■山本一太群馬県知事がお友達だと慕う安倍首相が、ようやく4月7日に改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初の「緊急事態宣言」を発令しました。それを受けて、一太知事が4月8日の記者会見で、「なぜ、緊急事態宣言対象区域に指定されていないこの段階で、県民に(昼夜を問わず)不要不急の外出を控えるようお願いしたいのか?」と説明し、早急な対応ぶりをアピールしています。次いで4月16日、安倍首相が全国を対象に緊急事態宣言を出しまたのを受けて、17日、今度は県内の一部業種を対象に休業を要請しました。しかし、休業補償については財源不足を理由に言葉を濁しました。
↑「県単独限られる」休業補償を明言しないまま休業要請の臨時会見に臨んだ群馬県の山本一太知事=17日、県庁(柳原一哉撮影)©産経↑
**********上毛新聞2020年04月18日
《新型コロナ》緊急事態宣言で山本知事 7業種に休業を要請
新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言の対象地域が全国に広がったことを踏まえ、山本一太群馬県知事は17日、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、県内7業種・施設に休業を要請すると発表した。期間は18日から5月6日まで。医療や食品など生活維持に必要な業種は除く。県民の外出自粛についても同法に基づく要請に切り替えた。
山本知事は17日の臨時会見で、これまで慎重な姿勢を見せてきた休業要請に踏み切った理由として患者急増に伴い逼迫する県内医療現場の厳しい現状などを挙げた。その上で「大変な負担と不便をかけるが、この危機を乗り越えるために協力をお願いしたい」と理解を求めた。
一方、東京都など一部自治体が休業協力店を対象に支給する休業補償については財政面から県単独で可能な対応は限られると説明。「国の政策の中身を見極め、相談しながらしっかり対応したい」と述べるにとどめた。
県が休業要請の対象としたのは(1)遊興施設(ナイトクラブ、カラオケなど)(2)大学・学習塾など(3)文教施設(小中学校、高校など)(4)運動・遊技施設(体育館、パチンコ店など)(5)劇場、映画館など(6)集会・展示施設(博物館、図書館など)(7)商業施設(古本店、ゴルフショップなど)―。
**********
群馬県では3月7日に初めての新型コロナウイルス感染者が発見されてから今日までに確認された感染者が計120名に上りました。新型コロナに対するこれまでの山本一太知事の経緯を追ってみましょう。
■その前に、当初は新型肺炎とか武漢肺炎と呼ばれていた今回の新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)がどのように拡がっていったのかを見てみましょう。
最初に発生が確認されたのは2019年11月、中国武漢でした。その後同12月、武漢で急性呼吸器疾患が集団発生しました。初期の症例は、主に武漢で海産物や生きた動物を売る市場にかかわりを持つ人たちの間で発生しました。そこでは多くの魚、爬虫類、こうもりをはじめ、その他の生きた、または死んだ動物が取り引きされていました。その後、疾患は患者から家族、医療従事者、武漢に住む地元住民を含む人々へと感染していきました。
それ以来、このウイルスは中国全土へと広がっていきましたが、最初に世界保健機関 (WHO) に報告されたのは2019年12月31日でした。
12月の時点で中国国内では、いち早く一部の医師らの間でSARSに似た奇妙な疾患が発生していることが話題となっていました。そのひとりが武漢中心医院の眼科医の李文亮氏(34)でした。
李医師は2019年12月、2003年の世界的エピデミック(伝染病)を引き起こしたSARSに似た、とあるウイルスによる7つの症例に気が付いていました。そのため、同月30日、李医師はチャットグループに入っている同僚の複数医師に対し、「海鮮市場で7人のSARS感染が感染され、アウトブレイクが起きている」と警告するメッセージを送信し、防護服を着用して感染を防ぐようアドバイスしました。この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知りませんでした。
すると翌12月31日、武漢市当局は27人がウイルス性肺炎を発症したと発表したのです。今から思えば2020年の世界を一変させるニュースの第一報でした。
情報を発信した李氏のところには、僅か4日後に中国公安省の職員が李医師を訪ね、書簡に署名するよう求めたのでした。その書簡は、李医師を「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する内容でした。
↑警察が李医師に署名を求めた書簡。「我々は厳粛に警告する。頑なに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう。わかったか?」と記され、その下には、李医師の筆跡で「はい、わかりました」と書かれている。↑
李医師は、警察が「うわさを拡散」したとして捜査を行ったとしている8人のうちの1人でした。
2020年1月の最初の数週間、武漢市の当局者は「新型コロナに感染した動物に接触した人のみに感染する」と主張していました。そのため、医師らに対する感染予防措置の指導はありませんでした。
警察が李医師を訪れて所管に署名を求めてから僅か1週間後、李医師は緑内障を患う女性患者の治療を行いましたが、この女性が新型コロナに感染していることは知る由もありませんでした。
