■群馬県台湾総会も制作に協力したドキュメンタリー映画「湾生回家」がついに高崎市内でも上映されることになりました。この映画は2015年に台湾で制作されたドキュメンタリー映画で、同年、台湾で最も話題を集めた映画の一つです。2016年の大阪アジアン映画祭でも観客賞を受賞しましたが、それ以外に我が国で上映の機会がありませんでした。ようやく2016年になって、11月12日から12月16日まで岩波ホール(東京神田)で上映されましたが、いよいよ群馬県でも上映されることになりました。「シネマテークたかさき」で1月28日(土)から3週間上映される予定です。
※シネマテーク近日上映決定作品一覧↓
http://takasaki-cc.jp/menu
◎ただいま劇場にて 全国共通特別鑑賞券 販売中 1500円 ※1月27日(金)まで
この映画「湾生回家」は、終戦後に台湾から日本に引き揚げた人々を追ったドキュメンタリーです。「湾生(わんせい)」とは、戦前、台湾で生まれ育った日本人のことです。「回家」というのは「家に帰る」という意味で、湾生の人々は日本に“帰った”後も、忘れようとしても忘れられなかった「台湾=故郷」に、戦後70年を経て、深い感慨を抱いて戻った機会を取材した物語です。
映画のなかで、いずれも高齢に達した湾生の皆さんが、それぞれの「台湾=故郷」で懐かしい人々や景色と再び出会い、台湾への愛惜や戦後の人生を語り尽くす場面が見どころです。
この映画が台湾でヒットした背景には、台湾で広がる懐日ブームがあります。台湾には、 1895年から 1945年にわたる日本統治時代に造られた多くの建築物や産業遺跡が残っていますが、近年、こうした歴史的構造物の保存・再活用を通して、日本式を見直そうという機運が台湾各地で活発化しています。
2014年には日本でも公開された映画「KANO」では、戦前、台湾の嘉義農林高校が甲子園に出場して準優勝したエピソードを描き、台湾で大ヒットしました。台湾では、80歳以上の人たちは戦前に日本語教育を受けて日本語に堪能ですが、若い世代にも「哈日(ハーリー)族」(日本の現代大衆文化を好む台湾人の若年層の総称)と言われる人々が大勢います。
湾生のかたがたは、敗戦によって日本が台湾の領有権を放棄せざるを得なくなったため、戦後まもなく大陸から逃げて台湾を支配した中華民国政府は日本人(当時台湾では内地人と呼ばれた)を全員、日本に帰す方針をとりました。1949年までに日本人の帰還事業が完了し、台湾から引き揚げた日本人は軍民あわせて50万人と言われています。台湾生まれでなくても、台湾で少年期や青年期を過ごした人々もまた湾生と呼ばれます。
「台湾から日本に戻った後も、ずっと台湾のことを忘れずにいた」という、こうした湾生の方々に戦後70年目の節目に焦点を当てた映画「湾生回家」の価値は、欧米と植民地との間の歪んだ関係とは全く異なる、我が国と台湾との人々の国と国の境を超えた交流を描いていることです。
この映画を見れば、いかに「一つの中国」という中共政府のスローガンが色あせているかを痛感できます。ぜひ、都合をつけてご覧になることをお勧めします。
【ひらく会編集部】
※参考情報
**********岩波ホールHPより
湾生回家
<スケジュール>
2016年11月12日(土)~12月16日(金)
平日 11:00 13:30 16:00 19:00 -
土・日・祝祭日 11:00 13:30 16:00 18:30 -
<入場料金>
◆当日料金 一般\1,800/学生・シニア\1,500/小・中・高校生\1,200/エキプ会員・障害者\1,400
◆映画サービスデー 毎月1日は\1,400均一
◆最終回学割チケット 毎日の最終回 (月~金19:00/土日祝18:30)に限り大学、大学院、専門学校生の方は\1,200
◆前売料金 一般\1,500
<イントロダクション・あらすじ>
敗戦によって台湾から強制送還された日本人は、軍人・一車属を含め50万人近かったといわれる。20万人の「湾生」と呼ばれる日本人にとって、台湾は紛れもなく大切な「故郷」だった。しかし、敗戦という歴史の転換によって故郷から引き裂かれ、未知の祖国・日本へ戻らされた。本作は、「湾生」たちの望郷の念をすくい取った台湾のドキュメンタリー映画。台湾で上映された際に足を運んだ人々は、日本統治時代を知らない若者たちが多く、「湾生」たちの台湾に寄せる望郷の念に感動し、「湾生も自分たちと同じなのだ」と涙を流す観客も少なくなかったという。
