市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【速報】小渕優子・代議士による無資格ツアー等旅行業法違反容疑に対して東京地検特捜部に告発状を再提出

2015-06-23 11:35:00 | 政治とカネ
■市民オンブズマン群馬は本日午前11時に、東京地検特捜部を訪れて、小渕優子・代議士による無登録、無資格による観劇ツアーにかかる輸送サービス及び付帯サービスの提供に対して、同人に対する旅行業法違反容疑で告発状を改めて提出しました。内容は次のとおりです。

**********
          告 発 状
  告発人
     住所  群馬県安中市野殿980番地
     職業  会社員(市民オンブズマン群馬 代表)
     氏名  小川 賢(昭和27年3月5日生)  印
     住所  群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
     職業  自営業(市民オンブズマン群馬 事務局長)
     氏名  鈴木 庸(昭和26年9月10日生)  印
  被告発人
     住所  東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館823号室
     職業  衆議院議員
     氏名  小渕優子

平成27年6月23日
東京地方検察庁特捜部長殿

第1 告発の趣旨
 被告発人の告発事実記載の所為は、旅行業法第3条に定める登録義務を欠いたまま、旅行業法第2条第1項第1号(運送のサービス提供に関わる企画・募集・手配等の業務)、同第2号(運送以外のサービス提供として食事の提供、観光施設等への入場など付帯サービス)を実施したことで同法違反に該当すると思料するので、同人に対する厳重なる処罰を求めて告発をする。

第2 告発事実
 被告発人は公職である衆議院議員であるところ、旅行業法第3条に定める「旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない」とする登録を受けないまま、すなわち旅行業法の資格を持たないまま、自らが主宰・代表する「小渕優子後援会」及び「自民党群馬県ふるさと振興支部」をして、旅行業法第2条第1項第1号に定める「対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為」に該当する事業を行わせた。
 すなわち、募集要項を作って、代金を受け取るという行為が旅行業と定義づけられているのである。被告発人が後援会の名のもとに募集要項を作らせて、対価として一人当たり1万2000円を集めたのは明らかである。
 具体的には、被告発人自らが主催・代表する政治団体に「小渕優子後援会女性部大会」を企画させ、「群馬」「高崎」ナンバーの大型バス26台をチャーターさせて、群馬第5選挙区内の投票人ら約1000人を対象に、一人当たり1万2000円を会費名目で徴収させ、東京・日本橋浜町の「明治座」における天童よしみショーの観劇ツアーを平成26年10月8日に実行させた。
 明治座のエントランスに掛かっていたボードには「本日の御予約団体様」として、〈昼の部 小渕優子後援会女性部大会〉とされていた。
なお、被告発者は2014年10月20日に経産相を辞任する際の記者会見では、昼と夜の2部にわけて小渕優子後援会女性部大会を企画したと説明している。
 また、観劇ツアーに参加した選挙人全員に対して、昼食として明治座の弁当を提供させていた。
 なお、観劇ツアーの会費は被告発人の後援会の地区ごとの代表者を通して被告発人の秘書が選挙人らから現金で集め、自らの後援会の事務所などで管理させていた。
 以上の事実によれば、無資格のまま、旅行業法第2条第1項第1号(運送のサービス提供に係る企画・募集・手配等の業務)の観点から、群馬バスなどのバス会社と運送サービスの提供に係るやりとりを行ったことや、同じく無資格のまま、同法第2条第1項第2号(運送以外のサービス提供として食事の提供、観光施設等への入場など付帯サービス)の観点から、明治座と観劇や食事など付帯サービスの提供に係るやりとりを行ったことは明らかである。
 なお、被告発人はそれ以前にも毎年同様の観劇ツアーを実施したり、後楽園球場での巨人戦の観戦ツアーも実施したりしたことが報じられている。

第3 添付資料
1 「週刊新潮」平成26年10月23日号関連記事 1通
**********

 なお、東京地検を訪問するにあたって、特捜部の担当者に面談を申し入れたのですが、残念ながら多忙を理由に、また事前のアポイントもないということで、直接会えませんでした。そこで、前回同様に、東京地検の文書課の担当者に応対してもらい、事情を説明するとともに、あくまで「東京地検特捜部からのコメントにより、修正が必要と思われる箇所を見直した結果、再度告発状を提出する」という当会のスタンスを理解していただきました。

 そして、控え様に持参した告発状の最後に、受領確認の署名と押印をしていただきました↓
20150623_tokyochiken_obuchiyuko_ryokougyohouihan_kokuhatujo_juryoukakunin.pdf

■今回、小渕優子・前経産相に対する告発状の再提出に至った経緯は次のとおりです。

 市民オンブズマン群馬は、2014年10月20日に代議士・小渕優子を公職選挙法及び政治資金規正法違反容疑で告発した件に引き続き、同23日に中之条町長(当時)・折田謙一郎を政治資金規正法違反容疑で告発しました。その後、10月31日には、代議士・小渕優子に対する差替えのための告発状と、前中之条町長・折田謙一郎に対する追加の告発状を東京地検に提出しました。

 これらについては、2015年4月28日付で東京地検から、小渕優子については、いずれも不起訴(嫌疑不十分)、折田謙一郎については、小渕優子の関係の後援会の収支報告の虚偽記載については在宅での起訴となりましたが、折田自身の後援会の収支報告の虚偽記載については不起訴(嫌疑不十分)という処分告知書が当会に送られてきました。

 上記の一連の告発に加えて、当会では、代議士・小渕優子が経産相を辞任するきっかけとなった東京への観劇ツアーについて、小渕優子が旅行業法に定めた登録をしないまま、旅行業法に定めた行為をした容疑で、2014年11月21日に、東京地検特捜部に旅行業法違反で告発をしました。その根拠等は当時、取材の報道陣には次のように説明しておきました。

1.告発根拠
 今回、旅行業法違反で告発した根拠は次の通りです。
 旅行業法では、「運送」と「宿泊」のサービス提供に関わる、企画・募集・手配等の業務を「旅行業」と定義されています。(旅行業法第2条第1項第1号)
 また、運送・宿泊以外のサービス提供、たとえば「食事の提供」「観光施設等への入場」「体験プログラム」等については、運送・宿泊のサービスに付随して取り扱う場合に限って「旅行業」となります。(旅行業法第2条第1項第2号)
 また、被告発人が仮にこれらの行為を、利益を得ずに行っていたとしても、「旅行業法施行要領」により、(1) 事業者が法第2条第1項各号に掲げる行為を行うことによって、経済的収入を得ていれば報酬となり得ます。また、(2) 企画旅行のように包括料金で取引されるものは、旅行者から収受した金銭は全て一旦事業者の収入として計上されるので、報酬を得ているものと認められます。
 さらに、行程全体に対して「参加費お一人様1万2000円」という形で、募集した時点で、包括料金での取引となります。
 この場合、利益が出なくても、たとえ赤字でも、一旦事業者の収入となるので、報酬を得ていると判断され、旅行業法の適用を受けるため、旅行業法の登録のない者が行うと違法と判断されます。
 報酬を得て法第2条第1項各号に掲げる行為を行うのであれば旅行業の登録が必要になります。
 さらに、旅行業法では、不特定多数とか会員のみだとかの制約は特にないため、自分の後援会内のネットワークのみで募集とか、後援会女性部だけを対象に募集とかは、関係ないと思料します。
 これらのことから、被告発人の所為は、旅行業法違反で罰せられることになります。