感染した李医師は、1月10日に咳をし始め、翌日には発熱し、2日後には入院することになったと、今年1月末、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」上で、警察の書簡のコピーを公開し、それまでの経緯を説明しました。その間、地元当局者が李医師に謝罪したが、遅きに失しました。
↑武漢中心医院の眼科医、李文亮氏。1月上旬に女性患者から新型ウイルスに感染。↑
1月20日、中国政府は新型コロナのアウトブレイクについて、やっと緊急事態を宣言しました。病原体を調査している中国・国家衛生健康委員会 (NHC) 専門家の鍾南山グループ長が、広東省でヒトからヒトへの感染(ヒト - ヒト感染)が確認されたと発表したからです。これを受けて、1月23日に武漢市が閉鎖され、翌日24日に湖北省も閉鎖されました。しかし、その時にはすでに大勢の武漢住民を含む中国人が春節前の旅行がてらマスクを買いあさる為、海外渡航しており、日本もその主要な旅行先の一つでした。
さて、新型コロナに感染してしまった李医師でしたが、当時コロナウイルスの検査を複数回受けた時は、そのいずれも陰性だったということです。
1月30日、李医師は再び「微博」に投稿し「今日の核酸増幅検査で陽性反応が出た。一件落着した。やっと診断が出た」と書いていました。ところがその後容体が悪化し、2月7日未明に李医師は肺炎の為34歳の若さで死亡しました。
■この李医師の死亡をめぐり、またもや中共政府の介入がありました。
李医師の死亡については、環球時報や人民日報、そのほかの中国メディアが当初2月6日午後9時30分に「死亡が確認された」と報じ、「微博」で大きな反響を呼び、人民日報は、李医師の死亡は「国民の悲しみ」を引き起こしたとツイートしました。
ところがその後、環球時報などは「李医師には体外式膜型人工肺(ECMO)が取り付けられ、危篤状態にある」と報じました。
現場に居合わせたジャーナリストや医師は、BBCやほかのメディアに対し、「政府職員の介入があった。国営メディアは、李医師が今も治療を受けているという報道内容に変更するよう指示された」と証言しました。
そのため人民日報は後で、李医師の死亡時刻を修正し、「我々は、新型コロナウイルスに対処している最中、不幸なことにそのウイルスに感染した、武漢の李文亮医師の死を深く悲しんでいる。懸命な治療が施されたものの、2月7日午前2時58分に死去した」とツイートし直しました。
2020年1月下旬時点での主要なアウトブレイクは中国大陸に限局されていましたが、1月31日、このウイルスの感染拡大が懸念されることから世界保健機関 (WHO) は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC) を宣言しました。
しかし、WHOがパンデミック(世界的流行)相当の認識を初めて示したのは、すでに感染が拡大し世界で感染者数が10万人を超えてからの3月11日でした。4月2日には、世界全体の累計で100万人を超え死者も5万1000人を上回り、4月16日午前4時には感染者数が200万人を超えました。
■中国のテレビが「発症者から新型のコロナウイルスを確認した」と報じたのは1月9日でした。ところが世界保健機関(WHO)は新型かどうか判断を保留し、その後、武漢市は封鎖されました。
日本で初めて感染が確認されたのは同1月16日で、武漢市に滞在歴のある30代の中国籍の男性でした。厚生労働省は「感染拡大の可能性は低い」との見方を示しましたが、中国では感染者が急増しており、武漢市に滞在していた邦人206人を乗せたチャーター機の第1便が同29日、羽田空港に到着しました。その後、1月30日に第2便で210人、1月31日に第3便150人、2月7日に第4便198人、2月17日に第5便を利用して65人が帰国しました。
一方、2月3日に56か国・地域の乗客・乗員3711人を乗せた「ダイヤモンド・プリンセス」号(英国籍)が横浜港沖に入りました。「感染者が乗船している」として検疫が始まりましたが、さまざまな制約により関係機関との調整に追われ、3月1日の全員下船までに迷走を続け、結果的に乗船者の5分の1に当たる712人が感染し、死者は12人に上りました。
3月24日、安倍首相とIOCバッハ会長が電話会談を行い、東京五輪・パラリンピックについて1年程度の延期での合意が決まった翌3月25日、都内の感染者が上昇傾向を見せ始めました。それまで1日1ケタ~10人台だったのが40人以上確認され、小池百合子都知事は「感染爆発の重大局面」と危機感をあらわにし、院内感染も続発し、医療崩壊の懸念も出始める中、タレントの志村けんさんが感染公表からわずか4日後の3月29日に死去したことで、社会はさらに衝撃を受けました。
そして4月7日、安倍首相が改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく「緊急事態宣言」を発出し、対象地域を東京や大阪を含む7都府県とし、続けて4月16日には緊急事態宣言を全国に拡大しました。期間はとりあえず5月6日までですが、感染拡大の抑止が果たして図られるのか、経済的なダメージ、補償問題など課題はどうなるのか、すべては山積したままとなっています。
■こうした中で、台湾では、中国からの圧力に屈したWHOからは既に長期にわたり感染症を含むあらゆる情報が入手できなくなっていました。そのため米国から情報を得るとともに、独自に大陸中国の動静を監視していました。
そうしているうちに、武漢で医師らによるチャットから、なにやら重大な感染症問題が発生していることをいち早く察知した台湾の医師の通報を受けた台湾政府は、2003年に蔓延したSARS対策で培った経験を以前から駆使して、防疫対策の構築に努めて来ていたこともあり、12月31日には、緊張感をもって未知の感染症に対処する方針を決め、なんとその日に武漢からの直行便が到着すると、搭乗者を全て防疫班が検査しました。
