市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・西尾前校長の選任過程等を機構と文科大臣宛に情報開示請求

2017-08-14 23:09:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専の電子情報工学科を舞台に発生した陰湿極まるアカデミックハラスメント(アカハラ)事件。この忌まわしい事件に関連する情報公開請求に対して、群馬高専側が存否応答拒否を含む完全不開示決定をしたため、当会は異議申立てを経て1年ほどかかってようやく群馬高専側の存否応答拒否を引っ込めさせました。そこで再度、群馬高専側にアカハラに関する情報開示請求をしたのですが、またもや全面不開示処分とされてしまいました。当会は現在、群馬高専の上級機関である国立高等専門学校機構を被告として、不開示処分取消請求のための行政訴訟を行っています。その第5回口頭弁論が、2017年7月7日(金)14:25から東京地裁5階の522号法廷で開かれ、次回第6回口頭弁論は2017年9月1日(金)15:00から東京地裁5階522号法廷で開催予定です。
 前回弁論期日及びそれ以降の推移状況は次のブログを参照ください。
〇2017年7月14日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・7月7日第5回口頭弁論の模様
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2363.html#readmore
〇2017年7月19日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…7月7日第5回口頭弁論を踏まえた仕訳表と原告準備書面(4)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2367.html#readmore

八王子市東浅川町701-2にある国立高等専門学校機構の建物。8月14日は夏季休業中らしい。


 これまでの経緯で、2017年6月6日に当会と群馬高専の山崎新校長らとの面談を通じて、アカハラ事件の情報公開と原因者の処分にきわめて消極的だった西尾典眞前校長が、事件のけじめをつけないまま2017年4月1日に古巣の文部科学省に戻ったことについて、残念ながら、山崎新体制下においてもなお、同前校長の責任追及について不熱心であることが判明しました。山崎新校長は、深刻なアカハラ事件を振り返るよりも、今後はそうした不祥事を二度と起こさないという決意を強調されました。

 しかし当会は、アカハラ事件がなぜどのように起きて、学校側がどのような対応をしたことで、多数の被害者を生んでしまったのかをきちんと検証する必要があると考えております。その一因として、教育者としての経験を持たぬ文科省の官僚がなぜ国立高専の校長に就任できたのか、その選任過程を調べる必要があると当会は痛感しました。

 そのため、2017年6月6日の新校長らとの面談に際して、予めそのことを公開質問状として提出しておいたところ、山崎新校長らから次の説明がありました。面談内容は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月7日:【速報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンが1時間に亘り会合
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2337.html#readmore
〇2017年6月16日:【詳報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンの会合の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2344.html#readmore

*****高専の校長選任過程(2017.6.6面談記録抜粋)*****
部長:それからあと、えー、群馬高専の運営全般ということで、校長の任命とかですね、そういったところのご質問を頂いております。えーと、まずあのう、校長の任命につきましては、独立行政法人の通則法というのがございまして、こちらの規定でですね、高専機構の理事長が任命というふうに、まず決められてございます。
※独立行政法人通則法 ⇒ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO103.html

当会:ほう。

部長:はい。で、まあ、資格と言いますか、校長となるべき人間、というものでですね、高等専門学校設置基準、というものがやはり法律でございます。
※高等専門学校設置基準 ⇒ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36F03501000023.html

当会:ええ。

部長:で、こちらの中でですね、えー、まあ、高専の運営に関してですね、ちゃんとできる人間であるということ。まあ、言葉としては、人格が高潔、・・から学識に優れていること、・・から、運営に関して、ま、学校運営ですね、に関しまして指揮権を有すると認められる者と、いうことで、定められております。

当会:はい。

部長:で、まあ、この設置基準というのは国公立、私立含めまして基本的に同一でございますけれども、まあ、任命する人間はそれぞれ違いますが。

当会:はい。

部長:はい。で、高専機構ではですね、この設置基準を踏まえまして、まあ、組織の長としての管理運営能力ですとか、統率力、まあ、こういった事項にですね・・

当会:はい、どうぞ。統率力? えー、等々?

