「産業廃棄物の許可を取り消される行政処分を受け、しかも有害スラグが入っているのに天然石だと嘘をついたり、正規の再生砕石だと嘘をついたりして、世間をダマしながら詐欺販売を行ったのに、たった1か月の指名停止処分というのです。

 なぜこのように軽い処分なのでしょうか?

 例えば、伊勢崎の贈賄事件を理由とする指名停止期間は3か月です。他方、群馬県中をフッ素まみれにした特別管理産業廃棄物の不法投棄および詐欺事件では、指名停止1か月です。しかも、理由はどうあれ、群馬県は佐藤建設工業を刑事告発しているのに・・・なのです。

 このような軽い処分は、群馬県庁の根幹を担う県土整備部の方々が、佐藤建設工業とお仲間なのではないか?と疑惑の目で事件を整理するとスッキリ理解できてくるのではないでしょうか?

■群馬県は佐藤建設工業を刑事告発しているのです。環境部局が佐藤建設工業の産業廃棄物の許可を全て取り消したように、他の部署も建設業の許可や天然石採取の許可を全て取り消すべきです。その上で佐藤建設工業が請け負った全ての工事のやり直しを命じ、有害スラグを全て撤去させるべきです。指名停止1か月などと、ふざけた軽い処分を目の当たりにしたとき、官業癒着の闇が隠れていることを実感してなりません。

 有害スラグと天然石を混合したインチキ砕石が、「正規の再生砕石と同等だ」とする、隠しても隠し切れない○○の証拠にもなりうる痛恨の「監理課通達」なども、現実すべき事項として我々住民の目に焼き付いています。

■我々住民が求めているのは、次の3点です。

1 天然石採取の許可の取り消し 及び 
2 建設業の許可の取り消し、そして
3 有害スラグの完全撤去

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1 指名停止期間
**********2016年3月9日朝日新聞 群馬
渋川市の運動場造成した業者
「信用に傷」市に損賠提訴

 渋川市北橘町の運動場造成工事でずさんな作業などがあったとして、工事のやり直しを市から求められていた藤井建設(同市北橘町)が、「社会的信用を傷つけられた」として、市に約2千万円などの損害賠償を求める訴訟を前橋地裁に起こした。提訴は2月18日付。
 市は昨年10月、大雨で工事中の運動場の擁壁が崩れたのは、藤井建設が契約違反をして外部から土砂を持ち込み、粗雑な工事をしたためだと公表した。同社に工事のやり直しを求め11月には同社を1年間の指名停止にしている。
 しかし同社はその後、市に対し異議を申したてた。同社の代理人の弁護士は、土砂を搬入したのは契約違反ではなく工事を発注した市の指示だと主張している。工事の内容も市が示した設計図通りで、擁壁崩落は市側の設計不備が原因だとし、工事をやり直す義務はないと訴えている。
 市の佐久間功総務部長は「訴状が届いてから対応を考えたい」と話している。
**********

※参考資料2
平成22年10月15日付の群馬県県土整備部監理課建設政策室長発出のブラック文書、いわゆる「監理課通達」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/kurashimanotice20101015.pdf
この通達は問題です。日本工業規格JISでは道路用鉄鋼スラグの環境安全性について8項目の検査を要求しているからです。しかも天然石と混ぜ合わせることなど認めていません。
*****【県建設政策室の通知】*****
                               監第647-003号
                               平成22年6月11日
県土整備部内所属長
土木事務所長    様
関係機関の長
              県土整備部監理課
                              建設政策室長 倉嶋敏明
砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)にクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材の取扱いについて(通知)
 本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。
 近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C-40及びC-100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS-40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。
 なお、土木事務所におかれましては、管内市町村への参考送付をあわせてお願いします。
                        記
1.砕石骨材(クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材は、積算基準(地区単価)、出来高管理基準、品質管理基準を再生骨材と原則同様に取扱う。
①構造物の基礎工及び裏込材:C-100とCS-40のブレンドした骨材はRC-100と同様に取扱う。
②車道用下層路盤工:C-40とCS-40のブレンドした骨材はRC-40と同様に取扱う。
③当初設計では構造物の基礎工及び裏込材(RC-100)、車道用下層路盤工(RC-40)で積算し、工事請負業者が実施工でブレンド材を使用した場合にも変更設計の対象としない。
2.CS-40がブレンドされていることから、ブレンドされる前のCS-40について下記の膨張性試験結果①を提出させる。(鉄鋼メーカーの試験成績表での代用も可とする。)
①品質管理基準及び規格値(ブレンドされる前のCS-40、使用1ケ月以内)
 下層路盤工:鉄鋼スラグの水浸(蒸気)膨張性試験1.5%以下
     (道路用スラグの呈色判定試験は電気炉スラグの場合は必要無し)
また、土壌汚染対策法における鉄鋼スラグに残留のおそれのある5品目についてブレンドした後の下記の②溶出・含有試験結果を提出させる。(骨材プラントの試験成績表での代用も可とする。)
5品目の溶出・含有試験結果(ブレンドした後、使用1年以内)
5品目成分名/土壌環境基準値【溶出量(mg/|)注1・含有量(mg/kg)注2】
六価クロム化合物  /  ≦0.05 ・≦250
セレン及びその化合物/  ≦0.01 ・≦150
鉛及びその化合物  /  ≦0.01 ・≦150
ふっ素及びその化合物/  ≦0.8  ・≦4,000
ほう素及びその化合物/  ≦1 ・≦4,000

※関連記事
**********東京新聞群馬版2016年8月30日
産廃関連許可取り消す
鉄鋼スラグ問題 県、扱った業者を

 大同特殊鋼渋川工場(渋川市)から出た有害な「鉄鋼スラグ」が公共工事で使われた問題で、県は廃棄物処理法に違反したとして、スラグを扱った佐藤建設工業(同市)が産業廃棄物に関して受けていた処分業、収集運搬業、処理施設設置の許可三件をいずれも取り消す行政処分をした。
 鉄鋼スラグは生成時に排出される砂利上の副産物。県によると、同工場は二〇〇二~一四年に約二十九万四千トンを出荷し、路盤材に使われた。県はスラグが同法に問われる産業廃棄物と判断している。
 処分理由は、大同特殊鋼から取り扱いについて委託を受けた佐藤建設工業は〇九年七月~一二年六月、同法の許可を得邸内スラグを運搬し、天然砕石と混合したとされる。同社は一二年七月~一四年一月にも、スラグを運搬したとされる。
 同社は取材に「担当者が不在のためにコメントできない」と話した。
 この問題を巡っては、県が一五年に両社などを同法に違反したとして刑事告発し、県警は今年四月に両社などを同法違反容疑で書類送検した。
(菅原洋)
**********

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