そのころ台湾では1月11日投開票の総統選挙の真っ最中でしたが、防疫体制の構築には万全の対策を進めていました。幸い、現職の与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文氏(63)が約820万票(得票率57%)を獲得して圧勝し再選され、総統選後、台湾政府は全力で新型コロナ対策に注力することができました。
台湾で新型コロナ感染者の第1号は日本より遅く1月21日に武漢から戻った女性で帰国後感染が判明しました。いよいよ感染リスクが現実のものとなったため、台湾政府は1月26日に湖北省と武漢市からの入国禁止措置を取り、武漢をはじめ中国大陸から大勢やってきていた中国人旅行者らを急遽、チャーター機を手配して1月末までには帰国させ、2月6日までには中国全土からの入国を禁止しました。
マスクの配布については、台湾では2月4日に一般の店でのマスクの販売を打ち切り、2月6日からITを駆使したアプリの指示に沿って、IDカード若しくは健康保険証番号の偶数・奇数で曜日を決め、指定の薬局でID若しくは保険証を提示すれば、誰でもマスク(最初2枚/週、現在は9枚/週まで)が購入できるシステムを実施し始めました。
その後の台湾のCOVID-19への対応状況は当ブログで逐次紹介している通りです。
■翻って、我が国はと言えば、中国湖北省武漢由来の感染者は国内で1月中旬から確認されていましたが、安倍首相は習近平の国賓招聘ばかり念頭にしていたためか、政府の専門家会議は2月16日まで開催されず、感染が拡大していた中国と韓国からの入国制限強化は3月5日、特措法の施行は3月14日までなされませんでした。
こうした政府の後手後手の対応には安倍首相の支持層である保守派の評価も厳しく、大阪府の吉村洋文知事らは「国が『瀬戸際』という認識であれば(緊急事態宣言を)出すべきだ。増え始めてからでは遅い」と警鐘を鳴らしてきました。しかし、安倍首相の危機意識は薄く、4月初めの段階でさえも「全国的かつ急速な蔓延という状況には至っておらず、ギリギリ持ちこたえている状況」と変わりませんでした。こうした対応の遅れの背景には「中国」「経済」のキーワードがあったものとみられます。
■その安倍首相や菅官房長官とのパイプを売りにしている我が群馬県の一太知事ですが、せっかく1億1700万円の県費を投入した動画スタジオに加えて、令和2年度2月補正予算で動画スタジオのある県庁32階のフロア整備費としてさらに約2億1千万円を計上しました。
このため、せっかく県内の7業種の事業者に休業を要請するのに、「財政的に難しい」として休業補償を確約せず、休業は事業者の自己負担ということになりそうです。
また、群馬県内では、3月7日に太田市で40代の女性が感染者第1号として見つかりました。
https://www.pref.gunma.jp/07/z87g_00013.html
その後、感染者が現在までに120名迄急増し、医療崩壊のリスクも囁かれていますが、ノー天気にも2月12日に、武漢にマスク2万400枚と、非接触型体温計100本を送ってしまったのです。
中共にマスクを送っても、末端の必要とする現地の人たちの手に届くはずがありません。中国共産党の幹部らが直ちに独り占めにして、身内だけで使うか、高値で転売するのは目に見えています。そんなことも分からずに中国にマスクを送った一太知事の国際センスは、お友達の安倍首相や菅官房長官から得たとしたら、妙に納得がいきます。
***********日経2020年2月12日18:30
群馬県、中国・武漢市に体温計やマスク輸送 新型肺炎で
群馬県は12日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中国湖北省武漢市に対し、県内企業などが開発した体温計と使い捨てのマスクを送ったと発表した。感染拡大の防止に役立ててもらう。同ウイルスによる新型肺炎の患者を県内の医療機関で受け入れたことも明らかにした。県は同ウイルスの対策本部を立ち上げるなど対応を進めている。
政府が6日に武漢市に派遣したチャーター機で非接触型の体温計100本、マスク2万400枚を輸送した。体温計は日本精密測器(群馬県渋川市)と県立産業技術センターが共同開発した。群馬県の山本一太知事は「事態収束のためには中国での感染の広がりを防ぐことが重要」と述べ、中国のSNS(交流サイト)「微博(ウェイボ)」でメッセージを発信したことも明らかにした。
山本知事は11日までに新型コロナウイルスの感染患者を県内の医療機関で受け入れたことも公表。人数や受け入れ先の名称は明らかにしなかった。
県は10日に新型コロナウイルス感染症の対策本部を設置し、初会合を開いた。大曲貴夫・国際感染症センター長ら専門家で構成する感染症の危機管理チームも発足し、情報収集や分析に努めている。
***********
■その後、群馬県で第1号の感染者が現れる2日前に行った記者会見で、一太知事は「隣国への支援は品格」などと自己弁護に終始しました。
**********産経2020年3月5日19:14
群馬知事「隣国への支援は品格」 中国へのマスク支援で
↑会見に臨む群馬県の山本一太知事=5日、県庁(柳原一哉撮影)↑
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いマスク不足が深刻化する中、群馬県の山本一太知事は5日の定例会見で、県が2月に使い捨てマスク約2万枚などを中国に支援物資として送付したことについて、「隣国が困難にある時は手を差し伸べるのが国としてのあり方だ。その意味で日本は品格のある国だ」と述べ、支援が適切だったとの認識を示した。
山本知事は、東日本大震災の際に日本が台湾などから支援を受けたことを踏まえ、「中国に限らず隣国が困っているときに何もしないことはできない」とし、人道的な支援だったと強調した。