部長:はい。・・に優れた人材を、あのう、選考すると、いうふうに努めているところでございます。えーまあ、プロセスに関しましてはですね、やはりそのう、機構の理事長がですね、この人優れていると言ってもなかなか主観的な見方になってしまいますので、そういう意味からいろいろな関連機関ですね、高専であったり、大学であったり、行政機関であったり・・・から、候補者の推薦をお願いいたしまして、推薦された方に対してですね、選考委員会を設けまして、その中から理事長が任命をしている、というところでございますので。

当会:選考委員会は、その機構の中で、設置されているんですか?

校長:いえ、外部の人も入ります。機構の中のもちろん理事長とかも入りますけれども、それらを含めて選考委員会が形成されます。

当会:で、そこで、なんというかな。過半数の賛成があれば、ということですかね?

校長:まあ、そこはあのう、内部のことなので、どういうのか分からない。要するに選考委員会で、あのう、書類審査と面接審査を行うということです。

当会:じゃあ、山崎さんもそういうふうな面接書類を提出されて、晴れて・・・ね?

校長:まあ、そういうふうに、僕は審査を受けているということは確かでございます。

当会:どうぞ、お願いします。

部長:はい。それから、あと、前校長に関して、でございます。えーと、まずあのう、異動の理由というところでございますけれども、こちらはですね、あのう人事交流、という形で、群馬高専の校長に着任されておりまして、えー、交流元のほうでですね、えー、まあいろいろ調整がございまして、交流元への復帰をされたという・・・されました。

当会:うーん、なんか、噂によると、あのう文科省に戻ったという話しですね?

校長:交流元が文科省ですから、だから文科省に戻ったということです、はい。(笑)

当会:まあ、リーダーシップにおいては、不適格な方だと私らは率直に思っていますけれどもね。まあその辺は機構が選んだから機構の理事長とか、その、第3者を入れた選考委員会の手続きが、まあ、まずいんじゃないか、というふうに、今受け止めていますけれどもね。
(以下省略)
**********

■こうしたことから当会では、陰湿なアカハラ事件の真相のみならず問題の深層を明らかにして、2度と悲劇が起らないようにするための小さな一歩であると考えて、次の内容の文書開示請求書を、国立高等専門学校機構および文部科学大臣あてに提出することにしました。

*****機構宛法人文書開示請求書*****PDF ⇒ j.pdf
          法人文書開示請求書
                          平成29年8月14日
独立行政法人国立高等専門学校機構 殿

氏名又は名称: (法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
 市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢
住所又は居所: (法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
 〒379-0114群馬県安中市野殿980
  TEL:090-5302-8312
連 絡 先:(連絡先が上記の本人以外の場合は、連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
 〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸
  TEL:027-224-8567
 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり法人文書の開示を請求します。
              記
<1.請求する法人文書の名称等>
(請求する法人文書が特定できるよう、法人文書の名称、請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載してください。)
1、群馬工業高等専門学校「校報」第127号、129号及び131号のうち、教職員の異動者・退職者の氏名・事由等を記した人事関係欄。特に、公的性質の強い常勤教員に関する情報。
2、群馬工業高等専門学校の西尾典眞元校長に関し、平成25年に貴法人が彼を当該校に配置したことに関わる辞令等の一切の文書。特に、赴任当時に設定されていた任期に関わる情報。なお、この情報に関しては学校長の公的任務に関するものであり、公共性・公的性質が非常に高いものであることを付記する。
3、平成27年6月に弊団体が貴法人に提出した群馬高専におけるアカデミックハラスメント事件に関する文書への開示請求、およびそれを貴法人が不開示としたことに対し平成28年3月に総理府の情報公開・個人情報保護審査会が行った答申を受けて、貴法人が平成28年3月、群馬高専に最初に送付した、当該開示請求に対する十数枚に及ぶとされる処分決定書の原案。
<2.求める開示の実施の方法(本欄の記載は任意です。)>
ア又はイに○印を付してください。アを選択された場合は、その具体的な方法等は記載してください。
 ア 機構における開示の実施を希望する。
   (実施の方法)  ①閲覧   ②写しの交付  3その他(   )
   (実施の希望日) 平成29年8月31日
 イ 写しの送付を希望する。
<開示請求手数料>300円 ×  件
         円(振込の場合は振り込みを確認できる書類を添付願います。)
<決 定 期 限>平成  年  月  日
<※担当者職・氏名>(※印は記入しないでください。)