2.観劇ツアーの収支に関する疑義
 週刊誌の記事によれば、小渕優子後援会などが主催した東京観劇ツアーの旅行代金は一人当たり1万2000円だと報じられています。
 その費用の内訳として、旅行業に長年携わっていたことのある当会会員の話によれば、バス代とバスに関する雑費(乗務員費用と通行料など)で、群馬県から東京まで往復した場合の一人当たりの単価は3000円前後です。したがって、バス1台当たりチャーター費用としては、
   約3000円×バス1台の乗車人員40人=約12万円
となります。
 ちなみに、バス会社に対しても、相当の値引き交渉をすることが、後援会のツアー計画時の常識であり、26台を同じ日にバス会社の予約の都合に合わせて日程を組んだということも考えられるため、さらに安く仕入れた可能性もあります。
 つまり、約12万円あれば、大型バス1台あたりの、東京往復のバス代とバスに関する費用は賄えます。
 残額9000円のうちの、劇場(東京・明治座)に払った金額がいくらかがポイントです。
 劇場側、もしくは劇場と交渉した関係者が、実際に支払った金額を公開してくれれば、観劇ツアーで、被告発人がどのくらい儲けたのかが判明します。当然のことながら、もし、昼食代の費用を一人1000円と予測し、その1000円を差し引いて、単価8000円より安ければ、被告発人が利益を得たのは歴然です。
 団体の貸切り料金は、公開しているチケット代の半分もしないのが通例のようです。確かに、週刊新潮などが報じているように幕の内弁当代として、単価1000円くらいはかかったのかもしれません。同様な規模の劇場の一つの公演を貸し切るのに、価格交渉をした結果、単価2000円で交渉できた、という経験があるということです。
 したがって、明治座の場合、しかも昔から小渕恵三元首相の頃から、小渕ファミリーと関係の深い明治座であれば、バス26台を使って1000人を送り込めば、単価5000円×1000人=全部で500万円で、2時間~3時間、劇場を貸切るのは容易なことだ、という予測は十分可能だと思われます。
 実際、500万円で貸し切っていても不思議ではありません。従って、単価ベースで、
   バス3千円+弁当1千円+劇場代2千~5千円=計6千~9千円
が、観劇+食事のための仕入れ値となり、利益は一人6千~3千円となります。バス26台で1000人なら、600万~300万円が利益となる勘定になります。
 今回の被告発人が後援会を通じて選挙人から一人1万2000円の代金を集めさせていた群馬発東京への日帰り観劇ツアーでは、バス26台分=1000人が集まれば、利益が発生しない方がおかしいというのが、業界の常識だということです。もし、明治座が食事代に単価5000円を費やしているとしたら、話は別ですが…。
 なお、補足情報として、劇場公演の場合、「昼」と「夜」の1日2回の事例が多く、そのうちの「昼」の部は集客することが比較的難しいことから、「夜」の部の講演で利益を確保したうえでの「昼」の部の団体貸切の「割引率」は相当なものがあります。なぜなら「夜」の部の経費で、「昼」の部の経費を賄える部分もあるからです。
 費用の内訳は、捜査権限を持つ東京地検特捜部であれば簡単に知り得ることでしょうが、マスコミ関係者からは「明治座に領収書の内訳をいくらきいても、教えようとしない。なにか都合の悪いことを隠している気がする」というコメントも聞きました。
 ネットで、今回の小渕優子後援会による観劇ツアー問題で「有権者を接待した」と言う論調が広まっていますが、実際には話が逆だと思われます。
 すなわち、観劇ツアーの開催により、一人1万2千円を徴収した範囲内でも、コストを抑えて利益を上げておきながら、さらに、明治座に8百数十万円の領収書を2通、それぞれ小渕優子後援会と、自民党群馬ふるさと振興支部とに出していることで、さらに、支出を水増しして、マネーロンダリングをすることで裏金を捻出している可能性が指摘されます。つまり、「2重でもうけた」という予測ができます。
 結論として、集めた代金の総額と、支払った費用の内訳が正確に把握できれば、被告発人のマネーロンダリングの実態が把握できると思われます。すでに当時、特捜部では、地元群馬県において、関係者らからいろいろな観点から任意聴取していたことから、この観劇ツアーについても、詳細に情報を入手したことと思われました。当会のような市民団体としては、捜査権がありませんから、とりあえず告発状により東京地検特捜部の捜査を後押しできればよいと考えています。


■ところがその後、衆議院議員選挙が2014年12月14日に投開票された8日後の2014年12月22日付で、東京地検特捜部は当会の告発状の記載内容が不備だとして、返戻しました。返戻しの理由は次のとおりでした。

 貴殿から提出されました「告発状」と題する書面(平成26年11月21日付け)1通及びその他の資料を拝見し,検討しました。
 告発は,刑罰法規に該当する具体的な犯罪事実を捜査機関に申告して,犯人の処罰を求めるものですから,構成要件に該当する具体的な事実を具体的な証拠に基づき,できる限り特定して記載していただく必要があります。
 しかしながら,前記各書面には,罰条の記載が無く,いかなる事実をもっていかなる罰条に触れるものとして告発する趣旨であるのか必ずしも判然としません。
 また,前記各書面の記載から,被告発人が,旅行業法所定の登録を受けないままに旅行業を営んだ旨の旅行業法第3条違反を告発するものと仮定した場合であっても,当該犯罪が成立するとされる事実及び理由が不明と言わざるを得ません。
 以上の点を御検討いただきたく,前記書面を返戻致します。


■その後、当会で旅行業法の条項を改めて吟味し、小渕優子による一連の観劇会の所業について検討を重ねた結果、次の結論に達しました。旅行業法では、同法第二条で「旅行業」を次のとおり定義しています。

 対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為

 要するに、この法律では「募集要項を作って、代金を受け取る」という行為を旅行業と言っています。続いて、同法第三条には「旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない」と定めています。

■小渕優子及びその関係する後援会は、いずれもこの登録を受けていないのは、明らかです。 まして、東京地検がその権限をもって調べれば容易に確認できるはずです。

 そのことをきちんと東京地検特捜部に調べてもらいたいと願い、当会は2014年11月21日に告発状を郵送で提出しましたが、東京地検特捜部では告発状の記載内容が不明確なので、犯罪の成立についてよく理解できないため、よく告発状の記載内容を再検討するようにと、コメントを付けて、当会の告発状を送り返してきたのでした。

■そのため、東京地検からの返戻し理由を踏まえて、今回の再告発状では、前段にこのことを明記しました。

 その上で、最初の告発状で、告発の趣旨として記載した旅行業法第二条第1項第1号(運送のサービス提供に係る企画・募集・手記等の業務)及び同第2号(運送以外のサービス提供として食事の提供、観光施設等への入場など付帯サービス)について、 運送のサービスを提供したバス会社とのやりとりや、観劇や食事など付帯サービスを提供した明治座とのやりとりの存在があったにちがいないと考えて、その旨追加で明記しました。