ただ、国内でマスク不足が長引いている現状には「今ほど急激に減るという想定はなかった」と明かした。
医療関係者らの間で懸念が強まる中、マスク不足の解消に向けては「国や卸売り業者の関係団体などに安定供給の協力を要請していく」と述べるにとどめた。
**********
■さらに一太知事の危機対応に疑問符の付く事態が続きます。かつて国際協力機構の職員としてニューヨーク駐在の経験が売りのはずの国際感覚はどこへやら、ブラジルなど南米出身者を多く抱える大泉町に対して、自らの記者会見が終わるまで、同町で見つかった感染者の情報提供に待ったをかけたのでした。大泉町長が激怒するのも当然です。
***********読売2020年03月17日15:56
感染注意喚起の放送「山本一太知事の会見まで待たされた」…町長が県対応を激しく批判
群馬県大泉町の村山俊明町長は15日、新型コロナウイルス感染者の情報提供について「県は遅すぎる。1分でも早く対策を取らないといけない市町村の立場を理解せず、町と町民を軽視したのではないか」と述べ、群馬県の対応を強く批判した。
村山町長は、町内の医師夫婦の感染が前日確認されたのを受け、町役場で記者会見を開いた。
医師夫婦の感染は、山本一太知事が14日午後9時からの記者会見で発表した。村山町長によると、県からは「町内在住の2人感染」と同3時頃に伝えられたが、医師夫婦だったことは知事の会見直前まで知らされていなかった。さらに、防災行政無線による注意喚起の放送も「知事の会見まで待ってくれとストップがかかった」(村山町長)といい、20人以上の職員が待機を強いられたという。
町内には外国人の住民も多く、ポルトガル語などに翻訳して啓発チラシを作るのには時間がかかる。村山町長は会見で、「こうした事情を県はまるきり理解していない。非常に不愉快だ」とも話した。
町は無線やチラシを使い、手洗いの徹底、ハグやキスを控えることなどを呼びかけている。医師が勤める診療所近くの児童館では、放課後児童クラブを閉鎖した。
**********
■さらに感染者数が激増している4月5日には、「4月1日に電話相談窓口を一本化してから初の日曜日で、体制が十分でなかったの原因でPCR検査が1件も実施できなかった。今後検査や受診相談の体制を強化する」とツイッターで明らかにする始末でした。
***********共同通信2020年4月5日23:20(4月6日00:33更新)
群馬県、5日日曜検査0件
↑群馬県の山本一太知事=2019年11月↑
群馬県の山本一太知事は5日、自身のツイッターで、「本日、県が実施したPCR検査が0件だった」と明らかにし、「ご心配されている県民の皆様に率直におわびします」と謝罪した。1日に電話相談窓口を一本化してから初の日曜日で、体制が十分でなかったことが原因とし、今後検査や受診相談の体制を強化すると明らかにした。
県は1日から、新型コロナウイルスに関する受診や予防方法の相談を、全て「感染症コールセンター」で受け付け、さらに関係機関を紹介するなどしていた。
県は、今後は夜間と休日も受診相談は全て保健所に電話転送するよう、体制を強化する方針。
**********
■こうした最中にあっても、約1億1700万円の動画スタジオに加えて、約2億1000円を費やしてフロア整備をする県庁32階についてはしっかりとPRに余念がありません。4月24日にオープニングの予定ですが、外出自粛の最中、閑古鳥が鳴くなかで、県職員だけでひっそりとセレモニーを行うつもりのようです。
**********上毛新聞2020年03月19日06:00
県の動画スタジオ 名称は「ツルノス」 総再生 年1500万回狙う
↑会見でロゴマークを掲げる山本知事↑
群馬県庁32階に4月開設予定の動画・放送スタジオについて、山本一太知事は18日、名称を「tsulunos(ツルノス)」と決めたことを明らかにした。3年目に年間750本の動画を作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」上の県チャンネルの年間総再生回数1500万回を目指す。
ツルノスは群馬県の形である「鶴」に、アイデアや情報を育むイメージの「巣」を組み合わせた。県職員178人が提案した203の名称案から原案を選び、山本知事が決めた。
合わせて英語表記のロゴマークも発表した。小文字のエルが県庁、そのほかの文字が街並みを表現しているという。
初年度目標は動画作成が平日に1日2本ペースの年間500本。再生回数が都道府県チャンネルの全国上位5都県(茨城、神奈川、東京、福島、岡山)の初年度平均値に当たる44万回。3年目に1500万回を達成すると、2018年度に全国最多だった茨城県の1485万回を上回る。
スタジオ整備費は約1億1700万円。4月24日に開設し、山本知事と県職員がスタジオの概要などを紹介する動画撮影を行う。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、記念イベントは当面行わない。
山本知事は「職員の研修も含めていいチームをつくり、トレンドも研究して魅力的なコンテンツをつくりたい」と強調した。
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■鳴り物入りで就任した山本一太新知事ですが、どうもその行政センスは、中央とのパイプの太さだけが売りで、リーダーシップに疑問符がついています。とりわけ、新型コロナを巡る対策は、スピード感が勝負ですが、日ごろから一太知事が強調しているスピード感は、まったく影を潜めております。いつになったら、公約にそった国際センスあふれる県政をリードしていただけるのか、筆者ならずとも、台湾より中共贔屓の一太知事だけに、県民の心配は続きます。
【群馬県台湾総会理事】
※お知らせ:
毎年7月上旬に県庁1階で開催してご好評をいただいている台湾フェアin群馬ですが、今年の開催は見送られることが決まりました。
