■4月17日投開票の安中市長選は、大差で新人の岩井均候補が圧勝し、敗れた現職の茂木候補は4月22日に任期満了となりました。なので、新市長は4月23日から就任となりますが、休日と重なるため、岩井・新市長の初登庁は明日4月25日月曜日と言うことになります。岩井新市長のTwitterによると、初登庁式は午前8時40分に市役所正面玄関で行われ、午前9時から就任式が予定されているようです。
岩井新市長の4月18日のTwitterには、同じく当選証書を受領した感想もアップされています。
■そして4月19日には、次の記事が掲載されています。
激戦を制した喜びからでしょうか。4月19日に市内の企業・団体に当選御礼の挨拶回りをしていることがうかがえます。
事実、筆者が4月20日午前8時30分に東邦亜鉛安中製錬所の事務棟を訪れた際に、コロナ感染防止対策として非接触式体温計で体温を測り、アルコール手指消毒をしたあと、訪問者リストに日にちと氏名を記入する際に、4月19日付で「岩井均」とあるのを見つけました。東邦亜鉛の職員らに確認したところ、本人が挨拶のため訪問したことが判りました。
■筆者はこれまで、1995年、1999年、2003年、2006年と4度、安中市長選に出馬し、いずれも次点以下でしたので、当選後の御礼のための戸別訪問をしたことがありませんが、1999年の市長選では、落選後、投票していただいた1万500名余りの市民の皆様に対して、選挙戦の経緯を記したお礼の報告チラシを新聞折込したことがありました。そのあと、この行為が選挙後の挨拶行為の制限(公職選挙法第178条)に抵触しかねないことを知りました。選挙終了後の御礼の挨拶に関して、制限があるためです。
どのような行為が制限されるかというと、選挙の期日後(投票日当日、投票所が閉ざされた時刻以降のすべてをいい、特に終期の定めはありません)、有権者に対して、当選または落選に関し挨拶をする目的で、次の行為をすることが対象となります。
①有権者に対して戸別訪問すること。
②文書、図画を頒布し、または掲示すること。ただし、自筆の信書であればさしつかえない。また、有権者からもらった当選の祝辞、落選の見舞などに対する返信は、自筆でも印刷でもさしつかえない。
③新聞紙、雑誌などを利用(つまり広告)すること。
④放送設備を利用して放送すること。
⑤当選祝賀会その他の集会を開催すること。
⑥当選したお礼に当選人の氏名、または政党、政治団体の名称を言い歩くこと。
■企業や団体などの法人とは、市長就任後、なんらかの機会に公務で面談する予定があるでしょうから、その際に相手側から「この度は市長就任おめでとうございます」と挨拶されたときに、「ありがとうございます」と答える程度で十分ですから、わざわざ、市内の企業・団体に対して当選挨拶回りをする必要はありません。
事実、岩井候補は4月18日に当選証書を交付されたあと、自身のTwitterで「率直に言って、選挙後の対応や市長就任準備のためにもう1週間あって欲しかったです」と感想を述べているのですから、1日潰してまでも、市内の企業や団体巡りをする時間など、なかったはずです。
この件も、公選法に抵触するのかどうか、選挙後の警告に該当するのかどうか、群馬県の選挙管理委員会にお伺いを立ててみることにしました。4月22日に県庁を訪れた際に、事前運動の警告の件と併せて、本件についても書面で選管としての判断を求めることにしました。
*****4/22 選挙後の挨拶の制限に関する要確認申し入れ*****ZIP ⇒ ilaj.zip
令和4年4月22日
群馬県選挙管理委員会あて
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
安中市長選/候補者による法人への御礼挨拶/要確認事項について
<事実証明情報>https://twitter.com/hitoshi_iwai_92
岩井均 @hitoshi_iwai_92
·4月19日
今日はご支援頂いた安中市内の企業・団体の皆様にご挨拶をしています。
お昼は磯部のいまい食堂さんで、タンメンを頂きました。実に美味しいです😊
※実際に当会が4月20日午前8時30分に市内にある東邦亜鉛㈱安中製錬所の事務部を訪れた際に、受付の来訪者記入リストに「4月19日 岩井均」と記されていたことを確認しています。
●確認しておきたい事項
①このTwitter記事に記載されている、当選の御礼の挨拶を選挙区内の企業・団体を対象に候補者が行うことについて、公選法の観点からどのように判断されるべきか?
②貴選管が判断できない場合、その理由や根拠はどのようなものか?
③貴選管が判断できない場合、当会はどうすればよいのか?
④貴選管が判断できない場合、誰が判断すべきか?警察か?
⑤仮にこの行為が公選法に抵触すると判断する場合、貴選管はどのように対処するのか?