 今回修正したあらたな告発状に対して、東京地検が受理をするのかどうか、そして仮に受理をした場合、どのような行動をとるのか、皆様と共に注視していきたいと思います。

 また、旅行業法に詳しい一般社団法人全国旅行業協会や同協会群馬支部(=一般社団法人群馬県旅行業協会)にもこの問題について見解を求めることにしています。

■なお、当会は、この告発状の再提出にあわせて、群馬県庁の記者クラブで記者会見をしました。告発状提出の模様、および記者会見の様子は追って報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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【速報】折田謙一郎・前中之条町長の政治資金規正法違反容疑不起訴に対して東京検察審査会に審査を申し立て

2015-06-23 10:12:00 | 政治とカネ
■市民オンブズマン群馬は本日午前10時過ぎに、東京地裁を訪れて、折田謙一郎・前中之条町長の後援会収支報告をめぐり、同人に対する政治資金規正法違反容疑で平成26年10月31日に東京地検特捜部に受理された告発の件で、平成27年4月28日付で東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分としたことに対し、東京地裁3階北側にある東京検察審査会に審査申立てを行いました。内容は次のとおりです。

**********
          審 査 申 立 書
〒100-8920東京都千代田区霞が関1-1-4
(東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎内)
東京 検察審査会 御中 ←(当会注:「東京」と追記の後に、1文字分を空けるように検察審査会から補正コメントがあった)

申立年月日:平成27年(2015年)6月23日

申 立 人:資格:告発人
      住所:〒379-0114 群馬県安中市野殿980番地
      電話:090-5302-8312
      職業:会社員
      氏名:小川 賢(おがわ・まさる)  印
      生年月日:昭和27年(1952年)3月5日生
      その他の申立人は別紙備考欄のとおり

罪   名:政治資金規正法25条3号違反

不起訴処分年月日:平成27年(2015年)4月28日〔平成27年検第12717号〕

不起訴処分をした検察官:東京地方検察庁 検察官検事 小嶋英夫

被 疑 者:住  所:群馬県吾妻郡中之条町折田333
      職  業:前・中之条町長
      氏  名:折田謙一郎
      生年月日:不明

被疑事実の要旨:
 被疑者の被疑事実の所為は、政治資金規正法第25条1項3号に該当すると思料するので、同人に対する厳罰なる処罰を求める。←(当会注:審査申立なので、「処罰を求める」と修正するよう補正指示があったので二本線で「て告発をす」を消去した)
<被疑事実>
 被疑者の政治団体である折田謙一郎後援会の収支報告書(平成23年分)の収支の状況は「0」とあるが、山本龍後援会の収支報告書(平成23年分)の「(その6)(6)その他の収入」には、「折田謙一郎後援会 500,000 政治活動選挙用自動車装飾一式賃貸料」の記載がある。このことから、被疑者は虚偽の記載(不記載)をしたことになる。

不起訴処分を不当とする理由:
1.民主政治の実現を阻害
(1) 健全な民主地方政治に逆行
 政治資金規正法の目的は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保することである。
 その基本理念は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は住民にゆだね、政治資金の拠出に関する住民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならないことである。
 首長によるこのような不正行為が看過されるのであれば、民主的な地方政治の健全な発展は望めない。
(2) 検察による最良証拠主義の懸念
 申立人らは、今回の告発に当たり、証拠として、折田謙一郎後援会収支報告書(平成23年分)と山本龍後援会収支報告書(平成23年分)を特捜部に提出したにもかかわらず、特捜部はなぜ嫌疑不十分としたのか、その理由が判然としない。もし特捜部が、嫌疑不十分と判断した根拠となる証拠を収集し保有しているのであれば、その存在を明らかにしなければならない。例えば、単なる記載ミスなのか(その場合は嫌疑なしとなるのか)、実際には山本龍後援会の収入欄の「折田謙一郎後援会 500,000 政治活動選挙用自動車装飾一式賃貸料」が虚偽の記入であったのか(その場合は山本龍のほうが政治資金規正法違反となるのか)、いずれの場合にしても、折田謙一郎の被疑事実の所為が嫌疑不十分と判断された根拠がなければ、不起訴処分とした特捜部の処分告知は不当だと判断せざるを得ない。
 あるいは50万円は少額だから嫌疑不十分の範疇にあると判断したのか、いずれの場合にしても、折田謙一郎がしかるべき理由もなく嫌疑不十分で不起訴処分とされたとなると、現役の地方政治関係者はもとより、これから地方政治を志す者にとっても、どのような範囲までがルールとして許容されるのか否かを明確に知ることが明るい民主的な地方政治の実現にとって重要となる。

 検察審査会におかれては、民主的な政治・社会の実現に対して本事件が及ぼす影響の重大性を十分に考慮していただき、是非とも「起訴相当」の議決をしていただくことを切望いたします。
                    以上

別紙

備   考:その他の申立人
      資格:告発人
      住所:〒370-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
      電話:090-9134-2942
      職業:自営業
      氏名:鈴木 庸(すずき・よう)  印
      生年月日:昭和26年(1951年)9月10日生
**********

■なお、当会は、この審査申立書の提出にあわせて、群馬県庁の記者クラブで記者会見をしました。審査会の提出の模様、および記者会見の様子は追って報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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【速報】小渕優子・代議士の公選法・政治資金規正法違反容疑不起訴に対して東京検察審査会に審査を申し立て

2015-06-23 10:00:00 | 政治とカネ
■市民オンブズマン群馬は本日午前10時過ぎに、東京地裁を訪れて、小渕優子・代議士の政治資金不正使用問題をめぐり、同人に対する公職選挙法及び政治資金規正法違反容疑で平成26年10月31日に東京地検特捜部に受理された告発の件で、平成27年4月28日付で東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分としたことに対し、東京地裁3階北側にある東京検察審査会に審査申立てを行いました。内容は次のとおりです。

**********
          審 査 申 立 書
〒100-8920東京都千代田区霞が関1-1-4
(東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎内)
東京 検察審査会 御中 ←(当会注:「東京」と追記したあとに1文字開けるように言われた)
申立年月日:平成27年(2015年)6月23日

申 立 人:資格:告発人
      住所:〒379-0114 群馬県安中市野殿980番地
      電話:090-5302-8312
      職業:会社員
      氏名:小川 賢(おがわ・まさる)  印
      生年月日:昭和27年(1952年)3月5日生
      その他の申立人は別紙備考欄のとおり

罪   名:公職選挙法違反199条の2第1項(寄付行為)、同222条第1項1号(多数人買収及び多数に利害誘導罪)、政治資金規正法25条3号違反

不起訴処分年月日:平成27年(2015年)4月28日〔平成27年検第12716号〕

不起訴処分をした検察官:東京地方検察庁 検察官検事 小嶋英夫

被 疑 者:住  所:群馬県吾妻郡中之条町大字伊勢町1003-7
      職  業:代議士
      氏  名:小渕優子
      生年月日:昭和48年(1973年)12月11日