戦争の渦に巻き込まれ、生まれた土地を離れざるをえなかった「湾生」。彼らは、自分たちの存在が歴史の闇に埋もれ、忘れ去られようとしているなか、台湾への深い思いを語り続ける。こみ上げる失望、喪失感、涙と悔恨。歳月の壁と闘いながら、家族や友人たちを、ともに過ごした場所を、心に留めるため幾度も台湾へ向かう。身を焦がすような台湾への愛から生まれた映画「湾生回家」は、時間と空間を超えた人間同士の友情と家族の絆の物語です。残された時間のなかで「湾生」たちが語る言葉から、台湾に対する信頼と絆、愛、希望、そして平和への願いが、私たちの心の中に静か響く作品です。
★“湾生とは”
戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を表す言葉。下関条約の締結された1895年から1945年までの50年間、台湾は日本に統治されていた。当時、日本から公務員や企業の駐在員が台湾へと海を渡り、農業従事者も移民としてその地に赴いた。そして、彼らのほとんどが敗戦後、中華民国政府の方針によって引揚者として日本本土に強制送還された。持ち出しを許されたのは、一人あたり現金1,000円(当時)とわずかな食糧、リュックサック2つ分の必需品だけだった。
<基本情報>
原題 湾生回家(Wansei Back Home)
監督 ホァン・ミンチェン(黄銘正)
詳細 2015年/台湾映画/ドキュメンタリー/111分/配給:太秦
公式ページ http://www.wansei.com/
賞暦 台湾アカデミー賞「金馬奨」最優秀ドキュメンタリー作品ノミネート
大阪アジアン映画祭2016オープニング上映観客賞受賞
<スタッフ・キャスト>
〇スタッフ
製作総指揮:チェン・シュエンルー
プロデューサー:ファン・ジェンヨウ、内藤論
ナレーター:クー・イーチェン/声の出演:本間岐理、ヤン・ホェイルー
撮影:リン・ウェンイー、チェン・ミンダー、タン・ヒョウンソン
編集:ホァン・イーリン、クオ・ユーニン
〇キャスト
富永勝
家倉多恵子
清水一也
松本洽盛
竹中信子
片山清子
**********
※シネマテーク近日上映決定作品一覧↓
http://takasaki-cc.jp/menu
◎ただいま劇場にて 全国共通特別鑑賞券 販売中 1500円 ※1月27日(金)まで
この映画「湾生回家」は、終戦後に台湾から日本に引き揚げた人々を追ったドキュメンタリーです。「湾生(わんせい)」とは、戦前、台湾で生まれ育った日本人のことです。「回家」というのは「家に帰る」という意味で、湾生の人々は日本に“帰った”後も、忘れようとしても忘れられなかった「台湾=故郷」に、戦後70年を経て、深い感慨を抱いて戻った機会を取材した物語です。
映画のなかで、いずれも高齢に達した湾生の皆さんが、それぞれの「台湾=故郷」で懐かしい人々や景色と再び出会い、台湾への愛惜や戦後の人生を語り尽くす場面が見どころです。
この映画が台湾でヒットした背景には、台湾で広がる懐日ブームがあります。台湾には、 1895年から 1945年にわたる日本統治時代に造られた多くの建築物や産業遺跡が残っていますが、近年、こうした歴史的構造物の保存・再活用を通して、日本式を見直そうという機運が台湾各地で活発化しています。
2014年には日本でも公開された映画「KANO」では、戦前、台湾の嘉義農林高校が甲子園に出場して準優勝したエピソードを描き、台湾で大ヒットしました。台湾では、80歳以上の人たちは戦前に日本語教育を受けて日本語に堪能ですが、若い世代にも「哈日(ハーリー)族」(日本の現代大衆文化を好む台湾人の若年層の総称)と言われる人々が大勢います。
湾生のかたがたは、敗戦によって日本が台湾の領有権を放棄せざるを得なくなったため、戦後まもなく大陸から逃げて台湾を支配した中華民国政府は日本人(当時台湾では内地人と呼ばれた)を全員、日本に帰す方針をとりました。1949年までに日本人の帰還事業が完了し、台湾から引き揚げた日本人は軍民あわせて50万人と言われています。台湾生まれでなくても、台湾で少年期や青年期を過ごした人々もまた湾生と呼ばれます。