↑「県単独限られる」休業補償を明言しないまま休業要請の臨時会見に臨んだ群馬県の山本一太知事=17日、県庁(柳原一哉撮影)©産経↑
**********上毛新聞2020年04月18日
《新型コロナ》緊急事態宣言で山本知事 7業種に休業を要請
新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言の対象地域が全国に広がったことを踏まえ、山本一太群馬県知事は17日、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、県内7業種・施設に休業を要請すると発表した。期間は18日から5月6日まで。医療や食品など生活維持に必要な業種は除く。県民の外出自粛についても同法に基づく要請に切り替えた。
山本知事は17日の臨時会見で、これまで慎重な姿勢を見せてきた休業要請に踏み切った理由として患者急増に伴い逼迫する県内医療現場の厳しい現状などを挙げた。その上で「大変な負担と不便をかけるが、この危機を乗り越えるために協力をお願いしたい」と理解を求めた。
一方、東京都など一部自治体が休業協力店を対象に支給する休業補償については財政面から県単独で可能な対応は限られると説明。「国の政策の中身を見極め、相談しながらしっかり対応したい」と述べるにとどめた。
県が休業要請の対象としたのは(1)遊興施設(ナイトクラブ、カラオケなど)(2)大学・学習塾など(3)文教施設(小中学校、高校など)(4)運動・遊技施設(体育館、パチンコ店など)(5)劇場、映画館など(6)集会・展示施設(博物館、図書館など)(7)商業施設(古本店、ゴルフショップなど)―。
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群馬県では3月7日に初めての新型コロナウイルス感染者が発見されてから今日までに確認された感染者が計120名に上りました。新型コロナに対するこれまでの山本一太知事の経緯を追ってみましょう。
■その前に、当初は新型肺炎とか武漢肺炎と呼ばれていた今回の新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)がどのように拡がっていったのかを見てみましょう。
最初に発生が確認されたのは2019年11月、中国武漢でした。その後同12月、武漢で急性呼吸器疾患が集団発生しました。初期の症例は、主に武漢で海産物や生きた動物を売る市場にかかわりを持つ人たちの間で発生しました。そこでは多くの魚、爬虫類、こうもりをはじめ、その他の生きた、または死んだ動物が取り引きされていました。その後、疾患は患者から家族、医療従事者、武漢に住む地元住民を含む人々へと感染していきました。
それ以来、このウイルスは中国全土へと広がっていきましたが、最初に世界保健機関 (WHO) に報告されたのは2019年12月31日でした。
12月の時点で中国国内では、いち早く一部の医師らの間でSARSに似た奇妙な疾患が発生していることが話題となっていました。そのひとりが武漢中心医院の眼科医の李文亮氏(34)でした。
李医師は2019年12月、2003年の世界的エピデミック(伝染病)を引き起こしたSARSに似た、とあるウイルスによる7つの症例に気が付いていました。そのため、同月30日、李医師はチャットグループに入っている同僚の複数医師に対し、「海鮮市場で7人のSARS感染が感染され、アウトブレイクが起きている」と警告するメッセージを送信し、防護服を着用して感染を防ぐようアドバイスしました。この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知りませんでした。
すると翌12月31日、武漢市当局は27人がウイルス性肺炎を発症したと発表したのです。今から思えば2020年の世界を一変させるニュースの第一報でした。
情報を発信した李氏のところには、僅か4日後に中国公安省の職員が李医師を訪ね、書簡に署名するよう求めたのでした。その書簡は、李医師を「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する内容でした。
↑警察が李医師に署名を求めた書簡。「我々は厳粛に警告する。頑なに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう。わかったか?」と記され、その下には、李医師の筆跡で「はい、わかりました」と書かれている。↑
李医師は、警察が「うわさを拡散」したとして捜査を行ったとしている8人のうちの1人でした。
2020年1月の最初の数週間、武漢市の当局者は「新型コロナに感染した動物に接触した人のみに感染する」と主張していました。そのため、医師らに対する感染予防措置の指導はありませんでした。
警察が李医師を訪れて所管に署名を求めてから僅か1週間後、李医師は緑内障を患う女性患者の治療を行いましたが、この女性が新型コロナに感染していることは知る由もありませんでした。
感染した李医師は、1月10日に咳をし始め、翌日には発熱し、2日後には入院することになったと、今年1月末、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」上で、警察の書簡のコピーを公開し、それまでの経緯を説明しました。その間、地元当局者が李医師に謝罪したが、遅きに失しました。
↑武漢中心医院の眼科医、李文亮氏。1月上旬に女性患者から新型ウイルスに感染。↑