被疑事実の要旨:

1 被疑者の被疑事実①、②及び④記載の所為は、公職選挙法199条の2第1項の寄付行為及び、若しくは同法222条第1項1号の多数人買収及び多数人利害誘導罪に該当すると思料するので、同人に対する厳重なる処罰を求める。 ←(当会注:審査申立なので、「処罰を求める」と修正するよう補正指示があったので二本線で「て告発をす」を消去した)
2 被疑者の被疑事実③の所為は、政治資金規正法25条第1項3号に該当すると思料するので、同人に対する厳重なる処罰を求める。 ←(当会注:審査申立なので、「処罰を求める」と修正するよう補正指示があったので二本線で「て告発をす」を消去した)
<被疑事実>
①被疑者は公職である衆議院議員であるところ、2010年10月1日ころ、自らが主宰・代表する「小渕優子後援会」及び「自民党群馬県ふるさと振興支部」をして、自らの選挙区である群馬県第5区の住民約2000名の明治座観劇会旅行を催させ、明治座に入場料・食事代としてそれぞれから844万4159円及び844万4158円、両者合計1688万8317円を支出させ、また、送迎用バスチャーター代として少なくともそれぞれから184万8255円及び389万7260円、両者合計408万5515円をバス会社に支出させ、参加者からは合計372万8000円を徴収させた。従って、被疑者は自己の選挙区内にある約1000名を超える選挙人に対し少なくとも合計で1890万5832円を寄付したことになる。
なお、「小渕優子後援会」から、明治座観劇会旅行の直前である同年9月22日、「記念品代」62万8500円が、同旅行日である同年10月1日には「お茶代」21万0698円が支出されており、これらも同旅行参加者へ寄付されたことが強く疑われるところである。
②被疑者は2011年10月5日ころ、「小渕優子後援会」及び「自民党群馬県ふるさと振興支部」をして、自らの選挙区である群馬県第5区の住民約2000名の明治座観劇会旅行を催させ、明治座に入場料・食事代としてそれぞれから848万8000円及び847万1030円、両者合計1695万9030円を支出させ、また、送迎用バスチャーター代として少なくともそれぞれから244万9300円及び351万5100円、両者合計596万0430円をバス会社に支出させ、参加者からは合計369万3000円を徴収させた。従って、被疑者は自己の選挙区内にある約1000名を超える選挙人に対し少なくとも合計で1923万5330円を寄付したことになる。
 なお、「小渕優子後援会」から、明治座観劇会旅行の直前である同年9月16日、「記念品代」67万2041円が、同年9月29日には「お茶代」24万3337円が支出されており、これらも同旅行参加者へ寄付されたことが強く疑われるところである。
③2014年10月20日、被疑者は経済産業省で行われた記者会見で「小渕優子後援会」は2010年の明治座観劇会旅行参加者各自から1万2000円、合計約2400万円を徴収したと述べた。他方で、「小渕優子後援会」の2010年の政治資金収支報告書の収入中の「観劇会」欄には372万8000円の記載しかない。被疑者の前記発言を真実とすれば、同人は、政治資金規正法12条1項1号に定める収入の総額につき虚偽の記載をしたことになる。
 同様に2011年も明治座観劇会旅行参加者各自から1万2000円、合計約2400万円を徴収したとするならば、同年の政治資金収支報告書の収入中の「観劇会」欄には369万3000円の記載しかないのであり、やはり虚偽の記載をしたことになる。
④被疑者は、2014年5月頃、地元選挙区の選挙人である元渋川市議に、自分の写真と氏名を記したラベルが貼られた赤ワイン、白ワインの計2本セットを贈った。この価格は2600円ほどとみられ、中之条町にある塚田農園が製造したものであり、この市議以外にも地元選挙区の選挙人らに、同様のワインを配った疑いが強い。

不起訴処分を不当とする理由:

1.民主政治の実現を阻害
(1) 明るい選挙に逆行
 我々の民主主義を守り、政治をより良いものにするためには、まず、我々全員が投票することが必要だが、同時に、選挙の仕組みが公平なものであり、不正のない明るい選挙が行われることが必要である。公職選挙法は公正な選挙が行われるように様々なルールが定めてあるが、今回の被疑者による政治資金不正使用行為は、これに対する重大な挑戦であるにもかかわらず、東京地検は不起訴処分にした。代議士によるこのような不正行為が看過されるのであれば、民主主義の健全な発展は望めない。
(2) 健全な民主政治に逆行
 政治資金規正法の目的は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保することである。
その基本理念は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならないことである。
代議士によるこのような不正行為が看過されるのであれば、民主政治の健全な発展は望めない。

2 巨額の簿外債務が放置されたまま
 被疑者の資金管理団体で1億円近くもの簿外支出があったことが報道で明らかになっているのに、東京地検は、それらの使途を捜査しなかったのは不当である。
 収支報告書に記載しない(できない)カネは「裏金」という見方ができる。平成27年4月29日付の読売新聞の報道によれば、地元関係者の話として、裏金の主な使い途は「飲食代や贈答品代などの交際費」や「餞別」だったという。秘書らが地元の有力者と簿外資金で飲食をともにすることもあったという。
 事実、群馬第5選挙区にある安中市でも、毎年9月から10月初めにかけて、懇親会と銘打ってバーベキュー大会が市内の被疑者の支持者(現・安中市議)の自宅付近で開かれていた。2014年秋のバーベキュー懇親会には、被疑者が来たという情報がある。ちょうど10月初めで、まだ、週刊新潮がこの問題を報道する直前だった。この懇親会には、市内の支援者らがだいたい30人から40人くらい集まるという。ところが、懇親会に参加しても会費を聴取されないという。どこから費用が出ているのか疑問視されていた。ちなみに、この集まりは『絆会』(きずなかい)と呼ばれていた。この会には、安中市中宿在住の被疑者の秘書だった大久保利之も顔を出していたという。
 こうした情報は告発に際して東京地検にも提供済みだったが、嫌疑不十分とされた理由や経緯が不明であり、捜査をしていない可能性が払しょくできない。
 裏金で選挙区の有権者に接待を繰り返していたのであれば「買収=公職選挙法違反」であり、政治家本人の犯罪にもなり得る。
 被疑者は資金操作を指示していないと主張しているらしいが、それが仮に本当だったとしても1億円の簿外支出で買収が行なわれていれば、連座制が適用されるはずである。