*****文科大臣宛行政文書開示請求書*****PDF ⇒ img_20170815bjitj.pdf
注:青字は文科省の情報開示窓口で担当職員がスタンプ及び手書きで付記した箇所
          行政文書開示請求書
                         平成29年8月14日
文部科学大臣 殿

氏名又は名称: (法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
 市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢
住所又は居所: (法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
 〒379-0114群馬県安中市野殿980
連 絡 先:(連絡先が上記の本人以外の場合は、連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
 〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸
  TEL:027-224-8567

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり行政文書の開示を請求します。
              記
<1.請求する行政文書の名称等>
(請求する行政文書が特定できるよう、行政文書の名称、請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載してください。)
貴省職員の西尾典眞氏に関し、貴省が平成25年、彼に独立行政法人高等専門学校機構への出向を命じたことに関わる辞令・人事異動内示等の一切の文書。特に、その当時設定されていた出向期限あるいは任期に関わる情報。なお、当該人物は出向後、群馬工業高等専門学校の学校長を務めていることから、この情報に関しては公共性・公的性質が非常に高いものであることを付記しておく。
<2.求める開示の実施の方法等 (本欄の記載は任意です。)>
ア又はイに○印を付してください。アを選択された場合は、その具体的な方法等を選択又は記載してください。
ア 事務所における開示の実施を希望する。
  <実施の方法> ① 閲覧  ② 写しの交付  3 その他(    )
  <実施の希望日>  平成29年8月31日                   
イ 写しの送付を希望する。
<開示請求手数料>(1件300円)ここに収入印紙を貼ってください。
<(受付印)> 文部科学省 29.8.14 文書情報管理室
※この欄は記入しないでください
<担当課>
<備 考>閲覧の上、どの程度写しを取るか決定する。
**********

■以上のとおり、文科省に対しては、西尾前校長の任命時の情報のみを求める形としてあります。

■他方、国立高専機構に対しては、これに加えて、現在隠蔽まっ最中の群馬高専「校報」の人事情報の公開を求めることにしています。事務職員や非常勤教員はともかく、公的性質の強い常勤教員の人事情報まで隠すのはどう常識に照らし合わせても不合理な話です。再度、山崎新校長と面談をして、改めて新校長の裁量による開示を求めても、前任者の西尾前校長が敷いたレールだからということで、埒が明かないまま時間のみ浪費させられる可能性が高いでしょうから、当会としては文書開示請求で効率的にケリをつけてしまった方が良いと考えたものです。

 また、人事情報の非公開化は、教員がアカハラで退職した事実を隠すのみならず、加害者側である雑賀教授が仮に逃亡(退職・転職)を図った場合、組織として護送船団方式で守る狙いがあると当会としては睨んでいることも、早期に決着をつけたい理由の一つです。人事情報の非公開化が理にかなっていないことを一刻も早く公的に証明することで、群馬高専にこうした不明朗な措置を止めさせなければなりません。

■さらに加えて、群馬高専におけるアカハラ事件に関する当会による機構への文書開示請求と、それに対する機構による不開示処分に関する内閣府の答申に対して、機構が作成したとされる処分決定書の原案の開示請求です。

 というのも、アカハラに関する情報開示請求について、内閣府から「文書を開示すべき」という答申が出たばかりの2016年3月の段階では、「十数枚に達する」原案が機構から群馬高専に送られてきていたというふうに群馬高専の関係者により証言されているからです。次のブログをご覧ください。
〇2016年3月24日:アカハラ問題の実態と学校側の対応とが分かる情報の早期開示を群馬高専に直訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1933.html

 ところが、現実に2016年4月の末に送られてきたのは、たった2枚(連絡先欄を除けば実質1枚)の不開示決定書でした。当然、たった紙1枚分の情報が、何故もとは十数枚もあったのか、という疑問に行き着くことになります。

■ここで一つの仮説を立てるならば、元々の機構の処分通知内容が、いささか最終的なものとは違っていたところを、「一切アカハラに関する情報を外部に漏らしたくない」とする強力な意向、すなわち官僚的な守秘体質に染まった西尾前校長の鶴の一声で、あの様な取り付くしまもない全面不開示処分と相成っていたのではないでしょうか。