1月20日、中国政府は新型コロナのアウトブレイクについて、やっと緊急事態を宣言しました。病原体を調査している中国・国家衛生健康委員会 (NHC) 専門家の鍾南山グループ長が、広東省でヒトからヒトへの感染(ヒト - ヒト感染)が確認されたと発表したからです。これを受けて、1月23日に武漢市が閉鎖され、翌日24日に湖北省も閉鎖されました。しかし、その時にはすでに大勢の武漢住民を含む中国人が春節前の旅行がてらマスクを買いあさる為、海外渡航しており、日本もその主要な旅行先の一つでした。
さて、新型コロナに感染してしまった李医師でしたが、当時コロナウイルスの検査を複数回受けた時は、そのいずれも陰性だったということです。
1月30日、李医師は再び「微博」に投稿し「今日の核酸増幅検査で陽性反応が出た。一件落着した。やっと診断が出た」と書いていました。ところがその後容体が悪化し、2月7日未明に李医師は肺炎の為34歳の若さで死亡しました。
■この李医師の死亡をめぐり、またもや中共政府の介入がありました。
李医師の死亡については、環球時報や人民日報、そのほかの中国メディアが当初2月6日午後9時30分に「死亡が確認された」と報じ、「微博」で大きな反響を呼び、人民日報は、李医師の死亡は「国民の悲しみ」を引き起こしたとツイートしました。
ところがその後、環球時報などは「李医師には体外式膜型人工肺(ECMO)が取り付けられ、危篤状態にある」と報じました。
現場に居合わせたジャーナリストや医師は、BBCやほかのメディアに対し、「政府職員の介入があった。国営メディアは、李医師が今も治療を受けているという報道内容に変更するよう指示された」と証言しました。
そのため人民日報は後で、李医師の死亡時刻を修正し、「我々は、新型コロナウイルスに対処している最中、不幸なことにそのウイルスに感染した、武漢の李文亮医師の死を深く悲しんでいる。懸命な治療が施されたものの、2月7日午前2時58分に死去した」とツイートし直しました。
2020年1月下旬時点での主要なアウトブレイクは中国大陸に限局されていましたが、1月31日、このウイルスの感染拡大が懸念されることから世界保健機関 (WHO) は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC) を宣言しました。
しかし、WHOがパンデミック(世界的流行)相当の認識を初めて示したのは、すでに感染が拡大し世界で感染者数が10万人を超えてからの3月11日でした。4月2日には、世界全体の累計で100万人を超え死者も5万1000人を上回り、4月16日午前4時には感染者数が200万人を超えました。
■中国のテレビが「発症者から新型のコロナウイルスを確認した」と報じたのは1月9日でした。ところが世界保健機関(WHO)は新型かどうか判断を保留し、その後、武漢市は封鎖されました。
日本で初めて感染が確認されたのは同1月16日で、武漢市に滞在歴のある30代の中国籍の男性でした。厚生労働省は「感染拡大の可能性は低い」との見方を示しましたが、中国では感染者が急増しており、武漢市に滞在していた邦人206人を乗せたチャーター機の第1便が同29日、羽田空港に到着しました。その後、1月30日に第2便で210人、1月31日に第3便150人、2月7日に第4便198人、2月17日に第5便を利用して65人が帰国しました。
一方、2月3日に56か国・地域の乗客・乗員3711人を乗せた「ダイヤモンド・プリンセス」号(英国籍)が横浜港沖に入りました。「感染者が乗船している」として検疫が始まりましたが、さまざまな制約により関係機関との調整に追われ、3月1日の全員下船までに迷走を続け、結果的に乗船者の5分の1に当たる712人が感染し、死者は12人に上りました。
3月24日、安倍首相とIOCバッハ会長が電話会談を行い、東京五輪・パラリンピックについて1年程度の延期での合意が決まった翌3月25日、都内の感染者が上昇傾向を見せ始めました。それまで1日1ケタ~10人台だったのが40人以上確認され、小池百合子都知事は「感染爆発の重大局面」と危機感をあらわにし、院内感染も続発し、医療崩壊の懸念も出始める中、タレントの志村けんさんが感染公表からわずか4日後の3月29日に死去したことで、社会はさらに衝撃を受けました。
そして4月7日、安倍首相が改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく「緊急事態宣言」を発出し、対象地域を東京や大阪を含む7都府県とし、続けて4月16日には緊急事態宣言を全国に拡大しました。期間はとりあえず5月6日までですが、感染拡大の抑止が果たして図られるのか、経済的なダメージ、補償問題など課題はどうなるのか、すべては山積したままとなっています。
■こうした中で、台湾では、中国からの圧力に屈したWHOからは既に長期にわたり感染症を含むあらゆる情報が入手できなくなっていました。そのため米国から情報を得るとともに、独自に大陸中国の動静を監視していました。
そうしているうちに、武漢で医師らによるチャットから、なにやら重大な感染症問題が発生していることをいち早く察知した台湾の医師の通報を受けた台湾政府は、2003年に蔓延したSARS対策で培った経験を以前から駆使して、防疫対策の構築に努めて来ていたこともあり、12月31日には、緊張感をもって未知の感染症に対処する方針を決め、なんとその日に武漢からの直行便が到着すると、搭乗者を全て防疫班が検査しました。
そのころ台湾では1月11日投開票の総統選挙の真っ最中でしたが、防疫体制の構築には万全の対策を進めていました。幸い、現職の与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文氏(63)が約820万票(得票率57%)を獲得して圧勝し再選され、総統選後、台湾政府は全力で新型コロナ対策に注力することができました。