3.観劇ツアーの収支に関する疑義
 報道によれば、特捜部のシナリオとして、「積み重なった簿外支出によるマイナスを補するため、地元支援者らを招いた明治座での観劇会が(報告書上は)赤字になったように見せかけて帳尻を合わせた」ことになっている。しかしこれは本当だろうか。
 関連政治団体(自民党群馬県ふるさと振興支部)の2012年分の収支報告書には2010年分や2011年分と異なり、観劇会関連の記載がない。週刊新潮によれば、観劇会は毎年実施されており、2012年は総選挙直前の10月に、明治座140周年記念の『梅沢富美男・中村玉緒特別公演』を観たはずだという。
 当時の公演案内によればチケットは1・2階席とも1万2000円で小渕氏が説明していた会費と同額だから、2012年分は少なくともバス代などの関連経費は「選挙前の有権者サービス=買収」だった疑いが濃厚である。
 3階席は5000円だが、3階部分は144席しかない。ちなみに1階は834席、2階は390席である。被疑者自身、1回1000人規模のツアーだったと説明しているから、1・2階席を使ったことは間違いないとみられる。
 一方、被疑者は、2014年10月20日の経産相辞任会見で、明治座の観劇について、大幅に割引をしてもらったという趣旨の発言をした。また、毎年、明治座の観劇時には、昼と夜の部の2回に分けて実施しているとも述べた。
 週刊誌の記事によれば、小渕優子後援会などが主催した東京観劇ツアーの旅行代金は一人当たり1万2000円だと報じられている。
 その費用の内訳として、旅行業に長年携わっていたことのある関係者の話によれば、バス代とバスに関する雑費(乗務員費用と通行料など)で、群馬県から東京まで往復した場合の一人当たりの単価は3000円前後だという。したがって、バス1台当たりチャーター費用としては、
   約3000円×バス1台の乗車人員40人=約12万円
という計算になる。ちなみに、バス会社に対しても、相当の値引き交渉をすることが、後援会のツアー計画時の常識であり、26台を同じ日にバス会社の予約の都合に合わせて日程を組んだということも考えられるため、さらに安く仕入れた可能性もある。
 つまり、約12万円あれば、大型バス1台あたりの、東京往復のバス代とバスに関する費用は賄える。
 残額9000円のうちの、劇場(東京・明治座)に払った金額がいくらかがポイントとなる。
 劇場側、もしくは劇場と交渉した関係者が、実際に支払った金額を公開してくれれば、観劇ツアーで、被疑者がどのくらい儲けたのかが判明する。当然のことながら、もし、単価8000円より安ければ、被疑者が利益を得たのは歴然である。
 団体の貸切り料金は、公開しているチケット代の半分もしないのが通例のようだ。確かに、週刊新潮などが報じているように幕の内弁当代として、単価1000円くらいはかかったのかもしれない。同様な規模の劇場の一つの公演を貸し切るのに、価格交渉をした結果、単価2000円で交渉できた、という経験者の話もある。
 したがって、明治座の場合、しかも昔から元首相だった被疑者の父親の頃から関係の深い明治座であれば、バス26台を使って1000人を送り込めば、単価5000円×1000人=全部で500万円で2時間~3時間、劇場を貸切るのは容易なことだ、という予測は十分可能だと思われる。
 実際、500万円で貸し切っていても不思議ではない。従って、単価ベースで、
   バス3千円+弁当1千円+劇場代2千~5千円=計6千~9千円
が、観劇+食事のための仕入れ値となり、利益は一人6千~3千円となる。バス26台で1000人なら、600万~300万円が利益となる勘定になる。
 今回の被疑者が後援会を通じて選挙人から一人1万2000円の代金を集めさせていた群馬発東京への日帰り観劇ツアーでは、バス26台分=1000人が集まれば、利益が発生しない方がおかしいというのが、業界の常識だという。ただしもし、明治座が食事代に単価5000円を費やしているとしたら、話は別だが、それもきちんと東京地検特捜部に調べてもらいたい。
 なお、被疑者は観劇ツアーを1日に2回に分けて実施していたと述べていることから、団体貸切りによるさらなる「割引率」が有った可能性もある。
 費用の内訳は、捜査権限を持つ東京地検特捜部であれば簡単に知り得ることである。ところが当時、マスコミ関係者からは「明治座に領収書の内訳をいくらきいても、教えようとしない。なにか都合の悪いことを隠している気がする」というコメントも申立人に寄せられている。
 今回の被疑者の関わる後援会による観劇ツアー問題で「有権者を接待した」という論調が広まっているが、実際には話が逆なのかもしれない。すなわち、観劇ツアーの開催により、一人1万2千円を徴収した範囲内でも、コストを抑えて利益を上げておきながら、一方で支出を水増しして、マネーロンダリングをすることで裏金を捻出している可能性が指摘される。
 結論として、集めた代金の総額と、支払った費用の内訳が正確に把握できれば、被疑者のマネーロンダリングの実態が把握できると思われるが、特捜部はその点を追及したはずなのに、なぜ嫌疑不十分だと判断したのか。

4.ドリルによる証拠隠滅疑惑
 報道によれば、2014年10月25日から実施された被疑者の秘書ら関係者や後援会等関係先の家宅捜索では会計書類を保存していたハードディスクがドリルで破壊された状態で見つかったという。その問題について特捜部は「証拠集めに支障はなかった」と報道筋には説明しているようだが、きわめて疑わしい。ハードディスクがあれば証拠能力が強化される可能性がある。被疑者は、2014年10月20日に経産相を辞職したが、同じくその日、当時中之条町長だった元秘書の折田謙一郎が同町議会議長あてに辞表を提出した後、東京都内のホテルニューオータニで、自民党本部関係者その他弁護士らを交えて協議をしたとする情報もある。タイミング的にも、証拠隠滅に向けた方針として、ハードディスクをドリルで破壊するという対応策がそこで話し合われた可能性がある。それが事実とすれば、被疑者をはじめ関係者には、ハードディスクに残されていたデータ記録が捜査機関の手に亘ると公職選挙法や政治資金規正法に抵触している事実が知られてしまうのではないか、という認識があったとみられる。さらには、もし、このように隠す意図があったとすれば、証拠隠滅罪にも問われなければならないはずである。

5.政治的道義的責任と説明責任の不一致
被疑者は「政治的道義的責任を痛感しています」とコメントを繰り返すのみだが、本当にそう思うのであればきちんと説明責任を果たすべきである。それがなされないまま、東京地検特捜部が任意の取り調べをしたというポーズだけで、不起訴処分と断定して幕引きをしたことは不当である。

6.ワイン贈答の事実
 被疑者は、2014年5月頃、地元選挙区の選挙人である元渋川市議に、自分の写真と氏名を記したラベルが貼られた赤ワイン、白ワインの計2本セットを贈った。この価格は2600円ほどとみられ、中之条町にある塚田農園が製造したものであり、この市議以外にも地元選挙区の選挙人らに、同様のワインを配った疑いが強い。
 ところがこの問題について、2014年10月20日の経産相辞任会見で記者からこの件について質問された際に、被疑者は、「贈答用ワインについては承知しています。ただし、選挙区以外のかたがたが対象だったと報告を受けている」という内容の発言をしていた。今回、特捜部はこの件についても捜査したはずであるが、嫌疑不十分という判断をした。
 申立人らの調査によれば、地元選挙区である群馬5区の選挙人である渋川市在住で、地元企業である衛生関係企業に勤務する住民にもワインを寄付したことが判明している。このことは特捜部も調べて承知している筈である。もし、自らの選挙区内の選挙人に対してワインを贈呈しても公選法に照らして嫌疑不十分であるならば、その判断基準と根拠を申立人らに示していただかないと、明るい選挙の実現に対して大きな混乱材料となる懸念がある。

