その他 2017年12月20日 (水)配信毎日新聞社
◇野島病院(倉吉市) 細田庸夫さん
インフルエンザはすでに流行期に入っています。今回は「手遅れ」にならない方法です。
今期(2017年から18年)のワクチンは、最初は供給が足りない可能性の報道がありました。インフルエンザは北半球と南半球の冬に流行しますので、年2回の流行があります。この流行の情報などから、世界保健機関(WHO)の勧告を受け、今年2月から今年度のワクチン株を決める国内会議を開き、4月に厚労省に伝え、ワクチン製造に入ります。
最近のワクチンは4種のウイルスが入っています。今年はその1種を新しい種類に変更することになりました。しかし、鶏卵内でウイルスが十分に増殖せず、今期のワクチンには使えないことになり、昨年と同じ株のワクチンを製造することに変更されました。これが、最初にワクチンが十分に供給されなかった理由です。この記事を読んでいただく頃には、十分な量が配給されています。
インフルエンザが大流行すると、平均寿命を引き下げるくらいの方々が亡くなられることもあります。ワクチンも、残念ながら100%の予防効果は期待できません。しかし、唯一、予防効果と重症化防止効果が証明されているのがワクチンです。
「うがい」と「手洗い」は、それだけで予防できるとは考えないでください。しかし、他の病気の感染予防と合わせ、大いに実行してください。「栄養」と「休養」も、可能なら実行してください。
ワクチンの完全ではない予防効果を補っているのが、日本のインフルエンザ診療システムです。早めに受診し、早めに診断を付け、早めに治療を開始します。呼びかけ調にすれば、「早期受診、早期診断、早期治療」となります。
流行期には本格的な症状でなくても、「インフルエンザかな」「もらったかな」という症状があれば、早めに受診して「鼻水検査」を受けます。十数分でインフルエンザか否かが判明します。
治療薬は複数あります。いずれも早期使用が効果的です。流行時には、受診する前に医療機関に電話してください。患者で混んでいる場合は、受診時刻を指示される場合があります。別の入り口が用意してある医療機関もあります。そして、受診する場合は、マスクを忘れずにつけてください。