■新型コロナ感染対策で傍聴席60席のうち、報道陣8席、被告親族3席、そして傍聴席8席以外の41席が空席のままという異常な光景の中、4月28日(火)午後1時27分から前橋地裁第4号法廷で判決公判が開廷されました。
↑NHKが開廷前の2分間で撮影した前橋地裁第4号法廷の様子。↑
当日は、12時30分に地裁に到着しました。駐車場は4割程度埋まっていました。本館の玄関前に表示板が置かれており、傍聴券の配布は第4号法廷のある別館1階の裁判員控室において午後1時まで行うとありました。
↑筆者のリストバンドの抽選番号は3921だった。↑
↑同行者は3922。↑
本館1階のロビーに入り、エレベーター前に張り出されている開廷表を確認したところ、確かに午後1時30分から2時30分まで第4号法廷で事件番号・事件名「令和元年(わ)第541号 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害」、被告人「佐藤育男、菅田明則、阿久澤茂」、審理予定「判決」、担当部署「刑事第2部合議係」、裁判官(長)「山崎威」、事務官「吉田美乃里」とありました。
一旦玄関前に出てから、本館の右手にある別館に向かいました。入口に着くと、ちょうど裁判所の腕章を付けた職員らが出てくるところでした。傍聴者らの案内のため、裁判所各所で待機するようです。
別館に入ると、数名の職員があわただしく行き来しています。入口から入ってすぐ左手に裁判員控室がありましたが、まだ準備中とのことでした。足元を見ると、2m間隔で黄色のマーキングがしてあり、さっそく先頭に並びました。
12時35分から抽選券の配布が始まりました。順番に2名ずつ部屋に入り、机の上にある黄色に黒で番号が書かれた紙製のリストバンドを左手首にまかれ、取り外せないように、甲斐バンドの両端をしっかりと糊付けされました。終わると注意書きが書かれたチラシが渡され、入口とは別のドアから外に出ました。
■抽選は午後1時で締め切られ、午後1時10分に抽選結果が裁判員控室の奥にある掲示板に表示されました。傍聴がゆるされるのは僅かに8名で、待ち時間は昼食をとっていただめ、何名が抽選手続きをしたのか定かではありませんが、おそらく数十名は応募したようです。
昼食後、少し早めの午後1時7分頃、裁判所別館にいくと、ちょうど当選番号の張り出しが始まったばかりでした。部屋にはいり、掲示板を見ると、一番上に当選番号が書かれており、筆者の手首にまかれたリストバンドの番号と同一であることを確認しました。
部屋を出ると係員の人が、「当選されたかたは廊下の奥にある受付で、傍聴券をもらってください」と誘導していました。さっそく2番目に受付で傍聴券をもらい、念のため、手洗いにいってから、午後1時15分頃法廷内の傍聴席に入りました。入るとき裁判所の職員に傍聴券を見せ、携帯電話の電源を切ったことを示しました。
第4号法廷の傍聴席は、左側、中央、右側の計3グループに分かれており、それぞれ4行5列に椅子が並んでいます。
このうち左側の1、2列は報道関係者用(計8名)で、傍聴用の関は、左側が最後尾の5列目の両端席、中央が4列目の両端席、右側が3、5列目の両端席の計8名分、さらに被告関係者用として、緑色のカバーをした椅子が右側最前列の両端席と、中央2列目の右端に確保されていました。その他、41席は全てソーシアルディスタンシングのため着席禁止とされていました。
■筆者は中央の前から4列目の左端に着席しました。たまたま当会会員がもうひとり抽選に当たり、同じく4列目の右端に着席しました。
開廷5分前に裁判長ら裁判官3名が入廷し、全員起立の上、一礼した後、2分間、マスコミの撮影タイムがとられました。事前に裁判所職員が「取られるのを遠慮されたいかたは、一時的に退出できます」と案内をしましたが、誰も退出者はいませんでした。マスコミ用8席も直前に全部埋まり、傍聴者8名も最後のひとりがマスコミ撮影後着席しました。そして、被告3名とその親族と思しきご婦人方が左側のドアから入廷し、親族3名の方々は傍聴席の緑色のカバーをした席に、被告3名は法廷内の椅子にそれぞれ着席しました。
それを見た裁判長は「定刻より少し早いようですが、開廷したいと思います」と宣言し、判決公判が始まりました。