7.政治とカネの問題
 被疑者の「政治とカネ」の問題としては、明治座以外にも東京ドームの入場券84万円が、2008年度の収支報告書で判明している。被疑者が有権者を明治座に招待したり、ワイン、ベビー用品、化粧品、下仁田ネギなどの「品」を送っていたりしていた問題が発覚したが、過去の政治資金収支報告書を調査したところ、これらの項目以外にも不自然な支出があることが分かった。
 群馬県選挙管理委員会が管理する2008年度の収支報告書によると、小渕氏の政治団体は、明治座や高島屋への支出のほかに、東京ドームに対しても支出している。総額84万1100円の記録がある。「支出の目的」欄には、「入場券」と記されているという。これが事実だとすれば、84万1100円分の入場券を購入したことを意味する。これらの入場券を誰に配布したのかは不明だが、「明治座問題」などの経緯からして、有権者に配られた可能性が高い。
 一方、これが事実でないとすれば、政治資金規正法の虚偽記載の疑いが浮上する。

8.本当に何も知らなかったのか
 被疑者は今回の一連の政治資金不正使用疑惑について、マスコミの取材に対して、「報道で初めて知った」と弁明しているが、今回、東京在住の秘書が在宅起訴となっている。また、被疑者は地元群馬5区に常時滞在しているわけではないが、現在の通信事情では、緊密な情報交換や共有化が可能である。上記4のドリルによる証拠隠滅疑惑にもみられるとおり、そうした情報のやりとりが捜査機関に入手されることは回避しなければならないとする強い意図が感じられる。
 ましてや、被疑者の資金管理団体「未来産業研究会」の元会計責任者の秘書は千葉県柏市在住だという。であれば、被疑者とは直接面談できる条件にあり、一連の政治資金不正使用の実態について、被疑者が何も知らなかったということは通常の常識からしてありえない。
 まして代議士でもある被疑者は、率先して特捜部の捜査に協力するとともに、第三者委員会による調査を別途実施し、その結果を自ら公表して説明責任を果たすべき立場にある。ところがきちんと調べて皆さんの信頼回復に努めなければ・・などと言いつつ、未だに政治資金不正使用の真相と責任の所在明確化などについて、説明をしていない。これでは、明るい選挙、健全な民主政治の実現は望むべくもない。

 検察審査会におかれては、民主的な政治・社会の実現に対して本事件が及ぼす影響の重大性を十分に考慮していただき、是非とも「起訴相当」の議決をしていただくことを切望いたします。
                    以上

別紙

備   考:その他の申立人
      資格:告発人
      住所:〒370-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
      電話:090-9134-2942
      職業:自営業
      氏名:鈴木 庸(すずき・よう)  印
      生年月日:昭和26年(1951年)9月10日生
**********

■なお、当会は、この審査申立書の提出にあわせて、群馬県庁の記者クラブで記者会見をしました。審査会の提出の模様、および記者会見の様子は追って報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※6月24日追記
東京検察審査会への審査申立書提出に関する報道記事
20150624_obuchiyuko_kensatusinsakai_sinsamousitate_houdoukiji.pdf
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説明責任が果たせない「姫」らの不起訴処分について明日午前10時に東京地裁の検察審査会に申立書を提出予定

2015-06-22 20:19:00 | 政治とカネ
■小渕優子・代議士による政治資金不正使用問題では、平成26年10月16日発売の週刊誌帳平成26年10月23日号のスクープ記事をきっかけに、大きな政治的、社会的な影響を各方面に巻き起こしました。とりわけ、「姫」と異名をとる同代議士のお膝元の群馬5区を抱える市民オンブズマン群馬としては、この問題に関して、真相解明と追及、責任所在の明確化、再発防止の観点から、最優先の課題ととらえて活動してきました。その結果、4月28日付で「姫」については公職選挙法、政治資金規正法ともに嫌疑不十分として不起訴処分、「国家老」については自らの後援会の政治資金規正法について不起訴処分となりました。この結果について当会の定例会で会員諸氏に報告したところ、ぜひ検察審査会に申立てをすべきだという意見が圧倒的でしたので、慎重に準備を重ねた結果、平成27年6月23日(火)午前10時を目途に、検察審査会を訪れて申立書を提出することにしています。

 このため本日、東京地裁の第一検察審査会(電話03-3581-2877)に電話をして、検察審査会の窓口と提出方法について質問したところ、受付窓口は3階の北側にあることが分かりました。明日の午前10時に受け付けの準備をしておくとのことでした。なお、東京検察審査会には第一から第六まであるため、どの検察審査会の窓口になるのか、と尋ねたところ、受付窓口はひとつで、受け付け順に第一から第六まで、自動的に割り振るのだそうです。したがって、受付窓口に提出すれば、ただちに何番の東京検察審査会が扱うのかが判明するようです。

■今回の検察審査会への審査申立は、「姫」と「国家老」に関する告発にかかる不起訴処分についての申立てとなりますが、実はもう一つ、「姫」の旅行業法違反に関する告発があります。

 これは平成26年11月21日に東京地検特捜部に告発したものですが、その後、特捜部からコメント付きで返戻しされていました。告発状の記載に不備があるということで、よく検討するように特捜部から指摘されたため、今回、指摘された内容に基づいて修正したものを準備しています。

 東京地検は、東京検察審査会のある東京地裁のビルのすぐ東側にあるので、審査申立書を東京検察審査会に提出したあと、東京地検を訪れて特捜部に修正した告発状をあらためて提出したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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群馬県知事選挙の告示と選挙運動期間のスタートに際して想うこと

2015-06-18 23:26:00 | 県内の税金無駄使い実態
■4年前の群馬県知事選で、再選後初登庁した2011年7月8日の午後から翌朝にかけて知事公舎にいつものように20年来の愛人を連れ込んで宿泊した不倫知事が、4年後、性懲りもなく、公約破りの3選目を狙って本日出馬しました。幸い対抗馬が出馬したので選挙戦になりましたが、保守王国だけに県民の投票動向が気になるところです。不倫知事の得票数がどのような傾向を見せるのか否か、群馬県民の本質が試される機会でもあります。
【6月19日追記】