台湾で新型コロナ感染者の第1号は日本より遅く1月21日に武漢から戻った女性で帰国後感染が判明しました。いよいよ感染リスクが現実のものとなったため、台湾政府は1月26日に湖北省と武漢市からの入国禁止措置を取り、武漢をはじめ中国大陸から大勢やってきていた中国人旅行者らを急遽、チャーター機を手配して1月末までには帰国させ、2月6日までには中国全土からの入国を禁止しました。
マスクの配布については、台湾では2月4日に一般の店でのマスクの販売を打ち切り、2月6日からITを駆使したアプリの指示に沿って、IDカード若しくは健康保険証番号の偶数・奇数で曜日を決め、指定の薬局でID若しくは保険証を提示すれば、誰でもマスク(最初2枚/週、現在は9枚/週まで)が購入できるシステムを実施し始めました。
その後の台湾のCOVID-19への対応状況は当ブログで逐次紹介している通りです。
■翻って、我が国はと言えば、中国湖北省武漢由来の感染者は国内で1月中旬から確認されていましたが、安倍首相は習近平の国賓招聘ばかり念頭にしていたためか、政府の専門家会議は2月16日まで開催されず、感染が拡大していた中国と韓国からの入国制限強化は3月5日、特措法の施行は3月14日までなされませんでした。
こうした政府の後手後手の対応には安倍首相の支持層である保守派の評価も厳しく、大阪府の吉村洋文知事らは「国が『瀬戸際』という認識であれば(緊急事態宣言を)出すべきだ。増え始めてからでは遅い」と警鐘を鳴らしてきました。しかし、安倍首相の危機意識は薄く、4月初めの段階でさえも「全国的かつ急速な蔓延という状況には至っておらず、ギリギリ持ちこたえている状況」と変わりませんでした。こうした対応の遅れの背景には「中国」「経済」のキーワードがあったものとみられます。
■その安倍首相や菅官房長官とのパイプを売りにしている我が群馬県の一太知事ですが、せっかく1億1700万円の県費を投入した動画スタジオに加えて、令和2年度2月補正予算で動画スタジオのある県庁32階のフロア整備費としてさらに約2億1千万円を計上しました。
このため、せっかく県内の7業種の事業者に休業を要請するのに、「財政的に難しい」として休業補償を確約せず、休業は事業者の自己負担ということになりそうです。
また、群馬県内では、3月7日に太田市で40代の女性が感染者第1号として見つかりました。
https://www.pref.gunma.jp/07/z87g_00013.html
その後、感染者が現在までに120名迄急増し、医療崩壊のリスクも囁かれていますが、ノー天気にも2月12日に、武漢にマスク2万400枚と、非接触型体温計100本を送ってしまったのです。
中共にマスクを送っても、末端の必要とする現地の人たちの手に届くはずがありません。中国共産党の幹部らが直ちに独り占めにして、身内だけで使うか、高値で転売するのは目に見えています。そんなことも分からずに中国にマスクを送った一太知事の国際センスは、お友達の安倍首相や菅官房長官から得たとしたら、妙に納得がいきます。
***********日経2020年2月12日18:30
群馬県、中国・武漢市に体温計やマスク輸送 新型肺炎で
群馬県は12日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中国湖北省武漢市に対し、県内企業などが開発した体温計と使い捨てのマスクを送ったと発表した。感染拡大の防止に役立ててもらう。同ウイルスによる新型肺炎の患者を県内の医療機関で受け入れたことも明らかにした。県は同ウイルスの対策本部を立ち上げるなど対応を進めている。
政府が6日に武漢市に派遣したチャーター機で非接触型の体温計100本、マスク2万400枚を輸送した。体温計は日本精密測器(群馬県渋川市)と県立産業技術センターが共同開発した。群馬県の山本一太知事は「事態収束のためには中国での感染の広がりを防ぐことが重要」と述べ、中国のSNS(交流サイト)「微博(ウェイボ)」でメッセージを発信したことも明らかにした。
山本知事は11日までに新型コロナウイルスの感染患者を県内の医療機関で受け入れたことも公表。人数や受け入れ先の名称は明らかにしなかった。
県は10日に新型コロナウイルス感染症の対策本部を設置し、初会合を開いた。大曲貴夫・国際感染症センター長ら専門家で構成する感染症の危機管理チームも発足し、情報収集や分析に努めている。
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■その後、群馬県で第1号の感染者が現れる2日前に行った記者会見で、一太知事は「隣国への支援は品格」などと自己弁護に終始しました。
**********産経2020年3月5日19:14
群馬知事「隣国への支援は品格」 中国へのマスク支援で
↑会見に臨む群馬県の山本一太知事=5日、県庁(柳原一哉撮影)↑
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いマスク不足が深刻化する中、群馬県の山本一太知事は5日の定例会見で、県が2月に使い捨てマスク約2万枚などを中国に支援物資として送付したことについて、「隣国が困難にある時は手を差し伸べるのが国としてのあり方だ。その意味で日本は品格のある国だ」と述べ、支援が適切だったとの認識を示した。
山本知事は、東日本大震災の際に日本が台湾などから支援を受けたことを踏まえ、「中国に限らず隣国が困っているときに何もしないことはできない」とし、人道的な支援だったと強調した。
ただ、国内でマスク不足が長引いている現状には「今ほど急激に減るという想定はなかった」と明かした。
医療関係者らの間で懸念が強まる中、マスク不足の解消に向けては「国や卸売り業者の関係団体などに安定供給の協力を要請していく」と述べるにとどめた。