メモを取っているうちに、15分ほどで終わりました。判決は予想通り執行猶予付き判決でしたが、裁判長の判決言渡しの中で、おもわず仰け反りそうになったのは「本件2件の入札妨害事件の平均落札率が98パーセントという高率で談合により落札したことはまことに遺憾で・・・」とするくだりでした。
■その晩ネットを検索すると次の報道がなされていました。
**********NHK News Web群馬2020年04月28日16時28分
「劇場談合」市課長らに有罪判決
5
高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明などの購入をめぐり、官製談合防止法違反などの罪に問われた市の課長と劇場の元館長、それに業者の元社長に対し、前橋地方裁判所は、執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
高崎市総務部の課長の佐藤育男被告(50)は去年1月から2月にかけて市が発注した「高崎芸術劇場」の照明や舞台装置などの設備の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を劇場の元館長の菅田明則被告(66)を通じ、市内の業者の元社長の阿久澤茂被告(68)に漏らして落札させたなどとして官製談合防止法違反などの罪に問われました。
28日の判決で前橋地方裁判所の山崎威裁判長は、「自由競争ではあり得ない高い価格で落札し入札の公正を大きく害した責任は重い」と指摘しました。
そのうえで、「役職を失ったり入札への指名停止を受けたりする社会的な制裁を受けている」などとして佐藤課長と菅田元館長に懲役1年6か月、阿久澤元社長に懲役1年、いずれも執行猶予3年の判決を言い渡しました。
判決を受けて高崎市は、佐藤課長を懲戒免職の処分にしました。
*********
■裁判長による判決に至った判断についての説明を額面通りに受け止めれば、高崎市の平均落札率が都道府県所在地と中核都市62都市のうちダントツの98%であることから、高崎市の職員や談合関与者は全員アウトになるはずです。
当会としてこの問題を引き続き徹底追及してまいる所存です。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
↑NHKが開廷前の2分間で撮影した前橋地裁第4号法廷の様子。↑
当日は、12時30分に地裁に到着しました。駐車場は4割程度埋まっていました。本館の玄関前に表示板が置かれており、傍聴券の配布は第4号法廷のある別館1階の裁判員控室において午後1時まで行うとありました。
↑筆者のリストバンドの抽選番号は3921だった。↑
↑同行者は3922。↑
本館1階のロビーに入り、エレベーター前に張り出されている開廷表を確認したところ、確かに午後1時30分から2時30分まで第4号法廷で事件番号・事件名「令和元年(わ)第541号 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害」、被告人「佐藤育男、菅田明則、阿久澤茂」、審理予定「判決」、担当部署「刑事第2部合議係」、裁判官(長)「山崎威」、事務官「吉田美乃里」とありました。
一旦玄関前に出てから、本館の右手にある別館に向かいました。入口に着くと、ちょうど裁判所の腕章を付けた職員らが出てくるところでした。傍聴者らの案内のため、裁判所各所で待機するようです。
別館に入ると、数名の職員があわただしく行き来しています。入口から入ってすぐ左手に裁判員控室がありましたが、まだ準備中とのことでした。足元を見ると、2m間隔で黄色のマーキングがしてあり、さっそく先頭に並びました。
12時35分から抽選券の配布が始まりました。順番に2名ずつ部屋に入り、机の上にある黄色に黒で番号が書かれた紙製のリストバンドを左手首にまかれ、取り外せないように、甲斐バンドの両端をしっかりと糊付けされました。終わると注意書きが書かれたチラシが渡され、入口とは別のドアから外に出ました。
■抽選は午後1時で締め切られ、午後1時10分に抽選結果が裁判員控室の奥にある掲示板に表示されました。傍聴がゆるされるのは僅かに8名で、待ち時間は昼食をとっていただめ、何名が抽選手続きをしたのか定かではありませんが、おそらく数十名は応募したようです。