 よしんばこの仮説が間違いであったとして、アカハラに関する情報の徹底的な不開示を決定したのは果たして誰か?(機構?それとも西尾前校長?) 決定はどのようなプロセスで行われたのかという責任関係を明確にしておく意味でも、この情報は明らかにしておくべきだと当会は考えました。

■この2件の文書開示請求書を携えて、当会は8月14日の午後2時過ぎに、国立高等専門学校機構のある八王子市東浅川町を訪れました。


JR中央線高尾駅。

JR線から京王線高尾駅へ乗り換え。↑

京王線高尾駅改札入口。


京王線高尾駅ホーム。


高尾の街風景。

狭間駅改札出口。

 東京駅からJR中央線特別快速の高尾行きで55分かけて高尾駅で下車し、連絡通路で隣接の京王線高尾駅に接続できます。ここで、高幡不動行きの各駅停車で一つ目の狭間駅に着きます。


木の枝で覆われてよく見えない東京工業高等専門学校と国立高等専門学校機構の標柱。

ひと気のない機構の建物と敷地。

 駅前の左手の道路を直進すると200mほどで信号機のない交差点に出ると、その向かい側に機構の建物がありました。どうやら東京工業高等専門学校の敷地に隣接しているようです。



 入口のゲートはしまっておりましたが、「ご用の方は受付まで」と書いてあるので、右側の行き止まりの道に歩を進めると新聞受けのある通用門らしき場所がありました。しかしここも蛇腹ゲートが閉まっています。機構の建物を見上げてよく見ると、明かりのついた部屋が見えません。さっそく以前電話をしたことのある中村職員(TEL:042-662-3120)に電話を入れたところ、呼び出し音が鳴り響くだけで、何の応答もありません。どうやら休みのようです。

 事前に確認すべきだったのかもしれませんが、機構のホームページにも夏休みのことはなにも記載が見当たりません。学校の現場では夏季休暇中であることは分かりますが、全国の国立高専を取りまとめる機構も現場の学校に合わせて夏季休暇中ということは、想定外のことでした。


機構の右側にある通用門。

仕方ないので通用門の郵便受けに開示請求書を投函。

 せっかくここまで足を運んだことから、とりあえず用意をした法人文書開示請求書を郵便受けに投函しました。開示請求手数料は、今回、前期のとおり3項目の情報開示請求をしていることから、1件300円×3件=900円になるのか、それとも、開示請求書1枚につき1件=300円なのか、窓口で確認したうえで提出することにしていましたが、機構が休みのようでしたので、とりあえず収入印紙は貼らないまま、投函しておきました。あとで、電話で確認したうえで、必要な収入印紙を貼ったものを郵送することにしています。


脇道の行き止まりは東京工業高専の裏口か。

東京工業高専の新築計画のおしらせ。

↑京王線狭間駅。↑

各駅停車で高尾駅まで戻る。

■そのあと、再び京王線で高尾駅に戻り、JR中央線に乗り換えて、東京行きの特別快速で東京駅に着きました。丸の内線霞ヶ関駅で下車をして、午後4時半ごろ文部科学省に向かいました。


文科省。

付近の案内図。

文科省入口。

案内板。

案内図。

新庁舎1階にのぼるエスカレーター。この上に文科省の受付窓口がある。

 文化庁とスポーツ庁が設置されている中央合同庁舎第7号館旧文部省庁舎の北側の入口を入ると、間もなくエスカレーターがあり、それを上ると文部科学省の受付があります。ガードマン2名がやってきて訪問票を記載して窓口に提出するように言われました。訪問目的は文書開示請求手続と記載し、訪問部署名を文書情報管理室と記しました。

 それを窓口に提出したところ、窓口嬢は「担当課に電話をするので、係員が来るまで、そこの待合スペースで待っていてほしい」と言い、3分ほど待機していると、まもなく担当職員がやってきて、1階奥の文書情報管理室に案内されました。

 さっそく行政文書開示請求書を取り出して提示すると、担当職員らは請求する行政文書の名称等の欄を熟読し、不備がないかどうかを確認している様子でした。そして「求める開示の実施の方法等(本欄の記載は任意です)」で①閲覧と②写しの交付について、「両方に〇がつけてあるが、これはどういう意味か」と質問を受けました。