「台湾から日本に戻った後も、ずっと台湾のことを忘れずにいた」という、こうした湾生の方々に戦後70年目の節目に焦点を当てた映画「湾生回家」の価値は、欧米と植民地との間の歪んだ関係とは全く異なる、我が国と台湾との人々の国と国の境を超えた交流を描いていることです。
この映画を見れば、いかに「一つの中国」という中共政府のスローガンが色あせているかを痛感できます。ぜひ、都合をつけてご覧になることをお勧めします。
【ひらく会編集部】
※参考情報
**********岩波ホールHPより
湾生回家
<スケジュール>
2016年11月12日(土)~12月16日(金)
平日 11:00 13:30 16:00 19:00 -
土・日・祝祭日 11:00 13:30 16:00 18:30 -
<入場料金>
◆当日料金 一般\1,800/学生・シニア\1,500/小・中・高校生\1,200/エキプ会員・障害者\1,400
◆映画サービスデー 毎月1日は\1,400均一
◆最終回学割チケット 毎日の最終回 (月~金19:00/土日祝18:30)に限り大学、大学院、専門学校生の方は\1,200
◆前売料金 一般\1,500
<イントロダクション・あらすじ>
敗戦によって台湾から強制送還された日本人は、軍人・一車属を含め50万人近かったといわれる。20万人の「湾生」と呼ばれる日本人にとって、台湾は紛れもなく大切な「故郷」だった。しかし、敗戦という歴史の転換によって故郷から引き裂かれ、未知の祖国・日本へ戻らされた。本作は、「湾生」たちの望郷の念をすくい取った台湾のドキュメンタリー映画。台湾で上映された際に足を運んだ人々は、日本統治時代を知らない若者たちが多く、「湾生」たちの台湾に寄せる望郷の念に感動し、「湾生も自分たちと同じなのだ」と涙を流す観客も少なくなかったという。
戦争の渦に巻き込まれ、生まれた土地を離れざるをえなかった「湾生」。彼らは、自分たちの存在が歴史の闇に埋もれ、忘れ去られようとしているなか、台湾への深い思いを語り続ける。こみ上げる失望、喪失感、涙と悔恨。歳月の壁と闘いながら、家族や友人たちを、ともに過ごした場所を、心に留めるため幾度も台湾へ向かう。身を焦がすような台湾への愛から生まれた映画「湾生回家」は、時間と空間を超えた人間同士の友情と家族の絆の物語です。残された時間のなかで「湾生」たちが語る言葉から、台湾に対する信頼と絆、愛、希望、そして平和への願いが、私たちの心の中に静か響く作品です。
★“湾生とは”
戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を表す言葉。下関条約の締結された1895年から1945年までの50年間、台湾は日本に統治されていた。当時、日本から公務員や企業の駐在員が台湾へと海を渡り、農業従事者も移民としてその地に赴いた。そして、彼らのほとんどが敗戦後、中華民国政府の方針によって引揚者として日本本土に強制送還された。持ち出しを許されたのは、一人あたり現金1,000円(当時)とわずかな食糧、リュックサック2つ分の必需品だけだった。
<基本情報>
原題 湾生回家(Wansei Back Home)
監督 ホァン・ミンチェン(黄銘正)
詳細 2015年/台湾映画/ドキュメンタリー/111分/配給:太秦
公式ページ http://www.wansei.com/
賞暦 台湾アカデミー賞「金馬奨」最優秀ドキュメンタリー作品ノミネート
大阪アジアン映画祭2016オープニング上映観客賞受賞
<スタッフ・キャスト>
〇スタッフ
製作総指揮:チェン・シュエンルー
プロデューサー:ファン・ジェンヨウ、内藤論
ナレーター:クー・イーチェン/声の出演:本間岐理、ヤン・ホェイルー
撮影:リン・ウェンイー、チェン・ミンダー、タン・ヒョウンソン
編集:ホァン・イーリン、クオ・ユーニン
〇キャスト
富永勝
家倉多恵子
清水一也
松本洽盛
竹中信子
片山清子
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