20150619_jomosinbun_shakaimen.pdf
写真はマーキュリーホテルでのフリン知事の出陣式の模様らしい。演壇に誰がいるのだろうか。


20150619_jomosinbun_chijisen.pdf

20150619_jomosinbun_kohoshashokai.pdf

**********NHK 首都圏 News Web 06月18日 10時56分
群馬県知事選挙 2人が立候補
 任期満了に伴う群馬県知事選挙が、18日告示され、これまでに現職と新人の合わせて2人が立候補し、7月5日の投票日に向け、17日間の選挙戦に入りました。
群馬県知事選挙にこれまでに立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属で、3期目を目指す現職で、自民党と公明党が推薦する、大沢正明氏(69)と、新人で、共産党が推薦する、元中学校教諭の萩原貞夫氏(66)のあわせて2人です。
 届け出を済ませた2人の候補者は、さっそく街頭に出て支持を訴えました。
 大沢氏は「人、もの、情報を群馬県に呼び込んで拠点性を高め、都市力アップを図り、雇用を生み出していく。若者が子どもを生みやすい環境を作り、オール群馬で人口減少問題に取り組んでいきたい」と訴えました。
 萩原氏は「県民の暮らしのための県政に切り替える必要がある。県が高崎市で計画を進めているコンベンション施設にノーという審判を下すべきだ。また、憲法改正など戦争への道を止めたい」と訴えました。
 今回の知事選挙は、2期8年にわたって群馬県のかじ取りを担ってきた大沢知事に新人の萩原氏が挑む構図で、大沢知事の県政運営に対する評価が最大の争点となる見通しです。
 選挙戦では、雇用の確保や地域活性化をどう進め、人口減少に歯止めをかけていくかや、医療、福祉など社会保障の充実、それに県が建設を予定しているコンベンション施設の是非などを巡って論戦が交わされるものとみられます。
 群馬県知事選挙の立候補の受け付けは、午後5時で締め切られ、7月5日に投票が行われます。

**********毎日新聞 2015年06月18日 10時45分(最終更新 06月18日 11時21分)
群馬知事選:2氏が届け出 投開票7月5日
 任期満了に伴う群馬県知事選が18日告示された。3選を目指す無所属現職の大沢正明氏(69)=自民、公明推薦=と、無所属新人の元中学教諭、萩原貞夫氏(66)=共産推薦=の2人が立候補を届け出た。投開票は7月5日。
 大沢氏は2007年に初当選した際、5選を目指した現職の多選を批判し、「2期8年まで」の公約を掲げたが、一部県議らの要請を受け、今年2月に出馬を表明した。8年間の県政運営が問われる。
 萩原氏は12年と14年の衆院選群馬4区に共産党公認候補として出馬したが落選。安倍政権の安全保障関連法案や高崎競馬場跡地で県が進めるコンベンション施設建設計画への反対を訴える。【吉田勝】
 立候補者次の通り。(届け出順)
大沢 正明(おおさわ・まさあき)69[元]県議長(2)無現=[自][公]
萩原 貞夫(はぎわら・さだお)66[元]中学教諭 無新=[共]

**********産経新聞 6月18日(木)7時55分配信
【群馬知事選】きょう告示
 任期満了に伴う知事選は18日に告示され、7月5日の投開票日に向けた選挙戦が始まる。立候補を表明しているのは、いずれも無所属で、3選を目指す現職の大沢正明氏(69)=自民、公明推薦=と新人の元中学教諭、萩原貞夫氏(66)=共産推薦=の2人。他に立候補を模索する動きもある。高崎競馬場跡地のコンベンション施設建設の是非のほか、前回、過去最低(36・62%)を記録した投票率の低下に歯止めがかかるかも焦点だ。
 大沢氏は18日午前8時から前橋市内で必勝祈願祭を行い、8時45分から同市のマーキュリーホテルで出陣式。9時半から県庁前で第一声を上げ、同市や高崎市を中心に遊説を展開する。
 .萩原氏は8時50分ごろから前橋市内の選挙事務所で出陣式を開き、遊説に繰り出す。同市を中心に各所で街頭演説を行い、正午に県庁前で第一声を上げる。
                   ◇
 ◆有権者数161万9300人 前回比0・77%減
 県選管は17日、同日現在の有権者数が161万9300人(男性79万4444人、女性82万4856人)で、平成23年の前回知事選と比べ1万2577人(0・77%)減少したと発表した。
 市町村別では、高崎市の30万3625人が最多。次いで前橋市が27万6490人、太田市17万2409人、伊勢崎市16万2219人-だった。
                   ◇
 ◆大沢氏 雇用など10分野に数値目標/萩原氏 競馬場跡地の施設計画撤回
 知事選に立候補を表明している現職の大沢正明氏の陣営は17日、選挙公約を発表し、2陣営の公約が出そろった。
 大沢氏は公約の中で、人口減少を喫緊の課題と指摘し、若者の移住促進や出産・子育て支援など幅広い政策49項目を盛り込んだ。
 また、10分野について具体的な数値目標を掲げ、障害者実雇用率を1・79%(平成26年6月)から2・3%に引き上げることや、県内観光地の入り込み客数を25年の約6150万人から約6500万人に増加させることなどを挙げた。
 一方、萩原氏は先月に開いた出馬会見の中で公約を披露し、政府が進める安全保障関連法案を「憲法破壊の『戦争立法』そのもの」と指摘し、知事選に勝利することで「安倍政権の暴走政治にストップをかける」と強調。
 県が高崎競馬場跡地に建設予定のコンベンション施設については計画撤回を表明、「大型開発優先の県政を転換する」と訴える。
                   ◇
 ◆立候補予定者、陣営 かく戦う
 大沢正明選対・織田沢俊幸選対幹事長 今回選ばれた知事の下で、新しい県総合計画と総合戦略が策定される。必ず勝利しなければならない。低投票率が心配されるが、過去8年間で子供の医療費無料化や世界遺産登録実現に取り組んできた実績を真剣に訴え、投票につなげたい。
 萩原貞夫選対・真砂貞夫選対本部長 県民目線に立った県政を築くという点を訴える。強調するのは2点。まずは戦争法(安保法)をつくらせないこと。国の暴走は地方から食い止める。次は地方自治本来の任務を果たすこと。不要不急の大型公共事業最優先では群馬経済は一段と疲弊する。

**********東京新聞015年6月18日
知事選 きょう告示 注目される投票率
 現職に新人が挑む見通しの知事選が十八日、告示される。投開票は七月五日。これまでともに無所属で、現職の大沢正明氏(69)=自民、公明推薦=と新人の元中学校教諭、萩原貞夫氏(66)=共産推薦=が立候補の意向を表明している。前回の投票率は戦後最低の36・62%だったため、県選挙管理委員会は投開票日に行けない有権者に期日前投票を呼び掛けている。 (菅原洋)
 期日前投票所は役所・役場や支所など計八十三カ所。大半が十九日に始まり、全て七月四日に終了する。投票時間は大半が午前八時半から午後八時まで。
 例外は市役所では、前橋、伊勢崎、沼田、渋川、富岡、みどりの六市。六市は市役所のみ十九日に始まり、他の支所などは伊勢崎、渋川、富岡、みどり各市が二十八日から、前橋、沼田両市が二十九日から受け付ける。
 投票開始時間の例外は、前橋市の支所などが午前九時から、伊勢崎市の伊勢崎駅前など一部が同十時からとなる。