 そこで当会は、「通常はどのような行政文書があるのか、閲覧で確認をし、その中から必要なもの、あるいはあるはずのものがないことを確認したうえで、写しの交付を受けるのが情報開示の手順だと認識しています」と答えました。すると担当職員は「予め開示資料を用意しておき、それが全部受領される場合は問題ないが、これは不要だとか、これはまだ足りないという場合は修正請求をしたり、審査請求をしたり、ということになるが、それでもかまわないか?」と念押しをしてきたので、「それで構いません」と答えました。


向かい側のJPビル1階で収入印紙を購入。

 開示請求手数料は1件ということで、支払いは収入印紙でしか認められないというので、一旦外に出て、道路の向かい側にある旧郵政省ビル(現・日本郵便JPビル)1階の郵便局で300円の収入印紙を購入し、それを貼った文書開示請求書を改めて提出したところ、問題なく受理されました。

■なお、担当職員に対して、「ところで、この西尾典眞氏は今年の3月末まで群馬高専の校長だったかたですが、4月からこちらの文部科学省に異動したことを同校新校長らからお聞きしました。こうした人事情報は、職員名簿などの発行物などで確認できるものでしょうか?」と質問をしてみました。

 すると担当職員は、「原則として課長職クラス以上の人事異動は新聞発表されており、それを見れば自ずとわかるはずだ」と答えました。当会は「それがいくらネットで検索しても見当たりません。なにか訳があるのでしょうか?」と尋ねたところ、担当職員らは返事に窮した様子でした。

 そのため「それなりに公表したくない事情がこの場合あると思われます。詳しく説明すると、今回の情報開示請求に対してもし変な影響が出ると困るので、敢えて説明しませんが、念のため、あとでもう一度新聞発表記事の有無を調べてみたいと思います」と当会から申し上げておきました。

 念のため、2017年4月1日付人事異動記事をチェックしましたが、西尾典眞・前校長の人事異動に関する報道記事は見つかりませんでした。

 西尾典眞・前校長の年齢は不詳ですが、これまでの経歴は次のとおりです。
 ・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部長
 ・文部科学省研究開発局・地震・防災研究課長
 ・日本私立学校振興・共済事業団参与
 ・信州大学医学部付属病院・理事
 ・信州大学環境マインド推進センター副センター長・理事
 ・国立特別支援教育総合研究所・理事
 ・群馬高等専門学校長

 サイト情報によれば、文部科学省では省庁再編後、事務系・技術系・施設系の3つに分けてI種採用が行われるようです。事務系と技術系は旧文部省・旧科学技術庁の事務官(理系出身の者を含む)の流れを汲むもので、官庁訪問の窓口は、官房人事課の各担当になります。昇任昇格はほぼ対等で、入省3〜4年で係長級、7年で課長補佐級、17年で企画官、22年前後で課長級となります。この間、係長級の段階で海外留学へ、課長補佐級になる段階で国立大学の部長や各地方公共団体の教育委員会の課長として出向する場合があり、他省庁への出向もあります。

 従来、I種採用者は本省課長までは同期が対等に就くことができましたが、省庁再編による課長クラスの減少で、課長補佐・企画官の段階で外部への出向を兼ねてフェードアウトするケースが出てきています。なお、最近ではI種新採用者が減少しているため、I種採用者が係員のまま(昇任せずに)係長の席に就くケースや、従来I種採用者の係員・係長がいた席(主に各課の法規・企画ライン)に補充的に本省II種採用者を就かせるケースが出てきています。また、昨今の教育改革政策により大臣官房や初等中等教育局等でのプロジェクトチームの増設により(特に中堅の)I種採用者をこれらの非常設のチームに投入する一方で、他局原課への(特に中堅の)I種採用者の配置が不足しているという指摘もされています。

 課長級以上においては、原課の課長から各局筆頭課長、総括官、官房審議官、部長、局長(次長)、文部科学審議官、事務次官がありますが、他省庁と同様に選抜が始まり、徐々に内部に残る者が減少します。この段階では、従来は各地方公共団体の教育委員会への教育長ポストへの出向や、国立大学・青少年の家などの文部科学省の施設等機関に出向することが多く見られましたが、地方分権化や施設等機関の大学法人化・独法化により、徐々に出向先が減り、その結果、内部での昇進が遅くなっています。