昼食後、少し早めの午後1時7分頃、裁判所別館にいくと、ちょうど当選番号の張り出しが始まったばかりでした。部屋にはいり、掲示板を見ると、一番上に当選番号が書かれており、筆者の手首にまかれたリストバンドの番号と同一であることを確認しました。
部屋を出ると係員の人が、「当選されたかたは廊下の奥にある受付で、傍聴券をもらってください」と誘導していました。さっそく2番目に受付で傍聴券をもらい、念のため、手洗いにいってから、午後1時15分頃法廷内の傍聴席に入りました。入るとき裁判所の職員に傍聴券を見せ、携帯電話の電源を切ったことを示しました。
第4号法廷の傍聴席は、左側、中央、右側の計3グループに分かれており、それぞれ4行5列に椅子が並んでいます。
このうち左側の1、2列は報道関係者用(計8名)で、傍聴用の関は、左側が最後尾の5列目の両端席、中央が4列目の両端席、右側が3、5列目の両端席の計8名分、さらに被告関係者用として、緑色のカバーをした椅子が右側最前列の両端席と、中央2列目の右端に確保されていました。その他、41席は全てソーシアルディスタンシングのため着席禁止とされていました。
■筆者は中央の前から4列目の左端に着席しました。たまたま当会会員がもうひとり抽選に当たり、同じく4列目の右端に着席しました。
開廷5分前に裁判長ら裁判官3名が入廷し、全員起立の上、一礼した後、2分間、マスコミの撮影タイムがとられました。事前に裁判所職員が「取られるのを遠慮されたいかたは、一時的に退出できます」と案内をしましたが、誰も退出者はいませんでした。マスコミ用8席も直前に全部埋まり、傍聴者8名も最後のひとりがマスコミ撮影後着席しました。そして、被告3名とその親族と思しきご婦人方が左側のドアから入廷し、親族3名の方々は傍聴席の緑色のカバーをした席に、被告3名は法廷内の椅子にそれぞれ着席しました。
それを見た裁判長は「定刻より少し早いようですが、開廷したいと思います」と宣言し、判決公判が始まりました。
メモを取っているうちに、15分ほどで終わりました。判決は予想通り執行猶予付き判決でしたが、裁判長の判決言渡しの中で、おもわず仰け反りそうになったのは「本件2件の入札妨害事件の平均落札率が98パーセントという高率で談合により落札したことはまことに遺憾で・・・」とするくだりでした。
■その晩ネットを検索すると次の報道がなされていました。
**********NHK News Web群馬2020年04月28日16時28分
「劇場談合」市課長らに有罪判決
5
高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明などの購入をめぐり、官製談合防止法違反などの罪に問われた市の課長と劇場の元館長、それに業者の元社長に対し、前橋地方裁判所は、執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
高崎市総務部の課長の佐藤育男被告(50)は去年1月から2月にかけて市が発注した「高崎芸術劇場」の照明や舞台装置などの設備の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を劇場の元館長の菅田明則被告(66)を通じ、市内の業者の元社長の阿久澤茂被告(68)に漏らして落札させたなどとして官製談合防止法違反などの罪に問われました。
28日の判決で前橋地方裁判所の山崎威裁判長は、「自由競争ではあり得ない高い価格で落札し入札の公正を大きく害した責任は重い」と指摘しました。
そのうえで、「役職を失ったり入札への指名停止を受けたりする社会的な制裁を受けている」などとして佐藤課長と菅田元館長に懲役1年6か月、阿久澤元社長に懲役1年、いずれも執行猶予3年の判決を言い渡しました。
判決を受けて高崎市は、佐藤課長を懲戒免職の処分にしました。
*********
■裁判長による判決に至った判断についての説明を額面通りに受け止めれば、高崎市の平均落札率が都道府県所在地と中核都市62都市のうちダントツの98%であることから、高崎市の職員や談合関与者は全員アウトになるはずです。
当会としてこの問題を引き続き徹底追及してまいる所存です。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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