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■さらに一太知事の危機対応に疑問符の付く事態が続きます。かつて国際協力機構の職員としてニューヨーク駐在の経験が売りのはずの国際感覚はどこへやら、ブラジルなど南米出身者を多く抱える大泉町に対して、自らの記者会見が終わるまで、同町で見つかった感染者の情報提供に待ったをかけたのでした。大泉町長が激怒するのも当然です。
***********読売2020年03月17日15:56
感染注意喚起の放送「山本一太知事の会見まで待たされた」…町長が県対応を激しく批判
群馬県大泉町の村山俊明町長は15日、新型コロナウイルス感染者の情報提供について「県は遅すぎる。1分でも早く対策を取らないといけない市町村の立場を理解せず、町と町民を軽視したのではないか」と述べ、群馬県の対応を強く批判した。
村山町長は、町内の医師夫婦の感染が前日確認されたのを受け、町役場で記者会見を開いた。
医師夫婦の感染は、山本一太知事が14日午後9時からの記者会見で発表した。村山町長によると、県からは「町内在住の2人感染」と同3時頃に伝えられたが、医師夫婦だったことは知事の会見直前まで知らされていなかった。さらに、防災行政無線による注意喚起の放送も「知事の会見まで待ってくれとストップがかかった」(村山町長)といい、20人以上の職員が待機を強いられたという。
町内には外国人の住民も多く、ポルトガル語などに翻訳して啓発チラシを作るのには時間がかかる。村山町長は会見で、「こうした事情を県はまるきり理解していない。非常に不愉快だ」とも話した。
町は無線やチラシを使い、手洗いの徹底、ハグやキスを控えることなどを呼びかけている。医師が勤める診療所近くの児童館では、放課後児童クラブを閉鎖した。
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■さらに感染者数が激増している4月5日には、「4月1日に電話相談窓口を一本化してから初の日曜日で、体制が十分でなかったの原因でPCR検査が1件も実施できなかった。今後検査や受診相談の体制を強化する」とツイッターで明らかにする始末でした。
***********共同通信2020年4月5日23:20(4月6日00:33更新)
群馬県、5日日曜検査0件
↑群馬県の山本一太知事=2019年11月↑
群馬県の山本一太知事は5日、自身のツイッターで、「本日、県が実施したPCR検査が0件だった」と明らかにし、「ご心配されている県民の皆様に率直におわびします」と謝罪した。1日に電話相談窓口を一本化してから初の日曜日で、体制が十分でなかったことが原因とし、今後検査や受診相談の体制を強化すると明らかにした。
県は1日から、新型コロナウイルスに関する受診や予防方法の相談を、全て「感染症コールセンター」で受け付け、さらに関係機関を紹介するなどしていた。
県は、今後は夜間と休日も受診相談は全て保健所に電話転送するよう、体制を強化する方針。
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■こうした最中にあっても、約1億1700万円の動画スタジオに加えて、約2億1000円を費やしてフロア整備をする県庁32階についてはしっかりとPRに余念がありません。4月24日にオープニングの予定ですが、外出自粛の最中、閑古鳥が鳴くなかで、県職員だけでひっそりとセレモニーを行うつもりのようです。
**********上毛新聞2020年03月19日06:00
県の動画スタジオ 名称は「ツルノス」 総再生 年1500万回狙う
↑会見でロゴマークを掲げる山本知事↑
群馬県庁32階に4月開設予定の動画・放送スタジオについて、山本一太知事は18日、名称を「tsulunos(ツルノス)」と決めたことを明らかにした。3年目に年間750本の動画を作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」上の県チャンネルの年間総再生回数1500万回を目指す。
ツルノスは群馬県の形である「鶴」に、アイデアや情報を育むイメージの「巣」を組み合わせた。県職員178人が提案した203の名称案から原案を選び、山本知事が決めた。
合わせて英語表記のロゴマークも発表した。小文字のエルが県庁、そのほかの文字が街並みを表現しているという。
初年度目標は動画作成が平日に1日2本ペースの年間500本。再生回数が都道府県チャンネルの全国上位5都県(茨城、神奈川、東京、福島、岡山)の初年度平均値に当たる44万回。3年目に1500万回を達成すると、2018年度に全国最多だった茨城県の1485万回を上回る。
スタジオ整備費は約1億1700万円。4月24日に開設し、山本知事と県職員がスタジオの概要などを紹介する動画撮影を行う。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、記念イベントは当面行わない。
山本知事は「職員の研修も含めていいチームをつくり、トレンドも研究して魅力的なコンテンツをつくりたい」と強調した。
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■鳴り物入りで就任した山本一太新知事ですが、どうもその行政センスは、中央とのパイプの太さだけが売りで、リーダーシップに疑問符がついています。とりわけ、新型コロナを巡る対策は、スピード感が勝負ですが、日ごろから一太知事が強調しているスピード感は、まったく影を潜めております。いつになったら、公約にそった国際センスあふれる県政をリードしていただけるのか、筆者ならずとも、台湾より中共贔屓の一太知事だけに、県民の心配は続きます。
【群馬県台湾総会理事】
※お知らせ:
毎年7月上旬に県庁1階で開催してご好評をいただいている台湾フェアin群馬ですが、今年の開催は見送られることが決まりました。
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