 最後に、施設系のI種採用者の場合は、主に国家公務員採用I種試験の「理工I」(旧建築)区分合格者から採用され、大臣官房の文教施設企画部が官庁訪問の窓口である。採用後は同部を中心に国立大学等にも出向します。

 以上の傾向から察すると、西尾前校長は、2003~2004年度当時、本省の課長職にあったわけですから、人事情報は公表されてしかるべきだと思われます。ところがネットで検索してもさっぱりヒットしません。これは、国立大学の学長の場合は公表されるが、国立高専の校長では公表されないのか、あるいは、在任中に不祥事件のあった場合は意図的に公表しないのか、本当のところは残念ながらわかりません。

 引き続き西尾前校長の現在の文科省における所属先については、情報収集に努めてまいります。

■さて、この事件の次回第6回口頭弁論期日は9月1日(金)の午後3時から東京地裁5階522号法廷で開かれます。

 それまでの間、先日送った原告準備書面(4)を踏まえて、8月18日(金)までに被告から反論の準備書面(4回目)が提出されてくることになります。この反論の内容次第では、原告として、さらに原告準備書面(5)を8月25日(金)までに提出することにしています。

■アカハラ事件を隠蔽化・深刻化させた責任者でもある西尾・前校長の選任過程に関する今回の文書開示請求の行方については当会として関心を持って見守りたいと思います。一方、現在東京地裁で係争中の不開示決定処分取消請求事件については、8月17日(金)が被告国立高専機構からの準備書面の提出期限となっています。

 このことについて当会は、被告構側による準備書面の再度の意図的遅延を懸念しています。なぜなら、以前にも同様な事態が起き、原告当会側に反論の機会を与えないようにした経緯があるためです。

 被告機構側が、係争中の文書不開示処分取消請求事件に関して、夏休み(夏季休業)が終わりかける時期となる8月25日(金)になって準備書面を出してくるのかどうか、当会は慎重に被告の出方を注視していきたいと思います。

■なお、非公式情報ですが、2017年度4月から休職していたとされる電子情報工学科元学科長の雑賀教授について、どうやら休職期間の期限は学校が夏期休業に入るまでだった様子で、既に群馬高専に戻ってきているようです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「2017年4月1日文科省人事情報」
**********毎日新聞2017年3月29日東京朝刊
人事 文部科学省(4月1日)
 国際統括官(宇宙航空研究開発機構理事)川端和明
▽官房審議官(会計課長)増子宏
▽内閣官房出向、内閣情報調査室内閣衛星情報センター技術部長に就任予定(文化庁文化部長)内丸幸喜
▽理化学研究所出向、理事に就任予定(官房審議官)板倉周一郎
▽北海道大学長(北海道大大学院工学研究院長)名和豊春
▽東京農工大学長(東京農工大大学院工学研究院長)大野弘幸
▽上越教育大学長(上越教育大大学院学校教育研究科学系長)川崎直哉
▽静岡大学長(静岡大理事・副学長)石井潔
▽岡山大学長(岡山大理事・病院長)槙野博史
▽政策研究大学院大学長(東京大東洋文化研究所教授)田中明彦
▽総合研究大学院大学長(総合研究大学院大理事)長谷川真理子
▽奈良先端科学技術大学院大学長(奈良先端科学技術大学院大理事・副学長)横矢直和
 (3月31日)退職(国際統括官)森本浩一、(北海道大学長)山口佳三、(東京農工大学長)松永是、(上越教育大学長)佐藤芳徳、(静岡大学長)伊東幸宏、(岡山大学長)森田潔、(政策研究大学院大学長)白石隆、(総合研究大学院大学長)岡田泰伸、(奈良先端科学技術大学院大学長)小笠原直毅

**********日経2017年3月29日0:00
人事、文部科学省
 文部科学省(4月1日)審議官研究開発局担当(会計課長)増子宏
▽大学共同利用機関法人情報・システム研究機構長、藤井良一
**********

※参考情報2「国立高専機構の広報冊子」

平成28年度版:http://www.kosen-k.go.jp/letter/kouhou/gaiyou28.pdf


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