**********上毛新聞更新日時:2015年6月17日(水) AM 09:00
現新一騎打ちへ 群馬県知事選あす告示
 任期満了に伴う知事選は18日告示され、7月5日の投開票に向け17日間の選挙戦に突入する。3選を目指す現職の大沢正明氏(69)=自民党、公明党推薦=と新人で元教諭の共産党地区常任委員、萩原貞夫氏(66)=共産党推薦=の2人が立候補を予定し、一騎打ちとなる公算が大きい。大沢県政の評価を争点に、人口減少対策や高崎競馬場跡地のコンベンション施設整備などをめぐって、論戦が展開される見通しだ。
◎内山氏は出馬断念
 知事選に出馬する意向を示していた元県行政書士会長の内山秀三氏(83)=前橋市荻窪町=は16日、立候補を断念したと発表した。選挙戦への準備不足と家族の反対を理由に挙げた。

**********桐生タイムス2015年5月28日 地域のニュース, 政治
大沢県政の是非問う、元教諭の萩原氏が挑戦 県知事選
 任期満了に伴う県知事選が6月18日告示、7月5日投開票の日程で行われる。県庁で行われた立候補予定者説明会には、すでに出馬表明している現職の大沢正明氏(69)=太田市=と、新人で元教諭の萩原貞夫氏(66)=渋川市=の両陣営の関係者らが出席した。現時点では、3選をめざす大沢氏に萩原氏が挑む構図だが、他にも出馬をうかがう動きがあり、流動的だ。
 説明会には大沢、萩原両氏の陣営関係者に加え、自民、民主両党関係者、それに前橋市内の会社経営の男性が出席した。このほか前回知事選に出馬した海老根篤みどり市議も現れ、書類を持ち帰った。
 大沢氏は2月の自民党県連の会合で、3選をめざす意向を表明。自身の任期について「2期8年」としてきた公約を転換する格好で、同党や県内各種団体の推薦を受け、県政8年間の実績を問う選挙となる。
 大沢氏は旧尾島町(現太田市)生まれ。太田高、慶応大卒。海上自衛隊、家業の建設会社をへて旧尾島町議2期、県議4期、県議会議長などを歴任。2007年に自民党公認で県議からくら替えし、故・小寺弘之元知事の5選を阻んで初当選。11年の前回選は無所属で出馬し、元県議の後藤新氏ら新人3氏を抑えて再選した。
 萩原氏は5月、共産党県委員会などでつくる政治団体「憲法をくらしに生かす県政の会」に推され、無所属での出馬を表明。同党の推薦を受け、「安倍政権の暴走政治から平和と暮らしを守る県政を」などと主張。大沢氏の3選阻止をめざす。
 萩原氏は前橋市生まれ。前橋高、群馬大卒。主に高崎市などの中学校で美術教諭を務める傍ら、全群馬教職員組合執行委員長を歴任。09年に退職し、現在は同党西毛地区委員会常任委員。昨年12月と12年12月の衆院選にいずれも群馬4区(高崎市など)から同党公認で出馬し、落選している。
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■どうやら不倫知事は本日の午前8時から前橋市内で必勝祈願祭を行い、8時45分から同市のマーキュリーホテルで出陣式のあと、9時半に県庁前で第一声を上げてから各地での遊説に向かい、17日間の選挙運動をスタートさせたことでしょう。関心があるのは、出陣式に、ゼツリン代議士として名を馳せた衆院議員や、ドリル姫とかユーコリンの異名をとる女性代議士が、このフリン知事の出陣式に顔を出すかどうかです。

 もし、どなたか出陣式に出席したかたで、これらのスリーショット写真をものにした方がおられれば、ぜひ見せていただきたいものです。

 とくに、八ッ場ダムサイトを地元選挙区とするユーコリン姫が、最近自民党群馬県連の重要なイベントをすっぽかしていることから、フリン知事の出陣式という踏絵的イベントに顔を出すかどうかが注目されます。

■さて、保守王国と呼ばれる群馬は、コンプライアンスとか法令遵守という気風がほとんど希薄な政治土壌ですが、その中でも、4年前の再選後初登庁日の夜に愛人を知事公舎に連込んで宿泊を伴う滞在をさせたフリン知事はもとより、そのように仕向けたイエスマンの副知事や、その出身母体の県庁総務部の管財課や秘書課が、フリン知事に胡麻を擂って、我々の血税を2000万円以上知事公舎のラブホテル化のために、投入したことは、象徴的でした。

 最初にイエスマンの副知事が、フリン知事が愛人と気兼ねなく週末を過ごせるように、最初は自分が入居する予定だった副知事公舎を「どうぞ、ラブホテル代わりにお使いください」と言わんばかりに差し出したのが発端で、さっそく管財課が、愛人との風呂遊びをフリン知事が楽しめるように、浴室を拡張して設備も新しくしました。さらに、フリン知事が気兼ねなく愛人を連れ込めるように入口ゲートを手動から電動のリモコン式にして、車から降りずにすむように改造したり、周囲のブロック塀の上に目隠しフェンスを設えたり、隣接のマンションから除かれないようにするための植樹や、玄関わきの竹垣など整備したり、そのために、県民の血税を惜しみなく投入し、フリン知事のご機嫌をとったのでした。

 それなのに、週刊誌の記事で、20年来の愛人の存在と、週末の定期的な連込みが全国的にバレてしまうと、「あんなに広い知事公舎は要らない」などと手のひらを反して、知事公舎不要論を唱える始末です。これでは、知事公舎に投入された公費の原資を血税と言う形で搾り取られた県民としては、なんともやりきれません。

 群馬県総務部管財課は、すべて実状を知り尽くしている筈なのに、この知事公舎愛人連込み事件について、週刊新潮で報道されたあと、議会で「大沢知事は平成20年2月、公舎に入居し、平成23年7月末日に退去した。公舎管理規則第8条は、生計を一にする者以外の者の同居を禁じているが、今回の事件では、同居とは一緒に生活することだから(愛人と宿泊を伴う滞在をしても、その行為は)、該当しない」として、知事を庇う答弁をしました。

 しかしフリン知事は、太田市内に配偶者が待つ自宅がちゃんとあるのに、台風など有事の際に県庁付近で待機できるようにという目的で「単身」で知事公舎に「入居届」を提出して、自分自身でそれを認めたのでした。

 そのためフリン知事は、いくら群馬県総務部の管財課や秘書課がちやほやして、ラブホテル並みの設備改善をしてくれたからといって、知事公舎を公務以外に専ら使っていいということにはなりません。

 公舎管理規則によれば、公舎は「公務の円滑な運営を図るため」にあると定義してあります。にもかかわらず、フリン知事は、実際には台風襲来時などでの緊急宿泊などは眼中になく、もっぱら週末に20年来の愛人を連れ込んで、さながら「“性”務の円滑な運営を図るため」知事公舎を妾宅として利用していたのですから、当会では公序良俗の観点から、公舎管理規則に違反するとして住民監査請求及び住民訴訟を提起しました。しかし、妾宅化に投入した設備備品などの費用の賠償請求は1年を徒過したという理由で最高裁まで門前払いの判断を指示したのでした。

 そして、公舎の目的外使用である愛人連れ込み行為については、たとえ家族以外の第三者と宿泊を伴う滞在が有っても、それは「同居」ではないから、問題は無いという画期的な判決が確定したのでした。

■フリン知事には、選挙期間中、ぜひこのことを遊説で、ひろく県民に説明責任を果たしていただきたいものです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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