以上
**********
■岩井候補は、電子メール、ブログ、Twitterなどインターネットを利用して選挙期日後の当選御礼をする限り、改正公職選挙法第178条第2号に該当するため、問題はありませんでした。
この公選法の条項をもう少し詳しく見てみましょう。
改正前の公職選挙法では、選挙期日後において、当選又は落選に関し、選挙を人に挨拶する目的をもって文書図画を頒布し又は掲示することは、自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除き、禁止されています(公職選挙法第178条第2号)。この規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第245条)。
改正公職選挙法では、選挙期日後に当選又は落選に関して選挙人に挨拶をする目的をもって行う行為のうち、「インターネット等を利用する方法」により行われる文書図画の頒布が解禁されます(改正公職選挙法第178条第2号)。
したがって、例えば、選挙期日後、自身のホームページ等において当選又は落選に関する挨拶を記載することや、電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは可能となります。
■岩井均氏は、明日から実際に安中市長の重責を担うことになりますが、脇が甘いと言われないよう、法令遵守については常に緊張感をもちつつ、市政のかじ取りを担っていただきたいものです。
【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
岩井新市長の4月18日のTwitterには、同じく当選証書を受領した感想もアップされています。
■そして4月19日には、次の記事が掲載されています。
激戦を制した喜びからでしょうか。4月19日に市内の企業・団体に当選御礼の挨拶回りをしていることがうかがえます。
事実、筆者が4月20日午前8時30分に東邦亜鉛安中製錬所の事務棟を訪れた際に、コロナ感染防止対策として非接触式体温計で体温を測り、アルコール手指消毒をしたあと、訪問者リストに日にちと氏名を記入する際に、4月19日付で「岩井均」とあるのを見つけました。東邦亜鉛の職員らに確認したところ、本人が挨拶のため訪問したことが判りました。
■筆者はこれまで、1995年、1999年、2003年、2006年と4度、安中市長選に出馬し、いずれも次点以下でしたので、当選後の御礼のための戸別訪問をしたことがありませんが、1999年の市長選では、落選後、投票していただいた1万500名余りの市民の皆様に対して、選挙戦の経緯を記したお礼の報告チラシを新聞折込したことがありました。そのあと、この行為が選挙後の挨拶行為の制限(公職選挙法第178条)に抵触しかねないことを知りました。選挙終了後の御礼の挨拶に関して、制限があるためです。
どのような行為が制限されるかというと、選挙の期日後(投票日当日、投票所が閉ざされた時刻以降のすべてをいい、特に終期の定めはありません)、有権者に対して、当選または落選に関し挨拶をする目的で、次の行為をすることが対象となります。
①有権者に対して戸別訪問すること。
②文書、図画を頒布し、または掲示すること。ただし、自筆の信書であればさしつかえない。また、有権者からもらった当選の祝辞、落選の見舞などに対する返信は、自筆でも印刷でもさしつかえない。
③新聞紙、雑誌などを利用(つまり広告)すること。
④放送設備を利用して放送すること。
⑤当選祝賀会その他の集会を開催すること。
⑥当選したお礼に当選人の氏名、または政党、政治団体の名称を言い歩くこと。
■企業や団体などの法人とは、市長就任後、なんらかの機会に公務で面談する予定があるでしょうから、その際に相手側から「この度は市長就任おめでとうございます」と挨拶されたときに、「ありがとうございます」と答える程度で十分ですから、わざわざ、市内の企業・団体に対して当選挨拶回りをする必要はありません。
事実、岩井候補は4月18日に当選証書を交付されたあと、自身のTwitterで「率直に言って、選挙後の対応や市長就任準備のためにもう1週間あって欲しかったです」と感想を述べているのですから、1日潰してまでも、市内の企業や団体巡りをする時間など、なかったはずです。
この件も、公選法に抵触するのかどうか、選挙後の警告に該当するのかどうか、群馬県の選挙管理委員会にお伺いを立ててみることにしました。4月22日に県庁を訪れた際に、事前運動の警告の件と併せて、本件についても書面で選管としての判断を求めることにしました。
*****4/22 選挙後の挨拶の制限に関する要確認申し入れ*****ZIP ⇒ ilaj.zip
令和4年4月22日
群馬県選挙管理委員会あて
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
安中市長選/候補者による法人への御礼挨拶/要確認事項について
<事実証明情報>https://twitter.com/hitoshi_iwai_92
岩井均 @hitoshi_iwai_92
·4月19日
今日はご支援頂いた安中市内の企業・団体の皆様にご挨拶をしています。
お昼は磯部のいまい食堂さんで、タンメンを頂きました。実に美味しいです😊
※実際に当会が4月20日午前8時30分に市内にある東邦亜鉛㈱安中製錬所の事務部を訪れた際に、受付の来訪者記入リストに「4月19日 岩井均」と記されていたことを確認しています。
●確認しておきたい事項
①このTwitter記事に記載されている、当選の御礼の挨拶を選挙区内の企業・団体を対象に候補者が行うことについて、公選法の観点からどのように判断されるべきか?
②貴選管が判断できない場合、その理由や根拠はどのようなものか?
③貴選管が判断できない場合、当会はどうすればよいのか?
④貴選管が判断できない場合、誰が判断すべきか?警察か?
⑤仮にこの行為が公選法に抵触すると判断する場合、貴選管はどのように対処するのか?
以上
**********
■岩井候補は、電子メール、ブログ、Twitterなどインターネットを利用して選挙期日後の当選御礼をする限り、改正公職選挙法第178条第2号に該当するため、問題はありませんでした。
この公選法の条項をもう少し詳しく見てみましょう。
改正前の公職選挙法では、選挙期日後において、当選又は落選に関し、選挙を人に挨拶する目的をもって文書図画を頒布し又は掲示することは、自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除き、禁止されています(公職選挙法第178条第2号)。この規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第245条)。
改正公職選挙法では、選挙期日後に当選又は落選に関して選挙人に挨拶をする目的をもって行う行為のうち、「インターネット等を利用する方法」により行われる文書図画の頒布が解禁されます(改正公職選挙法第178条第2号)。
したがって、例えば、選挙期日後、自身のホームページ等において当選又は落選に関する挨拶を記載することや、電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは可能となります。
■岩井均氏は、明日から実際に安中市長の重責を担うことになりますが、脇が甘いと言われないよう、法令遵守については常に緊張感をもちつつ、市政のかじ取りを担っていただきたいものです。
【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
あちこち飲食店が賑わっていましたけど…